ある小さなコンビニを舞台に、店長を中心に店員、そこに集まる客を描いた連作短編集です。主人公というべき店長は、相次いで交通事故で子と妻を亡くしています。子供は自分が教えた“かんけり”がうまくできるようにと早朝に一人で練習しているところを車にひき逃げされことから、さらに妻の事故も本当は自殺ではなかったかと自分を責めています。
刊行当時、評価が高かったが、中で暴力団員を好意的に描いていると一部から批判がなされました。しかし、この連作を通して流れているのはやさしさということであり、決して暴力団に好意的ということはないだろうと思います。全7話ですが、どの作品も心を洗われます。思わず涙が出てきてしまいました。オススメです。 |