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泡坂妻夫の本棚

  1. 湖底のまつり

湖底のまつり 創元推理文庫
 主人公の女性は会社の同僚に暴行された傷をいやすため東北のある山里を訪れるが、うっかりして川でおぼれそうになり、ある青年に助けられる。彼女はその青年と一夜を過ごすが、翌朝彼は姿を消す。彼の行方を捜す彼女が知らされたのは、彼は一月も前に亡くなっているという驚くべき事実だった・・・。
 泡坂作品らしい技巧的な作品で、単純に読み進んでいくと作者にまんまと騙される。僕自身も謎が解明された時に、そんなばかな、それはおかしいだろうと思って前の部分を再度戻って読んだほどです。しかし、やっぱり作者にすっかりやられたのを再認識しただけだった。
 僕にとっては、初めて読んだ泡坂作品であり、この本も笠井潔の「バイバイ、エンジェル」と同じように亡き先輩から貸してもらった本ということで印象深い本である。 
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