あとがきで作者本人が言うところの“ばっかみたいな恋人たちの日常”を描いた11編からなる短編集です。どこにでもありそうな恋人たちの関係を、ユーモアを交え観察眼鋭く描いています。
ここに出てくる恋人たちは、相手が風呂嫌いな女、迷信を気にする女、通販マニアな男、誰にでも自分たちの生活を話してしまう女、何でも記念日にしてしまう女、生活が巨人中心の男、万引き癖のある女、スナック菓子を食事の代わりにする女、酒乱の女、知ったかぶりの男、浮気性で甲斐性のない男と、こりゃあすごいと思ってしまう人たちばかりです。作者のあとがきには“本当につまらないことで私たちは愛する人と諍いを起こし、馬鹿馬鹿しい性癖や習慣が決定的な亀裂を生むこともある”と言っていますが、ここに出てくる人の性癖等はささいなこととは思えないのですが(笑)
好きになったときは、アバタもエクボで、恋人の性癖も気にならず受け入れることができたのでしょうが、交際が長く続くとしだいに鼻についてくるのが現実なんでしょうね。
嫌なら別れてしまえばいいのにと思います。何やってんだ!かまわず別れてしまえ!と読みながら叫んだのですが、そういかない恋人たちもいたようですね。
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