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伯方雪日の本棚

  1. 誰もわたしを倒せない

誰もわたしを倒せない 創元推理文庫
 プロレス界を舞台にした連作ミステリ短編集です。連作ですが、それぞれの作品は、ちょっと消化不足。こんな謎解きでは納得できないなあと思うものばかり。まあ当然最後に連作短編集の醍醐味として、今まで真実と考えられていたことがひっくり返って、新たな真相が明らかとなるのですが、一つ一つの解決が今ひとつなので、最後の種明かしが生きてきません。最初から話の展開がわかってしまっていましたし・・・。
 そんななかで、トリッキーなおもしろさがあったのは、「ロープ」です。実は××だった(ネタバレになるので伏せ字にします)という叙述のトリックはなかなかでした。ただ、殺人の方法には唖然としてしまいましたが・・・。現実にはこんな方法できないでしょうと思ってしまいます。
 この作品にのめり込めなかったのは、舞台がプロレス業界ということにあったことも大きいですね。最近は総合格闘技がテレビでも主流で、プロレスなんて放映しているのやら。したがって、プロレス技など描写されてもよくわかりません。プロレスファンなら楽しめる1冊だったかもしれませんね。
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