怪盗から送られたメッセージ。

 美術館へは『競技』と『遊技』

 警察関係者へは、『勝負』


 ──そして

 彼が認める、唯一の名探偵に宛てたのは…




                         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           8月のBlue Sapphire -6-

                               〜怪盗KIDからの挑戦状?〜
                         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 午後8時…怪盗キッド予告時間。


「現れよったな、コソドロっ!」
「今日こそは貴方の負けですよ、怪盗キッド!」

「これはこれは、白馬探偵に服部探偵……?」

 予告時間丁度に何処からともなく現れた怪盗は、自分が呼び出した探偵2人を視界に入れた後、わざとらしくその名前を呼んだ…。
 そして、服部と白馬の傍らに佇む小さな少年の姿に動きを止める。


 …そこにいるのは、彼が唯一認めた名探偵…


「貴方までおいででしたか。小さな名探偵」
「………」

 こんな処で、何をなさっているのですか…?

 そう目線で問い尋ねられ、その視線を間違う事無く受け取ったコナンは不機嫌そうな表情で溜息を付いた。

 …勿論。両サイドにいる2人の迷探偵に気付かれる事なく、であるが。


 侵入直前まで聞いていた盗聴機に、彼の声は入っていなかった。
 だからてっきり、いつものように現場には来ていないのだと思っていたのだが…

「…そうですか」

 コナンの表情からだいたいのことを察したキッドは、1人納得しふむ…と考え込む。
 そんな怪盗に、必然的に無視された形になった(笑)探偵2人も負けてはいない。

「流石のお前も、こん中での犯行は無理やろ!」
「厳重な警備。そして僕達がこうして出口を塞いでいますからね…、脱出も無理でしょう」
「さあ…観念しいや?」

 今日は普段何かと意見の食い違う中森がいない。
 その為自分の思う侭の警備が出来、絶対の自信を持っている。

 まして、今日は2人が心惹かれる少年もいるのだ。


 ──負ける訳にはいかない!!←格好悪いから(笑)。


 …今。2人の心は1つになった(爆)。



「……困りましたね。これではこの後の予定が狂ってしまう」

 2人の言葉を受け、キッドが考えていた仕草のまま口を開く。
 その言葉に満足げな笑みを浮かべる探偵2人。

 しかし、キッド耳にさっきまでの2人の話は一切届いていなかった。
 話の流れ的には繋がっていても、キッドの中では先程の「…そうですか」の続きでしかないのだ(笑)。
 そしてそうは言うものの、怪盗の表情と口調は全然困った風には見えない。
 当然ながら、この怪盗には此処からの脱出も然程気にする事はなく(つまり簡単に出来る)……犯行に至っては既に宝石は手元にあるのだ。

 だから気にするのはこの後の予定。


 …秘密の実と、愚かな女神の受け渡し──


「予定と言えば…宝石は盗らないのですか?」

 キッドの呟きを聞き、犯行を促す白馬。
 そんな彼らしくもない発言に、キッドは些か眉を顰める。

「…どうしました? 白馬探偵らしくもない…」
「ふっ…、窃盗は現行犯でなければ捕まえられませんからね」

 素直に尋ねれば、白馬はそう言ってくすり…と笑みを零した。
 その何処か演技地味た余裕の出し方に、何かを感じたキッド。

「……ほぅ。私にはそれだけには思えませんが…?」

と、問えば、僅かにだが服部に反応が見える。
 白馬が喋り出してからそれまでの威勢は何処へやら…服部がひたすら沈黙を守っている。
 その不自然さをしっかりと感じていたキッドは、普通なら何とも思わないであろう服部の僅かな反応も見逃さない。

 そして、2人の間に挟まれる形で佇んでいるコナン…。

 彼はキッドが現れてから今まで、1度も口を開く事無く、何処か面倒臭そうな表情でキッドを見上げている。


 キッドはこの部屋唯一の入り口に向かうように現れた。
 白馬と服部はコナンを挟んでキッドと対峙していて……コナンはその入り口を背にして立っている。

 …宝石の置かれているケースはこの部屋の中央。

 しかし、2人の探偵は宝石を守ろうともせず、ただ唯一の脱出口になるそこに立っている。
 さっきの白馬のセリフと言い、その彼等らしくない行動にキッドはくすり、と嘲笑を零す。

「な、何が可笑しいのです?」
「いえ…、たいした自信だと思いましてね」


 だいたいの予測は付いた。予測というよりはむしろ、それが正解だろう。


「では仰る通り、『稀代の名探偵が守りしBlue Sapphire』を頂戴させて頂きます」

 そう宣言したと同時に、閃光弾を床に叩きつけたキッド。
 強烈な光りに慌てて腕で遮り、目を閉じる2人の探偵。
 そうしながらも隣りにいるコナンへと声をかける。

「コナン君!」
「無事か?!」


 ──だが。その呼びかけに答える声はなかった…。







to be continue….


【桜月様後書き】
言い訳…と言うよりは謝罪の時間デス

 ──マジで久し振りな『8月』です!!
 すみません!すっかりご無沙汰致しておりました(土下座)
 まさか投票で上位に来るとは思っていなかったものでして…;

 なんだか展開が急ですか? ですよね; オレもそう思います(爆)

 …さてさて。今回コナンさんはひとっことも喋っていません。
 前回の【言い訳】を見て、キッドとの逢瀬(訂正:対決。←?)を期待なされた方…ごめんなさいっ!
 ですが次! 次は間違いなく2人の逢瀬(訂正:会話)のお時間ですからv




うきゃぁ〜vvv
愛コンタクトですわ〜vvv←変換がおかしいです薫月さんι
目と目で語り合っちゃってる辺り愛ですね愛vv(強調し過ぎι)
でもって、鳥と馬との心が1つになっている辺り…笑かせて頂きました(笑)
投票…僕は上位に来ると思ってましたよ?♪(妖笑)
いやぁ〜今回も素敵なブツをありがとう♪次回も期待してるわ☆

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