初めて読んだ乾作品です。原書房から出ている津原泰水の「ルピナス探偵団の当惑」を探しているときに、同じミステリーリーグというシリーズ名が目について手に取ったのですが、表紙を開いて目次を見ると80年代の歌の題名が章名となっていたので、懐かしい感じがして思わず購入してしまいました。
ミステリ作品のはずなのに、読み進んでいっても事件らしきものが起きません。大学4年生まで女性と交際したことがない僕(たっくん)と代打出場の合コンの席で出会ったマユとの単なる恋物語ではないか、これミステリではなかったのかなあ、あれれ!もう終わってしまうよ、と思ったら最後にありましたよ。「最後に明かされる真相」というやつが。読んでいるうちに、あれ?これって何か変だなという違和感はあったのですが、ようやく、本の帯にあった惹句がどういうことかわかりました。「ぜひ、2度読まれることをお勧めします。」「2度目にはまったく違った物語が見えてくる」・・・
僕らに○○を信じられなくさせる作品です。
それにしても、最後まで読み進めるのは骨が折りました。途中で、「なんだ!恋愛物語か」と何度読むのを止めようとしたことか。 |