宇宙膨張の証拠の検証
宇宙が膨張しているという証拠を再度検証してみます。これは以前にもいろいろ書いたことですが、まとめてみます。
結論は、証拠は解釈が間違っているということです。宇宙は膨張していると決まっているという方も、どうぞ。「ふうん。そう言われれば、ひょっとして」、と思いますよ。
1 宇宙膨張の証拠
@ 遠い銀河ほど、その光が、赤方偏移している
A 宇宙背景放射
証拠と言われているものはたったこれだけです。後はあっても大した問題ではありません。
だから検証も簡単です。
2 宇宙膨張の証拠の検証
(1)遠い銀河ほど、その光が、赤方偏移している
ア これが証拠であるという理由
距離に比例して赤方偏移が大きくなる。空間が膨張していると考えるとぴったりの現象である。たったこれだけである。これだけの理由で、空間が膨張し、宇宙が膨張し、無から、すべての銀河と、星間物質と、光とエネルギーと、空間と、時間とダークマターとダークエネルギーともろもろが生まれたというのである。宇宙科学なんてちょろいもんだ。あきれてしまう。これでも科学だろうか。
イ 他の現象である可能性(銀河の光が宇宙間物質に当たって赤方偏移する)
@ コンプトン効果
X線が、電子を弾き飛ばした後、周波数が小さくなる現象(赤方偏移)。これは実験で観測されている。
これはX線が電子に当たって電子を弾き飛ばしたためにエネルギーを失ったために起っている。
A 太陽の光
太陽は可視光を出している。我々はその光を見ている。
しかし、もともとは、この光は太陽の中心部でγ線として生まれた。だからそのままでは目には見えない。ではどうして可視光として見えるのか。
太陽の中心で、核融合によってγ線が作られる。γ線は太陽の水素にぶつかりながら太陽表面に到達する。その間、水素にぶつかったγ線は水素にエネルギーの一部を奪われる。水素はそのエネルギーで温度を上げる。γ線は、エネルギーを奪われるので、周波数が減じる(赤方偏移)。その結果、γ線は太陽表面から放射されるときには6000度の黒体輻射に相当するまでエネルギーを下げている。太陽は可視光で光って見えることになる。
これは、光は水素にぶつかるとエネルギーを下げる(赤方偏移)ことの実例である。
B 日常的現象
このような現象は、部屋の電灯を消すと暗くなる現象でも見られる。
これは、壁に当たった光がエネルギーを減じ、赤方偏移し赤外線になり、更にエネルギーをなくし、消えてしまうという現象だ。光エネルギーは、壁にぶつかって、壁の熱を上げることについやされた。
光は光速だから一瞬で何万回も壁に当たるから、そのつどエネルギーを失うために部屋は一瞬で暗くなる。
このように、光は物質に当たるとエネルギーを減らすこと(赤方偏移)が地球上や太陽系では観測されている。
では銀河の光はどうだろう。宇宙空間には水素原子や分子を中心とした様々な分子や原子が浮かんでいるのが観測されている。光はこれらに衝突しているのも観測されている。それは銀河の光のスペクトルを見ると、暗線が入っていることで証明されている。
すると、そのたびに光はエネルギーを減じていることになる。すなわち、光は、宇宙空間の物質に衝突して赤方偏移しているということだ。
この考え方でも、距離に比例して赤方偏移は大きくなる。
ウ 考察
A 銀河の光の赤方偏移が空間膨張が原因であるという理論の問題点
@ 理論面
・ 空間とはなにかが分かっていない。
・ 空間の膨張の仕組みが分かっていない。
(ゴム膜を回りから引っ張ると伸びる、などという説明は、空間膨張とはなんの関係もない。単なる比喩で、科学的な空間膨張の仕組みではない)
・ 空間を膨張させるエネルギーが分かっていない。
(ダ−クエネルギーという謎のエネルギーだそうだ。謎以外に何もわかっていない。もちろん実測されてはいない。今の科学では不可思議としか言いようのないエネルギー)
A 実証面
・ 空間膨張が直接観測されていない。
地球上や太陽系や銀河系など、近くで観測が正確にできるところでは、宇宙空間膨張によって起こるだろう現象は何一つ観測されていない。
遠くの銀河でも、銀河の光の赤方偏移以外の膨張の現象は何一つ観測されていない。
B 結論
ようするに、空間膨張のすべてが、理論も、直接の実証もないということである。
B 光が、物質に当たって赤方偏移する
@ 理論面
・ 光が、物質に当たってエネルギーを失う仕組みは理論化されている。
・ エネルギー不変則とも矛盾しない。
・ 既存の物理理論と矛盾しない。
A 実証面
・ コンプトン効果、太陽光、光の消える現象、など、観測されたり実験されたりしている。
・ 光が、宇宙空間を飛ぶ際に、物質に当たっているという証拠は、銀河の光のスペクトルで実証されている。
エ 結論
理論も、実証もない空間膨張より、理論も、実証も存在する光が物質に当たってエネルギーを減じる(赤方偏移)の方がはるかに科学である。科学の方法論からすると、銀河の赤方偏移は、光が宇宙空間の水素を中心とした物質に当たって赤方偏移したといえる。空間膨張ではない、と言い切れる。
このことに関して、ビッグバン説の人が、「光が、長い間空間を飛んでいる間にエネルギーを失うという説があるが、そのような現象は存在しない」と否定していた。そのとおりである。エネルギー不変説ではそのようなことはあり得ない。しかし、上に述べたような現象は存在するし、エネルギー不変説にぴったり一致する。もし、彼がそれ(光が宇宙空間物質に衝突してエネルギーを減じる)を見越して、それから目をそらせるために、明らかに間違っている、時間がたてば光のエネルギーが減少する、という説を作り上げたとしたら隠ぺいになる。否定できない現象を隠すため、否定しやすい、それに近い現象を取り上げ、否定して見せるという手段である。木を隠すなら森に隠せという。あるいは、真実の中に嘘を潜り込ませろ、という詐欺師的手法だ。そんなことはないとは思うが、もしそうだとしたら、科学者ではない。科学の方法論には、あらゆる反論や否定的現象を取り上げ、検証することが必須である、ということになっている。不都合なことは知らんふりとか、まして、隠すなどは科学を愚弄するものである。
(2) 宇宙背景放射
宇宙背景放射が、ビッグバンの名残の光だからビッグバンがあったという主張。
ア 考察
@ 宇宙背景放射がビッグバンの名残の光である根拠の間違い
・ 宇宙背景放射がビッグバンの光であるという主張の根拠は、ガモフが言った、という以外に何もない。ガモフが言ったとおりの光が観測されたから、背景放射の光だというのでは、単なる権威主義で、科学ではない。医学ではこのようなことは認められない。偉い科学者が言ったから効き目がある薬だというようなことは絶対ない。
・ ガモフの言った背景放射の予想温度と、実際に観測された背景放射の温度は大きく異なっていた。ガモフの言った温度とぴったり一致したという科学者がいるが、それは明らかに間違いである。それくらいのことも知らないとは。
・ ビッグバン説が正しいとするなら、背景放射が出たとき、91億年後地球の形になる物質は、形は違ってもすでにその中にすべてあったはずだ。したがって、背景放射の光の一部は、91億年後今の地球の形に丸くなるはずの物質からその時出されている。背景放射がビッグバンの名残の光であるとするなら、地球は今、137億年前の自分の姿を見ていることになる。40歳の人が、40年前の自分の赤ん坊の時の姿を見られないのは明らかである。同じように、137億年たったら、自分の137億年前の姿を見られるということはあり得ない。ところが、40年前は見られないが、137億年前なら見られるというのがこの説である。明らかに間違っている。40年なら思考の範囲内であるから、そんなことはあり得ないと即座に否定できるが、137億年前となると思考の範囲外になるから、そんなこともあるかも、となるだけである。それをうまく使っているだけである。詐欺師的手法である。
・ 背景放射は、空間膨張によって引き延ばされた。
光が空間膨張によって引き延ばされた、という観測も実験もない。もちろん空間が膨張すると光が引き延ばされる原理の理論もない。せいぜい、空間が膨張するのだから、光も引き延ばされる、くらいの理由しかない。こんなことで宇宙論は通用するのである。空間の、何が、どのように、光のどこに、どのように作用して、光を引き延ばすか説明しなくてはならないはずだ。
だから、光は進行方向にしか伸びていなかったりする。空間が膨張するとしたら、3次元方向に膨張しているはずだから、光も3次元方向に引き延ばされなくてはならないはずだ。縦、横、高さの全方向に引き延ばされるはずである。ところが、光は縦に伸びる、だけである。なぜかというと、ビッグバン説には、光が引き延ばされる(赤方偏移)ことだけが必要だからである、高さと、横は、不必要でる。そればかりか、高さと横が引き延ばされれば困るのである。
これも、ビッグバン理論の都合だけで決定されている現象である。都合のいいことだけ取り上げる、都合の悪いことは無視、という、ビッグバン理論特有の現象である。
A 背景放射は他の光である
・ ビッグバン理論以前には、宇宙の塵が出す光が地球に届いているはず、と何人かの科学者が言っていた。(その光の予想温度は、観測された背景放射の光とほぼ同じ温度である。ガモフの予想の大きな差とは違う)
・ 宇宙空間に塵があることは観測されている。
・ 物質(塵)は、その温度にあった光(黒体放射)を出すことが実証されている。
イまとめ
背景放射が、宇宙空間の塵の出す光とすると、実証された現象と既存の物理理論で説明が付く。理論の言う温度と、実際の観測とが一致する。矛盾は存在しない。
一方、背景放射が、ビッグバンの名残の光だとすると、自分の赤ん坊のときの姿を見ることができるという、今の物理学では説明不可能なことを前提にしなければならない。
また、光が、空間膨張によって引き延ばされた、という、今の物理学ではまだ理論も、実証もない現象を肯定するしかない。
ウ 結論
背景放射は、宇宙の塵の出す光であるとすると、理論も、実証もあるが、ビッグバンの名残の光であるとすると、理論も、実証もない。あるのは矛盾だけである。
以上から背景放射は、宇宙の塵の出す光であるといえる。少なくとも、ビッグバン論者は、背景放射が宇宙の塵の出す光でないことを証明しなくてはならない。
結論
空想科学小説なら、断然、空間膨張やビッグバンである。奇想天外でおもしろい。しかし、科学なら、面白みは一つもないが、空間膨張はなかった、である。
キリスト教なら、やはりビッグバン宇宙である。
ビッグバン宇宙は、最初に、この宇宙とは違う宇宙があった。その宇宙の、1点より小さな無に、この宇宙の種が一瞬より短い間に生まれ、一瞬未満で膨張し、一瞬で火の玉になりこの宇宙ができた。そして膨張して温度が下がり今の我々の宇宙になった、という理論である。
この宇宙と違う宇宙は神の住む宇宙と解釈できる。その宇宙の無に、光あれ(ビッグバン)、ということで、この世界を作った。
「無」から、「神」が作った。天地創造である。素晴らしい。もし神様がいて、それがキリスト教の神様だとしたらそうかもしれませんね。
あなたはどれをとりますか。SFですか、科学ですか、神の一撃ですか。私は科学です。無味乾燥で、ロマンなど一つもなくて、神様もいなくて、一番面白くないですけどね。
では宇宙はどのようにして生まれた、ということになります。それは、(ビッグバン宇宙論と、高田定常宇宙論の比較)(定常輪廻宇宙論)を見てください。でも本当のことはまだ何もわかっていないと思います。