シラクーサとパンタリカ岩壁古墳
Syracuse and the Rocky Necropolis of Pantalica


 「シラクーサとパンタリカ岩壁古墳」は、2005年7月に開かれた世界遺産委員会で新たに登録された世界遺産です。
 残念ながら「パンタリカ岩壁古墳」には行きませんでしたが、訪れた「シラクーサ」についてご紹介いたします。 
 シラクーサへは、2001年10月8日、タオルミナからカターニャへの途中に立ち寄りました。
 「シラクーサ」は、かっては南イタリアに点在する重要都市で、コリント人植民都市として紀元前734年に建設された町です。
 現在のシラクーサは、ヘレニズム時代からローマ時代の遺跡が今も残っている素晴らしい古代遺跡の町として沢山の観光客が訪れています。


「ギリシャ劇場」1

 「ギリシャ劇場」です。
 紀元前5世紀に、岩山を掘り抜いて造られたもので、古代劇場の中でも特に規模が大きく美しい劇場です。
 岩山の中腹に造られ、客席からは、シラクーサ平原や海も眺めることができます。
 残念ながら、観客席上部は、はぎ取られて無惨な姿となっていますが、これは16世紀に要塞を築くための建材として持ち去られたと聞いています。

 「ギリシャ劇場」を客席の上から撮したものです。
 直径130mもあり、世界最大級の古代劇場とも言われています。
 広い客席はかっては67段を数えたが、現在は46段で、縦割りに9つに分かれています。
 通路も設けられており、その跡も僅かですが残っています。
 なお、上演内容は、キリシャ悲劇と聞きました。

「ギリシャ劇場」2
「ローマ円形闘技場」1

 左と下の写真は、「ローマ円形闘技場」です。
 紀元前1世紀頃に、岩山をくり貫いて建造されており、この種の闘技場としてはシチリア最大のもので、2万人を収容出来ると聞きました。
 ローマのコロッセオと似た造りのように思われます。

  「ローマ円形闘技場」です。
  写真左下に見えるのは、闘技場内の通路です。

「ローマ円形闘技場」2
「天国の石切場」1

 建築用の石を切り出した「天国の石切場」といわれる石切場跡です
 真ん中に見える石は、石切場の天井を支えていた柱です。

 「天国の石切場」の中の一部です。

「天国の石切場」2
「ディオニシオスの耳」

 「ディオニシオス(王様)の耳」と呼ばれる人工の洞窟で、なるほどこの洞窟は耳の形をしています。
 洞窟の高さは、入り口で23m、中で33mもあります。
 音響が大変良いことで知られ、このためシラク−サの王がここに政敵を監禁し、彼らの内緒話を外から盗み聞きしたという言い伝えが生まれたそうです。

 「ヒエロン二世の祭壇」です。
 ヒエロン二世が、紀元前3世紀頃築いたもので、大きさは22,8×198mもあり、ヘレニズム時代の祭壇としては最大規模のものです。
 一度に450頭もの牛を生け贄にできるほどのものです。
 岩山を掘り抜いた部分のみ現存し、建造物は16世紀にスペイン人により破壊されてしまったそうです。

「ヒエロン二世の祭壇」

2001.11.25

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