「新一そのまま!」

「ん?」

「あ、動いちゃ駄目!」


 ここ数日間同じ光景が工藤邸では繰り広げられていたのだった。








〜ある日の快斗くん8〜









 ―――パシャッ!


 工藤邸のリビングに軽快なシャッター音が響き渡る。
 それは数日前快斗が新しく購入したデジカメのシャッター音だった。


「快斗…てめえまた撮りやがったな…。」
「だって〜新ちゃんはそうやって頬杖ついてる姿もカッコいいんだもんvv」
「………馬鹿だろお前?」
「うん♪ 俺、新一バカvv」
「………」


 悪びれもせずに満面の笑みでそう語りかけてくる快斗に、新一は呆れて物すら言えなくなった。
 馬鹿に付ける薬なし、というのをここ数日間で新一は嫌という程痛感させられた。

 朝の寝顔激写から始まって、朝食を食べている時、ソファーで本を読んでいる時、その合間に珈琲を飲んでいる姿…等々。
 今日一日だけでもどれだけ撮られているか解らない。
 購入した日から考えれば、数百枚はいっているかもしれない。


「お前そんなに撮ったって保存しきれないだろ?」
「そんな事ないよ♪ ROMに落としてるしvv」


 と言って何処からとも無く取り出される数枚のROM。


「………やっぱりてめえは馬鹿だ」
「だから、俺は新一バカだって言ってるでしょvv」
「…もういい…好きにしてくれ」
「うん♪ 好きにする〜vv」


 ―――パシャッ!


 新一の投げやりな言葉に満面の笑みでそう答えると、快斗はすかさずシャッターを押す。


「………」


 そんな快斗の様子を無言で見詰めつつ、新一は内心で思いっきり溜息をついたのだった。








 そんなこんなで、新しい玩具を与えられた子供の様に快斗は連日連夜新一を撮りまくっていた。
 しかし…それだけ新一の様子を、しかも新一が起きる前から新一が寝た後まで撮っていたという事は…。


「ったく、幸せそうな顔して寝やがって…」


 当然数日後には睡眠不足に陥っていたりする(爆)
 新一が本を読んでいる横で、デジカメを持ったまま幸せそうに寝ている快斗の顔を新一は楽しそうに眺めていた。


「こいつがあれだけ撮る気持ちも、解らないでもないけど……」


 そんな呟きと共に取り出されたのは一台のデジカメ。
 それは新一がつい先日快斗に内緒で購入した物。


「だからってこいつは撮り過ぎなんだよ…。」


 たまにしか見れないものを撮るのがいいんじゃねえか。


 ―――パシャッ!


 その瞬間、新一のデジカメにまた一つ画像が増えた事を幸せそうに眠る快斗が知るはずは無かった。






























 …………訳が無く。


(新一ってばこういうとこも可愛いよねvv)


 と、一人心の中で幸せを噛み締めつつ快斗はそのまま暫く寝たふりを続けたのだった。












あはは〜んvv実はこれダチの実話を元に…(爆)
まぁ、バカップルな友人はネタになるからい……げふげふ(逃)




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