赤川さんの処女長編です。以前、推理小説研究会編・著「本格ミステリベスト100 1975→1994」で第52位にランクされた作品です。絶版で読むことができなかったのですが、新装版が発売され、ようやく読むことができました。
赤川次郎さんといえば、まず思い浮かぶのは「三毛猫ホームズシリーズ」に代表されるユーモアミステリーですが、この作品のようなサスペンス調のものも、なかなかのものです。
フランス留学から帰った上田修一が家庭教師を依頼された家には、美人姉妹が住んでおり、さらに地下室にはもう一人の妹が幽閉されていた。修一が彼女を救おうとしたことから、惨劇が引き起こされる。
失踪した上田、彼の行方を追う婚約者の美奈子、彼女を助けるダンディーな上西、そしてナイフで殺人を次々と犯す女と、全体像が見えないまま物語は進んでいきます。美人姉妹の正体は?連続殺人の意味は?等々ラストにすべての謎が明らかとなりますが、途中でこのラストのどんでん返しが予想がついてしまったのは残念なところです。 |