パレルモ (Palermo)


 シチリアの州都「パレルモ」には、モザイク画で有名な「パラティーナ礼拝堂」をはじめ、「マルトラーナ教会」、「プレトリア広場」や「司教座大聖堂」などの観光名所が歩いて行けるところにあります。
 2001年10月5日に、パレルモを訪れましたが、半日程度の観光でしたので、数々の素晴らしい芸術を駆け足で見て回りました。 ご紹介します。


「ノルマン宮殿」

 「ノルマン宮殿」内の18世紀に付け加えられたという柱廊です。
 この宮殿は、アラブ最盛期の9世紀頃建てられ、11世紀にはノルマン宮廷などが置かれ、16世紀に修復されてからもヨーロッパ各王家や総督などが次々と居を定めたところです。
 現在は、シチリア州議会に使われております。
 パレルモのノルマン芸術を代表する「パラティーナ礼拝堂」は、この宮殿内にあります。

 

「パラティーナ礼拝堂」

 ノルマン宮殿に入ると、柱廊で囲まれた中庭が待っており、立派な階段を上がって見所である宮殿二階へ入ります。
 「パラティーナ礼拝堂」は、1130年に着工し1143年に完成されたもので、礼拝堂の内部は、古代建造物の円柱を利用した尖頭アーチの三廊式となっていて、例えようもないほどの美しいモザイクと素晴らしい木製天井で飾られたビザンチン芸術の宝庫です。

「外壁のモザイク画」

 礼拝堂の入り口付近の外壁上部の美しいモザイク画です。
 (上の写真の柱廊の向こうに見えています。)
 

「側廊のモザイク画」

 パラティーナ礼拝堂側廊を飾るモザイク画です。

「モザイク画・キリスト像」

 礼拝堂正面のモザイク画です。

モザイク画・天使に囲まれた宇宙の支配者キリスト」

 パラティーナ礼拝堂のモザイクの中でも、キューボラの「天使に囲まれた宇宙の支配者キリスト」が圧巻でありますが、残念ながら仕切があって、真下からのキューボラは撮影できませんでした。
 天使は、写っていますが、肝心のキリストは衣の一部が写っているだけです。

「玉座」

 中央後陣には、玉座が置かれていたところです。
 おそらくアラゴン時代に付け足されたものではないかとの説明がありました。

「ヌーヴァ門」  「ヌオーヴァ門」です。
 16世紀の後半の建造で、アラブ人が創建し、ノルマン人が拡張したもので、ルネッサンス様式の影響が濃い凱旋門の形で、ピラミッド型の屋根にはパレルモ議会の象徴である鷲をかたどるマジョリカ焼きが飾られています。
 門の左右には、4体のアラブ風の人物の彫刻が施されています。
「プレトリア広場」

 観光名所のひとつ、「プレトリア広場」です。
 誠に残念でしたが、下の写真の左側に見えるように、工事中で木製の壁で囲まれており、ガラスの覗き窓から撮した写真です。
 壮麗な16世紀様式の噴水や寓意像や神話の主人公、怪物などの大彫刻群は、ほんの僅かしか見ることが出来ませんでした。
 後ろに見えるのが、15世紀後半に建てられたという「セナトリオ宮殿」です。

「パレルモ市庁舎」

 「パレルモ市庁舎」です。

「マルトラーナ教会」

 写真左手に見えるのが、「マルトラーナ教会」(サンタ・マリア・デッランミラーリ教会)です。
 12世紀の創建と聞いていますが、現在の建物は、ノルマン建築やバロック建築などが折衷されたものとなっています。
 中に入ってみましたが、教会内には、沢山の素晴らしいモザイク画があります。
 右手のキューボラの建物は、「サン・ジョバンニ・デリ・エレミーティ教会」です。

「モザイク画・キリストから冠を授けられるルッジェロ二世」

 マルトラーナ教会内の有名なモザイク画の1つ、「キリストから冠を授けられるルッジェロU世」です。
 右壁の古い扉の奥にあります。
 教会内は、フラッシュによる撮影は禁止、薄暗いところの撮影でありまして素晴らしい色彩のモザイク画をそのままお見せすることが出来ず残念です。
 

「モザイク画・聖母の前にひざまずく提督ジョルジョ・ダンティオキア」

 もう一つの有名なモンザイク画の「聖母の前にひざまずく提督ジョルジョ・ダンティオキア」です。
 こちらは、左壁の扉の奥にあります。

「モザイク画・祝福するキリストと4人の大天使」

 天井のモザイク画、真ん中に見えるのが、「祝福するキリストと4人の大天使」です。

「モザイク画・聖母の永眠」

 教会内のアーチを飾るモザイク「聖母の永眠」です。

「モザイク画・キリスト誕生」

 モザイク「キリスト誕生」です。

「サン・ジョヴァンニ・デリ・エレミーティ教会」  マルトラーナ教会のすぐ隣にある「サン・ジョヴァンニ・デリ・エレミーティ教会です。
 12世紀前半に建てられたノルマン風の教会が、19世紀に当時パレルモで流行していた回教風に改築されたそうです。
 頂部の赤い丸屋根が建物全体の東洋的雰囲気をひきたたせています。
「司教座大聖堂」

 「カテドラル」(司教座大聖堂)です。
 創建は、1184年とききましたが、バロック風の大理石縁飾りの欄干が印象的な教会です。
 14世紀、15世紀、16世紀,18世紀と何回もの増改築が行われたと聞きましたが、様々な建築様式が取り入れられた、それはそれはとてつもなく大きな教会です。

「司教座大聖堂内」

 堂内は、18世紀に改築されたものだそうですが、角柱が並ぶ三廊式のネオクラシック様式で、角柱の柱頭には、後陣を飾っていた聖人像の複製が置かれています。

「日時計」

 堂内の日時計です。
 天井にから差し込む光を利用した日時計です。

「マッシモ劇場」

 1897年開館の100年以上の歴史を誇るオペラハウス「マッシモ劇場」です。
 パリのオペラ座、ウイーン国立歌劇場に次いでヨーロッパで3番目の大きさの劇場です。
 


2001.11.25

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