わかる「時間」25

相対性理論と固有時間

 「アインシュタインは彼の特殊相対性理論で、時間は運動の仕方によって進み方が変わること、つまり運動している人はそれぞれ別の時間を持っていることを明らかにしました。こうした時間を「固有時間」といいます。」

問題 1

 「運動している人がそれぞれ違う固有時間を持っているなら、「同時刻」も人によってちがってきます。」

考察 2

 物質は原子でできているというのが定説である。地球の、鉄より原子数が多い物質は、大きな星の爆発で作られたということだ。また、水素以外の物質も星の中でつくられたという。

 超新星で飛び散ったとき原子はそれぞれに速度が違っていたはずである。そして、何万年と高速で飛ぶ。すると原子の時間はそれぞれに違っているはずである。また星の中にいた時間と、宇宙を漂っていた時間とで重力に大きな違いができる。その期間も、原子一つ一つごとに何万年何億年の違いができる。時間の違いも、何千年、何万年の違いがある原子があるはずだ。それが集まって太陽を作るときには、複数の星の起源の原子も集まっているはずだ。あるいは一度も星にならなかった原子も多く含まれているはずだ。すると原子の時刻はそれぞれに大きく違っているはずである。

 地球ができたとき、地球を構成する全ての原子は、まるで違う時刻にあることになる。

 したがって、人の体を構成している原子も、全て違う時刻になることになる。右手を見てみよう。右手の親指のつめを構成している原子は人差し指を構成している原子と違う時刻にある。もちろん親指のつめを構成している原子それぞれが違う時刻にある。

 あなたの体は、1982年3月15日0時12分26秒にある原子や、5985年9月9日16時39分08秒にある原子など、一つ一つ違う時刻にある無数の原子によって構成されていることになる。

 その様々な原子が、なぜ今という時刻に全部同時に出現しているのだろうか。なぜ原子固有の時刻に出現していないのだろうか。1800年の原子は1800年に、3009年の原子は3009年に出現するほうが、妥当であろう。

 原子が今という時刻にぴったりあらわれた原因は何なのだろうか。簡単である。原子はみんな同じ時刻にあるということである。原子それぞれに固有時刻が存在しないということである。固有時刻が存在しないということは、原子の過去の速度によって、固有の時間が流れていないということである。重力によっても固有の時間は流れていないということである。このことから、現実世界では、時間は、速度や重力によっては変わっていないということがいえる。

 時間は、ニュートンのいう、絶対時間のほうが事実に符合するといえる。

 

問題2

「双子の兄がロケットで宇宙旅行に出発して地球に帰ると、弟より若くなっているという「浦島効果」も起きるのです。」

考察2

(1)相対性原理から

 相対性原理では、見方を変えると動いているほうも変わる。

 地球から見ると、ロケットが動いているから、兄の時間がゆっくりになるから兄が若い。反対にロケットから見ると地球が動いているから、弟の時間がゆっくりになるから弟が若い。

 地球で再会してた二人は、どちらの観点で時間を計ればいいのだろう。弟から見れば兄が若いし、兄から見れば弟が若い。二人とも相手が若いと見る。もちろん時計もそうなっている。お互いに相手の時計のほうが遅れていると主張するだろう。

 ところが、この問題は、ジェット機につんだ時計の実験で解決している。ジェット機の時計が一方的に遅れていたということだ。双子の兄のほうが若いのである。ジェット機の人から見た地球の時計が遅れているということはなかったようだ。ジェット機の人が地上の人の時計を見たという記述はないから確定はできないが、記述がないということは、不思議がなかったということだから、一方的にジェット機の時計が遅れていたということであろう。

 ここでは光速度不変の原理のために速度によって時間の流れ方が違うということを説明したいために、特殊相対論のもうひとつの原理、相対性原理を箱にしまっている。それに出てこられると、話がややこしくなるからである。

(2)再開の時間

 帰ってきたロケットと地球の時刻が違う。するとどちらの時刻に合わせればいいのかがわからなくなる。地球に帰ってきたのだから地球に合わせるとする。時計は合わせることができる。針やデジタルの数字を動かせばいいだけだから。だが、本当の時刻を動かす方法は今のところ人間にはできない。

 時間がゆっくりでまだ昨日の時刻にしかいない人と、普通に時間がすぎていって今日にいる人がいっしょに会うことは可能なのだろうか。普通、昨日の人と、今日の人は合うことはできない。もし会うとしたらどちらの時刻で会うのだろうか。

結論2

 現実には違う時刻の人は合うことはできない。すなわち、「同時刻の相対性」は実際には実現不可能な事柄だ。

 

問題3

「特殊相対性理論にあらわれる時間は空間と密接に関連し、時間と空間が融合した4次元の「時空」を作っていることがわかったのです。」

考察3

 「時間と空間が融合した4次元の「時空」」というのはかなりかっこいいイメージである。しかし、イメージ以上のものは存在するのだろうか。今まで、時空なるものの存在が直接にも間接にも観測されたことはあるのだろうか。あるいは実験で作り出せたことはあるのだろうか。あれば示してほしいものである。

 「時間と空間が融合した4次元」なるものは、空想科学の世界である。

 時間と空間はまったく異質のものである。どうやってくっつけるのか。まあ、きょう日いい接着剤が出回っているから何とかなるだろうとか。4次元なんて、かっこいいから、漫画やSF小説の題材にはうってつけだけど、実際そんなものの存在を実証できたためしはないのである。実証できないものは仮説か、間違いである。

結論3

 これは単に観念論にしか過ぎない。

わかる「時間」について

わかる「時間」24

わかる「時間」26