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蒼井上鷹の本棚

  1. ハンプティ・ダンプティは塀の中

ハンプティ・ダンプティは塀の中 東京創元社
 東京創元社のミステリ・フロンティアシリーズの1冊です。5話からなる連作ミステリ短編集です。
 物語の舞台となるのは警察の留置場。先日映画で「それでもボクはやってない」を観ましたが、その中でも主人公が痴漢行為で逮捕され留置場に入れられたシーンがありました。そこには、警察に逮捕された被疑者や、勾留状によって勾留された被疑者や被告人が拘禁されています。この本の中でも検事の取り調べを受けにいっているということが時々述べられていますね。起訴までには最長23日拘留されますし、起訴後も証拠隠滅等の理由があれば拘留されるので、留置場暮らしも長くなることがあります。刑務所と異なってやることがないのですから、同房となった者達が暇つぶしに謎解きを繰り広げるというのもありえないことでもないでしょうか(笑)
 話は、第1留置室に新入りのワイさんが入ってきたところから始まります。同房にいるのは、デンさん、ノブさん、ハセモトさん、そしてマサカさん。ワイが、ハセモトさんから逮捕された話を聞くことになり、そこから留置場の中での謎解きが始まります。みんながあれこれ推理する中で、謎を解き明かすのは、いつも話を聞いていないと思っていたマサカさん。いわゆる安楽椅子探偵ものです。映画のせいもあって、留置場という設定に興味が引かれて読み始めたのですが、最後はちょっと唖然としてしまいました。
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