コルドバは、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の3つの文化が交錯した街です。
2世紀の半ばローマ人によってその礎を形成され、8世紀にイスラム教徒が回教王国としてこの地を選び、絶頂期の10世紀には、コンスタンティノーブル(現イスタンブール)、バグダッドと並ぶイスラム世界の文化の中心地となったところです。
13世紀にキリスト教徒の手に渡った後も、イスラムやユダヤの文化が完全に払拭されることなく、3つの文化が今に息づく奥深い趣のある街です。
コルドバの街並みです。 | ||
13世紀末に建てられ、1328年に改修されたムデハル様式の「アルカサル」です。 美しい庭園には、コロンブスがアメリカ大陸発見の航海に際して、カソリック両王に謁見する様子の像などがあります。 |
||
コルドバの一番の見どころ、モスクと聖堂が融合した「メスキータ」です。 威風堂々として、また外壁の透かし彫りなどのイスラム装飾も見事なものです。 785年にイスラム寺院として建立され、以後数度の拡張を経て、200年後には、2万5千人の回教徒を収容する規模のものとなったが、キリスト教徒の手に渡った後に、、内部に礼拝堂や大聖堂が造られたという、2つの宗教建築物が同居する特異な建物です。 |
||
メスキータの入り口、アーチ部分には、くさび型の赤レンガと白い石が交互に組み合わされています。 | ||
メスキータの中。 | ||
「オレンジの中庭」です。 かって、回教徒たちは、この中庭の池で身を清めて寺院に入ったものですが、今は池も無く、当時繁っていた月桂樹やオリーブの木々は、後に回教徒の面影を一掃するため全てオレンジに植え替えられています。 |
||
メスキータの内部です。 円柱と赤白のアーチが林立する姿により「円柱の森」呼ばれています。 ほの暗い中に、850本もの大理石の柱が林立し、別世界に迷い込んだような幻想的な空間が広がっています。 |
||
メスキータ内部の「聖器室」の品。 | ||
同上。 象牙のキリスト像 | ||
旧ユダヤ人街にある路地の中でも、特に有名な「花の小路」です。 メスキータの北東の行き止まりの路地で、白い壁に鉢が吊り下げられ、バルコニーや窓の格子からは、花と緑がこぼれ、細い路地の向こうには、モスキータの塔が覗く、美しい景色です。 |
||
2002年10月8日