(ネタバレあり)
「ラス・マンチャス通信」で2004年度ファンタジーノベル大賞を受賞した平山瑞穂さんの受賞第1作です。今回もファンタジーと言っていい作品ですが、いわゆるライトノベルな雰囲気であっという間に読んでしまいました。
1人の少女を好きになってしまった高校生の男の子タカシの恋を描いた物語。と書けばありきたりの初恋のラブ・ストーリーになってしまいます。しかし、彼の恋した女子高生あずさはこの世界から消え去る運命にあったのです。
どうして彼女が世界から消え去らなければならないのか、その理由は最後まで明かされません。それゆえ、一途に彼女をこの世界にとどまらせようと努力するタカシの気持ちがあまりにも切なく、泣けてしまいます。ラストシーンのあずさの言葉にもジーンときてしまいました。こういう話には弱いんですよねえ。ど真ん中直球の恋愛小説です。深く考えるといろいろ疑問が生じてしまいますが、それを抜きにして“タカシとあずさ”のストレートなラブストーリーにどっぷり浸かりましょう。
表紙カバーの女子学生の写真、顔が写っていないところが哀しいです。 |