特殊相対性理論の基礎となる二つの原理
(1)原理
「運動はすべて相対的で、何が静止し何が運動しているのかを絶対的に決めることはできない」
(2)根拠
宇宙船と宇宙ステーションを比べる。宇宙ステーションから見ると、宇宙船が動いているように見える、しかし、宇宙船から見ると、宇宙ステーションが動いているように見える。「このように、運動は全て相対的で、何が静止し何が運動しているのかを絶対的に決めることはできない」
(3)考察
ア 上記の根拠は科学であろうか。否である。
見かけがそのように見えることと、本当の運動とは違う。
(例1)この本の宇宙船と、宇宙ステーションの例
宇宙船と、宇宙ステーションの質量は違っている。したがって、どちらが動くかで運動エネルギーが違う。これは肉眼で見ただけでは確認できない現象だ。もしどちらも同じなら、ニュートンの運動法則を完全否定するということである。
(例2)天動説
太陽や、星が東から昇り、西に沈む。このことから、長い間、太陽や星が動いているとヨーロッパの科学者には思い込まれていた。また、多くの人々もそう思い込んでいた。地動説はなかなか認められなかった。見た限りでは、太陽が動いているのはたしかだ。ところがそれが間違っていた。
天動説なら、ケプラーの法則は成立しない。
・ 小さな地球の周りを大きな太陽が回ることはできない。
・ 星は遠くはなれているので、一日に地球を1周すると、光速を越えてしまう。また、星の実際の大きさは地球よりはるかに大きい。
天動説はニュートンの法則に完全に反する。
(例3)
自転車で走る。
自転車から見ると、道路が動いている。道路側から見ると、自転車が動いている。相対性原理ではどちらも正しい。しかし、人が自転車のペダルを踏む力ぐらいで道路が動くだろうか。道路は地球にくっついているから、道路が動くということは地球が動くということである。
これも運動エネルギーから考えるとニュートンの法則に完全に反している。
(例4)
宇宙線
地球には毎日無数の宇宙線が降り注いでいるということである。
これらは光速であるものもある。宇宙線から見ると、宇宙線が停止して、地球が光速で動いていることになる。
@ 光速で動くと、時間が止まることになるのが、相対性理論である。すると、地球上の時間は停止することになる。時間が止まると、全ての動きは止まってしまう。そんな事実は確認されていない。遠くから見ると止まっているが、地球上はいつものとおり時間が経過しているというのが相対性理論のつごうのいい理屈なのだろうが、変な話になるのは間違いない。
A 宇宙線は全方向から地球に降り注いでいる。すると、地球は全方向に光速で動くことになる。それも同時にである。東西から同時に宇宙線がやってきたらどうするのだろう。東に光速で動くのと西に光速で動くのが同時になる。どうやって地球は動くのだろう。宇宙線からそう見えるだけだというのは、相対性原理の、「運動は全て相対的で、何が静止し何が運動しているのかを絶対的に決めることはできない」に反する。
結論
物事が相対的であるという事例はない。物事は絶対的であるという事例は山とある。「相対性原理」は事実と一致しないので間違っている。
慣性系
ここには書かれていないが、これらは、慣性運動をしているもののことであるという。ではこの宇宙を考えてみよう。万有引力は、どこまでも、届くという。230万光年離れたアンドロメダ銀河と銀河系は、引き合って近づいているということからもわかる。したがって、この宇宙には万有引力のないところはない。ということは、この宇宙の全ての物質は、引力のために加速運動をしているということになる。すると、慣性運動をしている物質は、この宇宙には存在しないということである。したがって、慣性系はこの世界には適用できないといえるから、相対性理論は、この世界には適用できないことになる。
加速系が相対性原理に入らないなら、この世界の全ては加速系だから、この世界の全ての動きは絶対的であるといえる。
慣性系でも動いたほうが動いているのは決まっているのは、上に見たとおりである。
(4)結論
太陽と地球はどちらが動いているか決まっている。地球が太陽の周りを回っている。そして、太陽も銀河系の回転とともに動いている。その銀河系も、動いているのが観測されている。これらの動きは何が動いているか決まっている。
地球から見たら、太陽や、銀河系の星々が動いているように見えても、動いているのは地球のほうである。相対性理論では天動説も正しくなる。
物事は見た目で判断できるほど甘くはない。見た目が全てというのは科学ではなく、手相や、星占いの世界のことである。特殊相対性理論はそれくらいのものである。手相や、星占いを信じる人がけっこうたくさんいるように、相対性理論を信じる人もけっこうたくさんいるようではあるが。
問題1
この本の例は秒速15000kmの宇宙船と、これを観測する秒速0kmの宇宙ステーションの観測者の測定という設定である。この宇宙船の中で秒速5000kmのボールと、光を前後に発射して比べている。
考察1
6個の事例が提示されているが、光速度普遍の原理を証明する現象は、そのうちの1個だけである。後の5個は光速度不変の原理とは関係ない現象である。
ア 唯一関係ある事項
「宇宙船内部で観測すると光の速度は秒速30万km」
これは、宇宙船が停止していても、15000kmで飛んでいても、光は、宇宙船に対して30万kmで飛ぶということである。
これは、「電磁気学によって示唆されていた。また理論だけでなく、1887年に行われたマイケルソンとモーリーによる実験でも実証された。」と根拠が述べられている。
考察
@ マイケルソンとモーリーによる実験
マイケルソンとモーリーによる実験は、検証実験ができていないので、実証されたとはいえない。検証実験がなされないかぎり、実証されたとはいえないことは科学としての常識である。それを無視している。なぜか。検証実験ができないからである。なぜ検証実験ができないか。マイケルソンとモーリーによる実験が、間違っていることがわかるからである。わかってはなぜ困るのか。特殊相対性理論が間違っていることになるからである。特殊相対性理論が間違っているのがわかるのはなぜ困るのか。謎である。
アインシュタインの相対性理論は、あらゆる疑問が無視される。反対に、マイケルソンとモーリーによる実験のように、ほんのかすかな、藁をも掴むような現象にすがり付いて、実証されたと声高に言う。エディントンの観測しかり、重力レンズしかりである。原因は他にあるのを検証していないのである。それどころか他の理由は無視しているのである。まず、相対性理論は絶対に正しい、があるのである。
A 光が相対速度を変えている例
・ 光行差(星の光が、地球に対して、斜めに降る現象。多くの天文学者によって観測されている)
・ 宇宙背景放射のドプラー現象(ふたつの人工衛星によって観測されている)
これらは、全て、それぞれに複数の人や、観測機器で観測されている。検証されているとみなせる。このことで、光は物質に対して相対速度を変えているといえる
イ 関係ない事項
@ ボールの場合
ここに書かれてある、3つの事項は、全て、ニュートンの慣性の法則で説明がつくことである。光速度不変の原理とは何の関係もない。
関係ありそうなのは、ボールはどのような速度の宇宙船の中でも、前後に同速度で飛ぶという現象である。このことから、光も、宇宙船の中では同速度で飛ぶという現象が、同じ現象のように錯覚されることである。これは、科学者はだませないからごまかしにもならないとは思うのだが、素人相手の本では意味があるかも知れない。
このふたつは、見掛けは同じ現象のように見えるがまるで違う現象である。ボールが、宇宙船に対してどちらにも同速度であるのは慣性の法則である。しかし、光は慣性の法則は適用できない。慣性の法則は、質量のあるものが、運動エネルギーを保存しているということであるが、光は、質量がないから、光源の運動エネルギーを保存できないから、宇宙船の速度と無関係な光独自の速度になる。
光の場合は、相対性原理の、光速度普遍の原理からである。基本の原理がまるで異なっている。原理がまるで異なっているのに、同じ動きになるのは、たんに偶然の一致か、片一方が間違っているかである。
5つは正しい。間違っているのは光速度不変の事項だけである。他の5個の、正しい事項の中に、何食わぬ顔をして紛れ込ませているが、光速度普遍の原理は他とは全然関係ない現象である。紛れ込ませることで正当化しようとしているなら、それは科学的姿勢を裏切ることになる。
以下に、五個の事項が正しいことを検討してみる。
(1) 宇宙船内での観測
ア ボール
前後ともに秒速5000km
これはニュートンの慣性の法則である。観測者もボールも、ともに、宇宙船の速度15000kmを共通して持っているので、これは、観測者とボールの相対速度に関係しないから、このようになる。
これと同じように光も前後に同じ速度で飛ぶと思わせようとしたのなら、詐欺である。ぜんぜん違う現象なのはわかっているはずだからである。まあ、だまされる人はいないだろうけど。なんにしろ、ボールの現象(慣性の法則)と、光の現象(光速度普遍の原理)は全然関係ないことである。科学としては比較するのが間違っている。
イ 光
観測者に対して「光の速度は30万km」ということである。この根拠は「電磁気学によって示唆されていた。また、マイケルソンとモーリーによる実験でも実証されている。」ということである。前に指摘したように、マイケルソンとモーリーによる実験は、検証実験がなされていないから、実証されたことにならない。また、宇宙背景放射と、地球の相対速度が人工衛星の観測で検出されていることから、マイケルソンとモーリーの実験結果は間違っているということが証明されている。
したがって、宇宙船内の観測では、人工衛星と背景放射が相対速度を変えたように、光と宇宙船は相対速度を変えるから、前方に進む光は、30万km−15000km=28万5000kmになり、後方に進む光は、30万km+15000km=315000kmになるはずである。
(2)宇宙ステーションからの観測
ア ボールを前方に発射した場合
15000km+5000km=20000km
これは慣性の法則のとおりである。
イ 光を前方に発射した場合
15000km+300000km=315000kmとなりそうだが、300000kmのままである。
これは、ボールは質量があるから、宇宙船からもらった速度を、保存できるから、二つ合わせた速度になる。しかし光は、質量がないから宇宙船の速度を持つことができない。したがって光独自の速度になる。
これはボールや光を後方に発射した場合でも同じである。慣性の法則が適用できるのは質量のあるものどうしの場合に限るのである。
速度0の宇宙ステーションから見ると、光源の速度にかかわらず、光の速度は秒速30万kmというのは、ニュートンの絶対空間に対して、光は光速度であるというのと一致する。宇宙ステーションが、速度を持っていたら、その宇宙ステーションにたいして光は相対速度を変える。一方、光速度不変の原理では光は秒速30万kmである。
結論
特殊相対性理論の要である光速度不変の原理は、宇宙船の内部の観測機器に対して前後に発射した光が、光速度であるということである。他は、関係ない普通に起こっている出来事ことである。
そして間違っているのもこのことだけである。光は、動くものに対して、相対速度を変えるのである。
相対性原理も、光速度不変の原理も、事実とは異なる理論である。事実に一致しない原理は間違いである。間違った原理によって組み立てられた特殊相対性理論は、間違っているということである。