定常輪廻宇宙論(私論)
著者 高田敞
1 前書き
これは、定常宇宙論を受け継いだ考え方です。ビッグバン宇宙論とは真っ向から対立する考え方です。今まで述べてきたように、宇宙が膨張しているということは、観測誤差と、自分の論につごうのいい解釈の中で成り立っているだけです。では宇宙が膨張していないとすれば、どのような宇宙があるのか、また、その原理はなんなのかということが問われます。最初に、その宇宙の姿を書きます。そしてその原理を書きます。
2 輪廻宇宙の考え方
(1)概 観
すべてをエントロピーの増減で考える。エントロピーを減少させる力は、引力である。増大させる力は、引力、熱エネルギー、運動エネルギー、電磁気力、弱い力などである。強い力も究極の物質の崩壊にかかわっているかもしれない。
ア 物質
宇宙の物質は基本粒子からさまざまな原子が合成される(エントロピーの減少)が、合成されるだけではなく、また、いろいろな場面で常に基本粒子に分解され(エントロピーの増大)ている。
イ 星
宇宙に散らばる原子や分子や塵が集まり、分子雲を形成し、それらが集まって星ができる(エントロピーの減少)。この星は、さまざまな過程を経て、また、基本粒子や、原子や、分子や塵に戻り宇宙空間に散らばる(エントロピーの増大)。
ウ 宇宙の構造
宇宙には種々の構造があるが、これらは常にできては壊れ、できては壊れしている。エントロピーの原理が基本になる。
エ 平坦性
エントロピーの原理から、物質とエネルギー(4つの力)の総和は、全宇宙の中で常に均一になろうとする。エントロピーの増大。
オ 宇宙の始まり
このように、宇宙の構造や物質は常にできては壊れできては壊れしている。ではいつからかというと、始まりは分からない。ビッグバン説のように、一瞬よりもっと短い時間であるとき突然全てが生まれたのかもしれないし、(いままで述べたように、これは神様の手品としても無理な話です)準定常宇宙論のように、果てしない時間をかけて、少しずつ、宇宙のいろいろな場所から湧き出てきたのかもしれないし、あるいは、ただ最初からあったのかもしれません。
定常宇宙論では最初からあったという考えです。では最初とは、という質問にはまだ答えはありません。ビッグバン宇宙論では、ビッグバン以前は、この世界と関係ないのだから、ビッグバンが宇宙の始まりであるという考えです。では、ビッグバン以前のこの宇宙と関係ないという宇宙はいつからあるのかという問いには答えはありません。時間も空間もそのときにできたのだから、それ以前は何もないとか言って逃げています。それでも困って、偽の真空とか、真の真空があったとかいっています。偽だって。まるっきり人間くさいですよね。偽が存在するのは、人間の価値観(観念)の中だけです。自然界には偽はありません。
ということで、宇宙はいつ始まったかということ(無限の時間)と、宇宙の果てはどうなっているのか(無限の空間)ということは、どちらの宇宙論にしろ、解けない謎としてここしばらくは残るでしょう。何億年か後、人類より進化した未来生物が解いてくれるのを待つしかないかもしれません。
(2)基本粒子
ニュートリノと陽子と電子と光子が基本になります。陽子は素粒子からできているのですが、自然界ではほとんど分解しないので現実的な基本粒子です。宇宙の大半を占めるのがこの4つです。暗黒物質という、ビッグバン宇宙論にはなくてはならないけれど、まだ証拠は何一つ見つかっていない物質は考えません。
(3)物質宇宙の合成
陽子と電子が中心になってできている。ニュートリノと光子は、主にエネルギーの循環にかかわっている。しかし、ニュートリノが、物質の根源であるような気がします。すなわち、ニュートリノから全ての物質ができ、また全ての物質はニュートリノに戻るということ。
(4)宇宙の構造から星の誕生まで(エントロピーの減少過程)
これは、鶏と、卵の関係です。どこから始まっているのかは分かりません。それでは始められないので、便宜上素粒子からはじめます。
ア 最初は基本粒子から
宇宙は基本粒子(主に、ニュートリノと陽子と電子と光子)に満たされていた。といっても、1立方キロに陽子がせいぜい1個有るかないか程度だが。これらはそれぞれが持つエネルギーで勝手に飛び回っているので、宇宙全体は一番乱雑な状態になっていたと思われます。この状態は、全ての素粒子が宇宙全体にほとんど均一に存在するという結果になります。真空の箱の中にガスを入れると、均一に広がるのと同じ現象です。いわゆるエントロピーの増大現象です。
準定常宇宙論だと、何もない宇宙の中に、陽子が、ぽつぽつと、生まれてきます。
その陽子は、そのエネルギーで、宇宙空間をかってにさ迷います。宇宙空間はさまよう陽子が増えていきます。
イ 原子の合成(エントロピーの減少)
この過程はよく分からない。高速で飛んでいる陽子と電子が衝突し、中性水素ができていったのでしょう。そこには光子も大きな影響を与えていたはずです。この過程が、宇宙の中で一番時間がかかったでしょう。
ウ 宇宙の構造の構築(エントロピーの減少と引力)
@ ボイドとグレートウォール
ここまで物質が大きくなると、それぞれに引力も大きくなり、それまでほとんど自由に飛び交っていた物質は引力の影響を受けて、動きが偏ってきます。宇宙全体に大まかな模様のような中性水素の濃淡が現れてくるのです。これは、味噌汁を沸かしたときの模様に似ています。味噌汁の場合、動きのエネルギーは下からだけだし、引力も縦方向だけだから、垂直方向の動きが中心だけれど、宇宙の場合は、引力は全方向だし、乱雑さを与えるエネルギーも全方向なので、模様は、全方向的になり、今あるバブルや、グレートウオールのような模様の元になったと思われます。
物質が引力で集まる(エントロピーの減少)と、その場所のエネルギーが大きくなり、周囲より熱が上がります。すると圧力(原子の移動速度)も大きくなるので物質はまた拡散(エントロピーの増大)します。
宇宙に漂う二つの水素分子を考えてみます。この二つが互いの引力により、引き合ってぶつかるとします。ぶつかるまでは、二つの分子は引力のエネルギーにより、速度が上がります。ぶつかると、その引力によって加えられたエネルギーによって、跳ね返ります。跳ね返りながら、互いの引力により減速されます。ぶつかるまでに得た運動エネルギーはここで使われ、元の位置に戻ったとき、獲得した運動エネルギーは使いきられます。位置エネルギーと運動エネルギーの関係です。
このように、二つの物質はぶつかると反発し元の位置に戻るのが基本です。したがって、このままでは、ぶつかることはあっても、くっつくことはありません。宇宙はいつまでも、乱雑なままです。これでは、いつまでたっても、宇宙に構造も銀河も星もできてきません。しかし、ぶつかったときに、引力によって獲得した、運動エネルギーの一部が熱になったとしたら、分子は元の位置まで戻ることができなくなり、元の位置より近づいてしまいます。物質が衝突したとき、運動エネルギーの一部が熱エネルギーになるのは普通に見られる現象です。そしてこの熱が、輻射によって宇宙空間に放射されると、二つの分子は最初の位置より、より近づいた状態が決定してしまいます。そしてこの部分が周りより引力が強くなることになり、また回りの物質を引きつけます。
ぶつかった原子や分子は、運動エネルギーの一部を熱に換えて、それを輻射で発散して、どんどん近寄っていきます。すると、引力でさらに物質は圧縮されていきます。反対に、輻射のエネルギーをもらった周りの物質は、より拡散してしまいます。(斥力)
すると、ますます、物質の偏りが大きくなっていき、やがて、宇宙全体がおおきなまだら模様の構造になっていきます。陽子や、水素分子の集まったところはグレートウォールのようになり、拡散したところはボイドになります。このかたちは、先ほど言及した沸かした味噌汁のような模様の3次元形です。
これが、熱と、引力の偏りによるエントロピーの減少過程の始まりです。
A 銀河団から銀河へ
できていくグレートウォールの中でもやはり質量の斑ができます。これも、長い時間をかけて、エネルギーを放射しながら収縮して行き、銀河団クラスの塊に分かれていきます。この塊は、中心に行くほど分子や原子が濃くなります。中心のほうから、小さな分子雲の塊が現れ、その中で、星の形成が行われ始めます。これが銀河の始まりです。銀河の中では小規模である不規則銀河が最初の銀河です。
この不規則銀河は、宇宙空間を漂う分子の中で引力が強いので、周りの分子をどんどん引き寄せます。その結果、どんどん大きくなっていきます。そして、回転を始めます。分子が収縮すると、その位置エネルギーが、大きくなり収縮できなくなりそうです、しかしこのとき、そのエネルギーは、輻射となって、発散されます。それが、大きくなると、ジェットとなって、中心から、周りに爆発的に放出されます。これが渦巻銀河の始まりです。最初は、緩やかな腕が回転につれてきつく巻きついていきます。これが様々な形の渦巻銀河ができる基本です。
不規則銀河や、渦巻銀河は、その引力で引き合い、互いに衝突します。ぶつかった、銀河同士は、互いの回転運動の方向がまちまちなので渦巻きが消え、楕円銀河になっていきます。銀河団ほどの大きな分子の塊は、中心ほど銀河の密度が高く、早い段階から、銀河ができるので、中心ほど巨大な楕円銀河ができます。
現在、銀河団の中心には楕円銀河が多く、巨大な楕円銀河が存在しているのはこのためです。また楕円銀河の星が、古い星で形成されているのも、このためです。
やがて、楕円銀河の中で、星が超新星になりはじめます。このとき、その星の爆発のエネルギーの大半をニュートリノや、電磁波として、銀河外まで運び出します。長い年月の間に、銀河団も、発散していきます。エントロピーの増大です。
これは味噌汁のまだら模様の変化のように行われています。宇宙永劫これが繰り返されます。エネルギーはいっていなので、宇宙の物質は収縮も膨張もしません、その位置を変化させるだけです。
この利点は、宇宙全体の物質流がどのようであっても、同じように、まだら模様ができ、収縮も膨張もしないことです。
B 星の形成
銀河のガスの中で、ガスが分裂し、収縮していって星ができていきます。このでき方は、銀河団のでき方のミニチュア版です。中心から分子ガスが濃くなるので中心から、星が誕生していきます。
ガスの塊がエネルギーを輻射しながら収縮し、いくつものガス円盤になります。その後、やはり中心からジェットを噴出し、恒星が出来上がります。このときも、やはりガスの塊は、いくつもの恒星をいっせいに作り出します。散開星団といわれるものです。やはり、この星々が放出したエネルギーで、星と星との間の斥力が高まり、星はばらばらに飛び散っていきます。太陽も元は集団で生まれて、飛び離れてきたといわれています。そして、ガスや分子雲や星からなる、銀河が出来上がっていきます。
したがって、中心ほど古い星が多くなっています。
C 原子の形成
星が形成されると、その中で、引力により、水素からさまざまな原子が合成されていきます。やがて、星が爆発して、これらの原子と、爆発により生じた原子が宇宙空間にばら撒かれていきます。そして、それらもまた新たな星の材料になり、新しい星を作ります。そうすると、宇宙はだんだんいろいろな原子が占める割合が増えていきます。すると、宇宙があまり古いと、一番安定した鉄を中心とした原子ばかりになってしまいそうです。
宇宙がずっと昔からあったとしたら、現在の宇宙は、鉄やその他の重い原子がもっとあってもいいはずです。ところが、今の宇宙は、水素や、ヘリウムがほとんどを占めています。実際との矛盾が生じます。
これは、星の中や銀河の中では、原子の合成と同時に、分解もまた行われているからです。これもエントロピーの問題です。
(5) 元の物質へ(エントロピーの増大過程・エネルギーや物質の発散)
ア 宇宙大構造のエネルギー発散
離れた位置にある物質が引力で引き合うと、ぶつかり合います。しかし、このとき物質は引力による運動エネルギーをもらいます。したがって、ぶつかると、そのエネルギーで跳ね返ります。エネルギー不変の法則から、物質は元の位置に戻ります。このため、物質は基本的にはくっつくことがありません。しかし、この運動エネルギーは、ぶつかったとき熱エネルギーとして、発散されることがあります。そうすると跳ね返っても、元に位置には戻れません。床に落としたボールがだんだんにはずまなくなり、やがて床に接して止まるのと同じです。
宇宙の原始もこのようにしてだんだんにくっつきあったりしていきます。
イ 銀河団のエネルギー発散
銀河団も強い電磁波を出しています。可視光線や、電波ばかりではなく、それよりエネルギーの強いX線を出しています。可視光線で見える範囲の10倍ほどの範囲にまで広がって、X線を放出しているのが観測されています。このエネルギーは膨大なものです。このエネルギーも、宇宙空間へ広がっていきます。
ウ 銀河のエネルギー放出
銀河になると、質量やエネルギーの集中がもっと大きいので、エネルギーばかりでなく、物質そのものも放出しています。電磁波やニュートリノ、陽子や電子などです。これは、銀河のジェットばかりではなく、常時銀河全体から放出されています。
銀河や星も宇宙の大構造ができるときと同じように、物質を収縮させるのと同時に、また吐き出してもいます。そして、銀河団よりも、質量の収縮が大きいので、放出するエネルギーや質量の割合も大きくなります。
最初に、水素が中心になって収縮していくときから、収縮によるエネルギーを電磁波として、宇宙に戻しています。銀河が形成されるころになると、電磁波だけでなく、イオンになった原子やニュートリノを宇宙に撒き散らしだします。熱の輻射だけでなく、磁力線や高温のために吹き出すジェットや、高エネルギーの電磁波によって、ガスが電離して、吹き飛ばされる現象です。このとき、光子はエネルギーを銀河団の外にまで持ち出すし、ニュートリノも、低質量で、光速なので、銀河団の外まで、エネルギーと質量を持ち出します。また、銀河のジェットは、陽子や電子を銀河団の外まで吹き飛ばすことができるでしょう。
ここまでの過程の中でも、かなりのエネルギーと、質量が、光子や、ニュートリノや、原子や、素粒子として、銀河団の外の宇宙に戻っていきます。
エ 星の崩壊
星はもっとエネルギーや質量が集中しています。したがって崩壊の強さも強烈です。
最初星ができるとき、集まっている星の母体となる分子雲は、できかかった星からの紫外線で吹き飛ばされてしまうそうです。90パーセントの分子雲が吹き飛ばされて、星になる物質は分子雲全体の10パーセントくらいだという説もあります。このとき、分子雲は、できかかった星から放射される紫外線のために、陽子と電子に分解され、プラズマとなって蒸発していくそうです。その現場も直接撮影されています。これは分子そのものが分解され陽子や電子に戻っていくエントロピーの増大です。
そのあと、星は核融合で輝きながら、さまざまな原子を作り出すと共に、エネルギーと物質を宇宙空間に放出していきます。
このことは標準的な恒星である太陽でよく観察されています。太陽から出ているものは、まず可視光線に代表される、電磁波です。こんなに遠く離れた地球をも暖めるほど、膨大なエネルギーです。その次は、ニュートリノです。これは、物質とほとんど反応しないため、太陽の中心の核融合のエネルギーを直接宇宙空間に持ち出しているといいます。そしてこれは質量があることが最近証明されました。したがって、ニュートリノは、エネルギーばかりでなく、太陽の物質を、究極の素粒子の形にまで分解して持ち出していることになります。そして、太陽風と呼ばれる、陽子や電子のプラズマもあります。これも原子が分解したものです。これらは、弱い力や電磁気力によるエネルギーで原子がばらばらにされていると考えられます。(エントロピーの増大)
これらの電磁波や、ニュートリノは銀河団の境界を超え、宇宙空間に広がっていきます。また、太陽風は、銀河のハローや銀河団の中に広がって、新たな分子雲の形成を行っていきます。
何十億年か後、太陽は、核融合のエネルギーにより、水素の外層を吹き飛ばしさらに収縮していくといわれています。この水素の外層は、銀河からは飛び出すことはなくやがて、また分子雲を形成してやがて星になる可能性が高いでしょう。
残った中心部は白色矮星になり低温で輝きながら、エネルギーを放出して、やがてだんだんと冷たくなっていくそうです。しかし長い年月の後にはまたどこかで分子雲や他の星に遭遇し、新たなエントロピーの減少のサイクルに取り込まれて、大きな星になり、やがてU型超新星として爆発してしまう可能性があります。
太陽のような星が白色矮星になったとき、連星を持っていたら、また違った展開になります。この白色矮星は、隣の星からガスを吸い取り、大爆発を起こします。1a型超新星と呼ばれている現象です。このとき星は完全にばらばらになり、宇宙空間に飛び散ります。このとき、そのエネルギーの99パーセントがニュートリノとなって飛び出すといわれています。ニュートリノは、銀河や銀河団を飛び出し、宇宙空間に広がっていきます。このときまた、物質は鉄以上の原子ができていくといわれています。原子レベルにおける、エントロピーの増大(ニュートリノ)と減少(鉄以上の原子の合成)が行われています。
オ 大きな星の爆発(エントロピーの増大)
@ 大きな星の崩壊
太陽より大きな星の超新星の場合、星は、塵や、ガスになって飛び散る外層と,中で残る芯とに分かれます。そのとき残る芯は、中性子星か、ブラックホールといわれています。
中性子星は恒星の中で作られたさまざまな原子を元の中性子にまで戻っています。この星は、強い電磁波を放出しているのが観測されています。おそらくニュートリノも放出しているでしょう。エントロピーの減少が強いので、おそらく急激にエネルギーや質量を放出していくことでしょう。そして、分子雲や他の星と遭遇して、新たな星になったり爆発したりすることでしょう。γ線バーストは、中性子星の爆発という説も最近見ました。
もしブラックホールがあれば、ブラックホールも、電磁波やニュートリノを放出しながら、分解していくことでしょう。ブラックホールの中では、強い引力によって、全ての元素は、素粒子まで砕かれているでしょう。
物質の集中が特に大きいので、ブラックホールなどは、意外に、地球などがばらばらになるより短期間で、ばらばらになって、宇宙のガスに戻るのではないでしょうか。大きな星ほど分解が早いのと同じ原理です。エントロピーから考えると、多分そうでしょう。
もし、宇宙が永遠の昔から存続していたとしたら、宇宙はブラックホールだらけになっているだろうという意見もあるけれど、この考えからすると、ブラックホールの量も、ある一定以上には増えることはなくなります。ブラックホールを、この宇宙の普通の現象から隔絶して、悪魔か何かと考えるならそういうこともありえるのでしょうが、たんに質量と、エネルギーの集中が大きい物質と考えれば、宇宙の輪廻循環のひとつの過程と考えられます。
A ブラックホールの分解
ブラックホールが、全てを吸い込んで、無限に収縮するというのは、相対性原理から考えられた現象です。その理由は、全ての物質は、相対的に光速を越えて動くことはできないという考えから来ています。したがって、ある引力以上の物質の集中があると、物質は自分の力で、爆発することができなくなるばかりでなく、その引力を支えられなくなって、無限に収縮していく状態が出現するというのです。
これは相対性理論が正しいとした理論です。もし相対性理論が正しくないとしたらどうなるでしょう。
では、もし、物質が、相対的にしろ絶対的にしろ、光速を越えて動けたとしたらどうなるでしょう。相対性理論が間違っていたらということです。
その根拠は、カミオカンデのニュートリノによる、チェレンコフ光です。この現象は、水の中で、ニュートリノが陽子に当たって電子をたたき出す現象です。このとき電子が光速を越えます。特殊相対性理論では説明できない現象です。
光が、水の屈折率と同じだけ速度を落としたのがその原因であるけれど、このとき、電子は、が光速度になっています。光速になった物質は、相対性理論によると無限大に縮み、時間が止まることになっています。この電子はにはその現象は現れていません。特殊相対性理論はこの現象には具現化していません。特殊相対性理論は間違っているか、ある現象には関与しないということがいえそうです。
そこで、ブラックホールの崩壊の過程です。
星が崩壊して、中性子星より収縮していきます。いわゆるブラックホールです。このとき、物質は、全てが、素粒子になってしまいます。引力も超巨大になります。そのため物質はその動きが制限され、引力エネルギーが蓄積されていきます。引力エネルギーが過飽和の状態になります。そして、それが限界を超えたとき、一瞬で、爆発します。(ビッグバン論から借りれば総転移です。そんなのがあればですが。水が氷になるのと、宇宙の爆発と、ブラックホールの爆発が同じ原理だとは信じがたいのです)このとき光より速く物質が動くので、光の衝撃波が生じます。ブラックホール全体の過飽和のエネルギーによる光の衝撃波は、星を崩壊させるには十分です。これがブラックホールを一瞬で吹き飛ばしてしまうのです。このとき強い力が、何らかの働きをしているでしょう。このときのエネルギーは、γ線と、ニュートリノになって飛び散ります。これは、光速なので、銀河や銀河団を超えて、宇宙全体に散らばっていきます。
ではこの現象は存在するのかということです。
ブラックホールは、かなりの量あることが予想されるので、この現象は観測されなくてはなりません。存在します。一過性γ線放射天体です。この星は、銀河円盤だけではなく全天に散らばっているということです。その理由も、この星が、ブラックホールであるためでしょう。ブラックホールは強いエネルギーを持っています。そのため銀河の引力を振り切って、自由に動いて散らばっていったためでしょう。
今、この星の謎について、いろいろな方面から観測が開始されています。おそらくブラックホールの最後でしょう。
(追記)
「ニュートン」2006年3月号に、γ線バーストについての記事があった。これは上に書いたように、銀河系の中にあったのではなく(上記の意見を書いたときは、まだ、γ線バーストの発生源は銀河系の中だと思われていた)、他の銀河の中で発生していた。一番遠い発生源は128億光年離れた銀河の中だという。そして、この発生連は超超新星だということがわかったという。中性子星の衝突や、ブラックホールの膠着円盤による、ジェットがその原因であると書かれてあった。この本では、ブラックホールは何物をも吸い込むので爆発しないということになっているので、ブラックホールそのものの爆発は言っていない。しかし、私は、上に書いたように、ブラックホールの爆発だと思う。超新星の爆発より、はるかに巨大な爆発が一瞬で起こるのである。ブラックホールの爆発に間違いはない。γ線バーストには大きく分けて2種類あるとかかれてあった。すると、これは中性子星の爆発と、ブラックホールの爆発の2種類と考えられないだろうか。
Ta型超新星が、収縮した星である白色矮星が回りの物質を吸い込んで起こす爆発であることは知られている。同じように、中性子星も周りの物質を吸い込んで超新星になってもおかしくない。実際、中性子星も、周りの物質を吸い込んで、白色矮星と同じ仕組みで、小規模な爆発をしているというのが観測されているという。なら、同じように超新星爆発も起こしていても矛盾はないと思われる。同じく、ブラックホールも、物質を吸い込んでいるという。同じ仕組みで爆発しても不思議ではない。物質が果てしなく縮まったら、その物質が持ち込んだエネルギーも果てしなく大きくなる。エネルギーのほうが引力より大きくなったとき、一瞬で星は、ニュートリノと、電磁波になって飛び散るのではないだろうか。その超新星が、ガンマー線バーストであると考えられないだろうか。これが、普通の超新星よりはるかに大きなエネルギーを放出していることも、説明できる。
(6)宇宙の大きさと密度
宇宙には果てはありません。また、どこもほぼ同じ密度で物質があります。したがって、膨張していくことはできません。膨張する先がないのです。そして、どこも、同じようにFまでの過程が繰り返されているのです。
(7)結論
このように、始まりは、引力と、原子の持つエネルギーによる物質とエネルギーの偏りです。これがだんだん大きくなり、大構造から、銀河団クラスのガスの塊になり、やがて、銀河が生まれ、星が形成されます。エネルギーと物質の集中が大きくなるに従い、周りへのエネルギーと物質の拡散もまた大きくなり、収縮しながら、収縮するもの自体のエネルギーも質量も減っていきます。
このとき使われる力は、収縮も拡散も共に、引力と、電磁気力と弱い力です。その同じ力の裏表です。
そして最終的に星になった物質とエネルギーは、爆発し、宇宙に拡散していきます。銀河もやがて変遷し消えていきます。大構造もやがて消えます。しかしほかの場所で、他の大構造が形成されていきます。そのためには数千億年とか数兆年のときがかかるでしょうが。時間を短縮してみれば、宇宙の大構造は、オーロラのように消えたり揺れたり、流れたりと、たゆたっているのでしょう。
ミクロの範囲でも、素粒子から原子になり、それらから、種々の原子が生まれていくエントロピーの減少の流れと、反対に、分解され、元の陽イオンや、ニュートリノに戻るエントロピーの増大の流れが、いつも同時に起こっています。このとき、強い力が重要な働きをするのでしょう。他の3つの力が、合成や分解、収縮や発散にかかわっていたように、強い力も、原子の合成と分解の両方にかかわっているのではないでしょうか。
3 輪廻宇宙の証拠
(1)星の誕生と崩壊の証拠
星の崩壊は、超新星という形で観測されています。また、恒星風として、粒子が放出されているのも観測されています。
また、太陽の中心からニュートリノが放出されているのも観測されています。
星が、崩壊していく過程は、かなり研究されていて、ほぼ間違いなく宇宙の塵に還元されていくことが観測されています。
反対に、星の誕生も、観測されています。星になる前のガス円盤、誕生直後のジェット、集団となって誕生している、散開星団と、星が常に誕生しているのが、この銀河系や、いろいろな銀河で観測されています。
星は、数も多いし近くでもあるので、その崩壊や、誕生が観測されやすいためもあって、かなりよく研究されています。
(2)銀河の誕生と崩壊の証拠
では銀河はどうでしょう。銀河はその誕生から崩壊までのプロセスが確定していません。
今までは、銀河は、ビッグバンのあと数億年に、いっせいに誕生したといわれてきました。しかし、ナサが2003年に打ち上げた紫外線観測衛星GALEXの観測の結果報告によると、数億年前の宇宙でも、生まれたばかりの若い銀河が30近く発見されたそうです。これは、100億年前の若い銀河と非常によく似ているそうです。
せつめいでは、「老いた宇宙でも、新しい銀河を生成させる活動性が残っている」となっていました。でもこれは、輪廻宇宙論では当たり前のことです。宇宙は決して老いることはないからです。年老いた銀河は崩壊し、また新しい銀河として生まれ変わるからです。物質保存の法則です。
では、銀河の崩壊はあるのでしょうか。銀河にはさまざまな形があり、ハッブルがこれを系統づけています。彼の考えたとおりの変化をたどるのか、それとも彼の考えとは逆の変化をたどるのか、あるいは、もっと複雑な変化が起こっているのかは確定していないようですが、私はハッブルの考えた逆順で銀河が変遷するとすると、銀河が生まれて、成長し、消えていく過程がよく説明できると思います。楕円銀河の消滅は、その課程が観測されていませんが。
(3)大構造の誕生と崩壊の証拠
では、もっと大きな銀河団や、グレートウオールやボイドはどうでしょう。これになると、生成から消滅までは、果てしなく長い時間(おそらく数千億年単位の時間)がかかってしまいます。アンドロメダ銀河が、わが銀河系と別の銀河であるというのがわかってまだ100年もたっていないし、巨大構造があるらしいことがわかって、まだ10年そこそこなのですから、人類の観測では、その証拠は捕らえられていません。しかし観測技術が発達し、大きな宇宙空間が捕らえられるようになったら、巨大構造も、変遷していることが観測されることでしょう。
(4)結論
宇宙の全てはこのように、エントロピーの増大と減少の中で変遷しています。宇宙の全ては、生まれては壊れ生まれては壊れする輪廻の中にあるのです。
名づけて、「輪廻定常宇宙」です。