(ちょっとネタばれ)
初めて読む乾ルカさんの作品です。5話からなる連作短編集です。
物語は、大学の学生部奨学係の女性・悠木から紹介されたアルバイトに行った学生たちが、さまざまな不思議な体験をするというものです。
お寺で死者に添い寝をすることや依頼人の男性の作る料理を食べることといったバイト自体が奇妙なものと、家族が海外旅行中の大の餌やりや病院の売店での商品の入れ替えといった普通のバイトだけどその裏には“実は"という隠された事実があったり、思わぬ結果をもたらすといった具合に統一がとれた話とはなっていません。
話の内容もホラー風味のものやミステリー風味のもの、ファンタジックなものなどいろいろです。ただし、どれも学生たちにとっては素敵なラストで終わります。唯―やめたほうがいいと悠木に言われたにもかかわらず、無理矢理バイトを紹介してもらった男子学生を描く「アタエル」だけは、異なる結果に。
何故に彼女に不思議な能力があるのか、彼女の正体は謎のままで終わります。これは完全に続編があるようですね。 |