聞かせて欲しかった    けれど余りに貴方が辛そうだから

 言いたくても言えない    だってお前を苦しめるから


 だから秘密

 大切な大切な人だから










籠から出た蒼い鳥[7]〜










「新一…?」


 堪え切れず泣き出してしまった新一に快斗は躊躇いがちに彼の名を呼ぶ。
 けれどそれに新一は答えることが出来ずにただ涙を零し続けるばかり。


「……新一」


 快斗はそっと新一の目元を優しく唇で拭ってやって。
 片手でそっと新一の頬へと触れる。


「聞かないつもりだった」


 そして唐突に尋ねられる核心。
 その言葉に新一の身体がびくりと強張る。


「でももうそんな事言ってられない」

 新一が言いたくないなら聞かないでおこうと思っていたけれど。
 話してくれるまで待とうと思っていたけれど。

 そんな目をするなら…そんな風に泣くならそんな悠長な事は言っていられない。

「……か…いと…」
「何も聞かないなんて俺には出来ない」


 向けられるのは鋭く、けれどその中に優しさを閉じ込めた真っ直ぐな眼差し。
 けれどそれには答えられない。


「……言え…ない…」
「新一」

「…俺には言えない!!」


 快斗の手を振り払ってそのまま逃げ出そうと起き上がった新一の手を快斗は引き、再びベットへとその身体を沈める。


「…新一」


 そのまま腕の中に彼を抱き締めて努めて優しく名前を呼ぶ。


「ごめん…もう聞かないから」


 そんな顔…そんな顔させたかった訳じゃない。
 そんな辛そうな顔をさせたい訳じゃない…。

 ごめん、と最後にもう一度言って快斗は新一から手を離しそっとベットを抜け出る。


「……朝食作ってくるから」


 適当に着替えを身につけて、それだけ言うと快斗は新一を残して寝室を出て行った。
 きっと今は自分にも彼にも冷静になる時間が必要だ、そう判断したから。

 けれど本音は…見ていられなかっただけかもしれない。

 自分のせいで傷付く彼を。






「かい…と……」


 一人残された新一はベットの中自分の腕で自らをぎゅっと抱き締める。


「愛してる…」


 だから…だから何も聞かないで……。















to be continue….


み…短いι
書いてその日にあぷしてるのがばればれだなι

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