『ただいま〜。…快斗? …居ないのかあいつ?』
何時もの用に帰宅すれば、いつも居るはずの快斗の姿が見えない。
『何だこれ?』
姿が見えない快斗の代わりにリビングのテーブルの上にあったものは…。
〜ある日の快斗くん7〜
「ときめきメモ○アル??」
そう、テーブルの上にあったものそれは『ときめきメ○リアル』(何故かスー○ァミ版)とその攻略本、そしてご丁寧にスーファ○本体まで置いてあった。
ここでこれをお読みの皆さんに簡単に説明をしておこう。
『ときめきメモリ○ル』とは主人公の男の子が高校に入学するところから始まり、終わりは卒業式。
三年間の間に勉強や、部活などに励みつつ卒業式の日に憧れの女の子に告白されるように頑張る、というゲームである。
まあ、つまるところ○ャルゲー(知らない人は知らなくて良いんですよVv・爆)である。
が、そんなゲームのことをこのゲーム音痴(興味がないだけだ!by新一)の名探偵工藤新一君が知っている筈もなく…。
「何だこれ?」
と、取扱説明書を取り出して取り敢えず読んでしまったのであるが…。
数分後…。
「ほぅ…あいつはこういう趣味があった訳か…」
し、新一さん…目が据わってます…ι
すっかりゲームの内容にご立腹の新一さんは数分後にはある計画を立てていたのだった。
「ただいま〜♪ …あれ? 新一帰ってるのかな?」
新一が沸沸と怒りを煮えたぎらせているのなど知る由もない快斗は、ついさっき買い物を済ませてきたスーパーの袋を持ったままリビングへ入っていった。
そして…その瞬間…思いっきり凍りついたのである。
「お帰り、快斗」
「………し、新一君…何やってるの…?」
「何って『ときめきメモ○アル』だろ?」
「いや…『だろ?』って聞かれても…ι」
快斗が見た光景…それは…。
『テレビの前に座って優雅に(笑)『ときめきメ○リアル』をプレイしている新一君』だった(爆)
しかも主人公の名前がご丁寧にも『くろばかいと』にしてある辺りが何とも新一らしいのだが…。
どうやら新一君の『作戦』とは前回(『ある日の快斗君1』を見てねVv)同様、キャラに快斗の名前をつける事らしかった(笑)
「いやあ…こういうの馬鹿にしてたけどさ、意外におもしろいのな」
ちゃんとキャラに個性とかもたせてあるし。
固まっている快斗を無視しながら何やら『とき○きメモリアル』についての個人的見解を述べている新一を快斗はただ、呆然と眺める事しか出来なかった。
(あ、あの新一が……『ときめきメモリア○』をプレイしてる………。)
快斗君、思考回路停止一秒手前(爆)
が、次の新一の言葉で快斗は嫌がおうでも我に返ることになる。
「まあ、お前がこういうのやるタイプだとは思わなかったけどな」
「……………はい??」
し、新一君…? 今なんとおっしゃいました??
「だから、お前がこういうのやるタイプだとは思わなかったって言ってんだよ!」
快斗があくまでしらをきる気(新一的見解)だという事にどうやら相当ご立腹になってしまった様子の新一に快斗は思いっきり首を捻る。
「…新一それどういう意味……?」
俺別にそういうの興味ないんだけど…。
「しらばっくれんじゃねえよ!!これはてめのだろうが!!」
この後に及んでまだしらを切るきか!!
こっちには物的証拠が挙がってんだよ!!
相当頭の血管に血が上っていらっしゃる様子の新一に快斗はそれでも状況が飲みこめずに取り敢えず理由を聞く事しか出来ず…。
「俺のって一体どういう事?」
しかも物的証拠って…。
「目の前にあるだろうが!!」
おもいっきりこんなもん机の上において出かけたのは何処のどいつだ!!
ぜえぜえ、と息を切らせるほどの勢いで言われた言葉に今度こそ快斗は絶句した。
が、暫くして快斗が重くなってしまった口をなんとか開く。
「…………………新一君」
「なんだよ」
「ご立腹のところ大変申し訳ないんですが…」
何やら言い辛そうにしている快斗に、「とうとう話す気になったか」なんて刑事ドラマの刑事役の台詞のような事を頭の中で考えた新一は快斗に先を促す。
「早くはいちまえよ」
楽になるぜ?
新一さん…キャラが間違ってますι
そんな我をも忘れる程ご立腹らしい新一に快斗は内心おもいっきり溜め息をついていた。
これから言う事を彼が信じてくれるかは怪しいが、これは言っておかなければならない訳で…。
「……それ俺のじゃないんだけど…」
「……………は?」
「だからそれ…俺のじゃない…」
「………。ほぅ…この後に及んでしらをきるとはいい度胸してるじゃねえか快斗」
(ああ…やっぱり信じてくれてない…ι)
快斗の言葉に一瞬は固まった新一だが、すぐにその目が据わっていくのに快斗は背中に思いっきり悪寒がかけ抜けて行くのを感じた。
が、いくら怖くても(笑)本当に自分のではないのだ。
これは認める訳にはいかない。
「ほんとだってば!! それは俺のじゃないの!」
「じゃあ何でこんなもんがうちにあんだよ!!」
「…それは私が置いておいたからよ。」
「「!?」」
突然後ろからかけられた言葉に二人は咄嗟に振りかえった。
ようやく真打ち登場(違)
二人が振りかえった先にいた人物とは…
「面白い絵が撮れたわ」
そう楽しげに語る『宮野志保』その人だった。
ちなみに、手には小型のビデオカメラが握られている。
どやら一部始終をしっかり撮られていたらしい。
が…この事態をまったく飲みこめていない当の二人はというと…。
「宮野!! どういう事だよ!!」
「そうだよ志保ちゃん! 危うく俺のにされかけたじゃないか!!」
と、思いっきり反撃に出たのはいいのだが…。
「煩いわね。大体、疑う方と疑われる方が悪いんじゃない。」
「「……それは……」」
絶対に悪いのは志保の筈なのに、こう言われてしまうと自分達が悪かったように思えてしまうのは何故だろう…。
所詮、志保相手には勝てない二人なのだった。
「さてと、面白いものも撮れたしそろそろそれ返してくれるかしら?」
借り物だから今日中に返さなきゃいけないのよ。
と言って、固まっている二人をしり目に志保は何のためらいもなくゲーム機本体のコンセントを引き抜くとてきぱきとそれを片付けた。
「じゃあ、そろそろお暇しようかしら」
本体(スーファ○)とソフト(ときめきメモ○アル)を何処からともなく取り出した紙袋に仕舞うと志保はさっさと部屋を立ち去ろうとする。
「ちょっ、志保ちゃん!」
しかし何とか復活した快斗によって、志保が完全に出て行く前に呼び止められる。
「何かしら?」
「それ…借りたって言ったよね?」
「ええ、言ったけれどそれが何か?」
「誰に…借りたの?」
そんなレトロな本体と『ときめきメ○リアル』…。
快斗が一番聞きたかった疑問を口にした瞬間、志保の口元に悪魔も真っ青なほどの凶悪だが美しい笑みが浮かんだ。
「それはヒミツよ」
その表情のまま志保はそれだけ告げると今度こそ部屋から出て行ったのであった。
「新一…」
「……なんだ…?」
「志保ちゃんの謎がまた一つ増えたよね…」
「そう…だな…」
残された新一と快斗は、暫く『宮野志保』の謎について考えさせられる羽目になったのであった…。
快新サイトで『とき○も』をもってくるのは僕ぐらいなんだろうな…(遠い目)
いや、うちにあるんです…『と○めも』(核爆)
何気におもしろいんですよ…「こんな女の子いねえよ!」とか突っ込みつつやってました(オイ)
そして…これはある日の『快斗君』でなく…ある日の『志保さん』な気が…。
でもほら、そうすると読む前にばれちゃうから♪(爆)
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