第三章 重力で光は落ちるか 


 
光は重力によって曲げられると一般相対性理論ではいいます。これは、引力は、質量のあるものどうしの引きつけ合う力であるとする、ニュートンの万有引力と異なります。

 原理は、重力は、まず空間というものを曲げます。光は常に空間に沿って進むので、曲がった空間に沿って進んだ光は、必然的に曲がって進むという説明です。

 そこで、この章では、光は本当に落ちるのかを考えてみます。はじめに、ちょっと面倒だけど理論を算数で考えてから、実際にそのような現象があるのかを検討します。相対性理論には珍しく、ここでは多くの現象が観測されているというのです。

 

T 落し物は光です

 {重力で光は落ちますか}

 

 ニュートン氏は、質量のあるものどうしの引っ張り合う力として、引力を発見した。
 アインシュタイン氏は、重力は、空間をゆがませるから、相手が質量のない光であっても引き寄せると解いた。
 はてさて?

 

1 問題 アインシュタインの考えた思考実験
 (「重力と一般相対性理論」を参考にさせていただきます。)

 

 (1) 問題

 自由落下するエレベーターの中に観測者がいる。左右の壁に床から同じ高さで穴が開いている。この、左の穴から光が入ってきたとする。光はどうなるか?という問題です。参考にした本には光の向きは書かれていないけど、おそらく壁に垂直に入ったのでしょう。そういうことにします。でも、相対性理論では光の向きは関係ないのかもしれません。そこのところは分かりません。
 このとき、自由落下しているエレベーターの中の人は、重力が消えているというのが前提になっています。(このことは次項で)

 

(2) 答え(上記の本の答え

 アインシュタインの理論からの思考実験
 「落下するエレベーターの中の人にとっては重力が消えているので、光は何の影響も受けずにその人に対してまっすぐ進み、右の穴から出て行くように見える」(その人に対してまっすぐというのは、その人に向かっていくのではなく、その人から見て光がまっすぐ横切っていく現象みたいです。)

 なぜ光がそのような動き方をするのかという理由は、「重力が消えているので」です。これだけで光はそのような動きができるのでしょうか。それとも、1章で紹介した光速度普遍の原理からこのような動きをするのでしょうか。なんに対しても光の速度は普遍であるから、加速している人に対してもまっすぐになるというのが前提になっているのかもしれませんが、書かれていないので分かりません。これはあくまで推測です。また、重力が消えていなければ光はどのように進むのかも書かれていません。相対性理論の実験や観察は、原則として、比較の実験や観察はやらないみたいです。
 このようすを地上の人が見ると、「光が左の壁の穴から入って、右の壁の穴から出て行く間にエレベーターは落下しているので、その落下した分だけ光が曲がったように見える。ゆえに、光は地球の重力に引かれて下に曲がったように見える。」ということだそうです。だから、光は重力によって曲げられる。といいたいらしいです。この光の見え方は、「光時計」の考え方とそっくりです。

 

2 考察

(1) この三段論法の怪

 第1点は、エレベーターの中の人にとっては重力が消えているから、光は重力の影響を受けずにまっすぐ進むとなっています。これは、重力があれば光は曲がるという前提があることを示しています。そして結論が、光は重力に引かれて曲がるように見えるとなっています。前提が「光は重力で曲がる」を含んでいるから、結論がそうなるのは当たり前のことです。重力によって光が曲がる証明にはなっていません。

 第2点は、エレベーターの中は、重力が消えているという設定です。わざわざ、中に入った光に重力は影響していないといっています。だから、その光が曲がって見えたからといって、その理由が重力であるわけはありません。重力は何も影響していないのだから、重力は真っ先にその原因から除外されなくてはならないはずです。

 このやりかたは、まず犯人ありきです。事件の前から犯人が決まっている捏造のパターンと同じです。犯人の重力さんは現場にいなかったのだから犯人ではありません。

 

(2) 疑問 

 光は、本当にまっすぐ進み右の穴から出て行くことができるのでしょうか。根拠は、「重力が消えている」からだけでほかには何もありません。

 (3) いろいろな比較実験
  (負けずに思考実験です。以下空気の抵抗はないものとして考えます。)

  ア 思考実験1 

エレベーターの設定は地上に動かずにある。左の穴に銃を固定する。壁に垂直に弾を発射する。弾はどうなるか。

   @ 答え

  右の穴の下に当たる。
A 理由 

  弾は右の壁に到達するまでに地球の重力の影響を受けて落下するから。  
B 結果 

 スローモーションで見ると、エレベーターの中の人にも外の人にも、弾が放物線を描いて落下しているのが見える。中の人と外の人の見え方は一致します。

 イ 思考実験2 

 エレベーターの設定は自由落下。銃は実験1と同じ左の穴に固定。発射された弾はどうなるか。

@ 答え 

  右の穴から出る。
A 理由

  弾が右の穴に到達する間に、弾が落下する距離と、壁が落下する距離が同じだから。

B 結果 

 エレベーターの中の人には、弾が直進しているように見える。なぜなら、人も弾も同じ加速度で落下しているので垂直方向の相対的な位置が同じだから。外から見た人には、弾が放物線を描いて落下しているように見える。もちろん、中の人も加速しながら落下しているのが見える。

これは、最初に紹介した相対性理論の光の動きと同じです。見え方も。ここでもまた、なぜかニュートンの法則と一致します。

 このときの弾は、地球重力の影響を受けていると考えました。理由は、外の観察者は、中の人も、エレベーターも、りんごも、光も?地球方向に落ちているのを観測しているようなので、銃の弾も、同じように動くと考えました。もし、設定のようにエレベーターの中の重力が消えていたら、弾は斜め下方に慣性の法則だけで等速直線運動をします。でも、そんなことは現実には起こり得ないでしょう。

 ウ 思考実験3(上記、光の実験方法と同じ)

 エレベーターの設定は同じ。銃はエレベーターの通路になっているコンクリート壁に固定。エレベーターとはぎりぎりのところ。 上から落ちてきたエレベーターの左の穴が銃の前を通過する瞬間に銃を発射。もちろん壁に垂直です。弾はどうなるか?

@ 答え

  右の穴の上に当たる。

A 理由

 弾が右の穴に到達する間に弾が落下する距離より、エレベーターの壁が落下する距離のほうが大きい。なぜなら、落下する物体の一定時間の距離は、初速度が大きいほど大きくなるから。(弾の横方向への速度はありますが、落下の初速度は0です。一方、エレベーターは弾を発射した瞬間には落下の速度をすでに持っています。)

B 結果

 中の人には弾が上に曲がって飛んだように見える。外の人には放物線を描いて落下して見える。この弾は外の人には思考実験1の弾と同じ軌跡を描いて見えます。実際の飛び方も同じです。違いは、エレベーターの落下速度が速くなっていることです。

エ 考察

 銃の弾は、自由落下のエレベーターの中でも、先に書いたように重力に引かれて落下すると考えました。普通のエレベーターではそうなるからです。銃の弾の場合、中の人の状態が銃の弾の運動に影響を与えるとは思えないから、単純に、ニュートンの落下の法則から考えてみました。
 なぜ、光は、実験2と同じ結果になるのでしょう?不思議ではありませんか。
 光も物質と同じ落下の法則で落下するとしたら、最初に書いた光の実験では、条件は実験3と同じなので、穴の上にあたる、になるはずです。外から飛び込んできた光の落下の初速度は壁のすぐそばから発射されたとするとほぼ0になるはずだから。
 このことから考えられることは、光の落下の速度は、光源の動きには関係なく、入ったときのエレベーターの乗客の速度と同じになるということです。一方、銃の弾の落下速度は撃った瞬間の銃の動きに左右されて、エレベーターの動きや中の人には左右されません。光は、銃の弾とはまるで違う原理で動いていることがこのことからわかります。本当でしょうか。
 とくに、「⑴ 問題」の光と同じ条件でやった「ウ 思考実験3」の結果は銃の弾と、光ではまるで違いがあります。(相対性理論ではそれが当たり前のことでしょうが)
 何が違うかというと、銃の弾は、エレベーターに触れていないので、エレベーターの動きに何一つ影響を受けていないことです。落下の初速度0メートルから始まって、ニュートンの引力の法則で落下しながら、放物線を描いて飛んでいきます。ところが、光は、エレベーターに入ったとたん、エレベーターの乗客の動きに連動して動くのです。触れてもいないエレベーターの乗客の動きに光がどうして影響されるのかということは書かれてありません。理由らしきものは「重力が消えているからまっすぐ進む」というだけです。

 本当にそうでしょうか。この思考実験でも、中の観測者は、重力は消えているといわれながらエレベーターと一緒に、引力の法則にしたがって加速しながら落下しているのを外の観測者に見られています。外の人には、中の光が曲がりながら壁の穴を通り抜けるのが見えるのですから、中の人がエレベーターと同じ加速度で落下しているのが見えるはずです。

 

 そこで、この、光がエレベーターの加速度と同じ加速度で落下するように見える相対性理論の現象を、もう少し詳しく考えてみます。
 自由落下するエレベーターがどのような速度であっても、中の観測者に光が直線に見え、かつ、向かいの壁の穴から出て行くためには、エレベーターに入った光は、「イ 思考実験2」の弾と同じ動き方をしなければなりません。そのためには、光がエレベーターに入った瞬間に、エレベーターと同じ落下の初速度を持つ必要があります。そして、中の人と同じ加速度で落下していかなくてはなりません。

 するとこんなことが起こります。

 エレベーターが秒速5センチメートルで、落下しているときに、落下速度0メートルで壁から入った光は、突然、初速度秒速5センチメートルで落下を始めます。そして、そのあとも観測者と同じ加速度で落下するのだから、重力が消えているはずなのに、なぜかニュートンの物質の落下の法則と同じ加速度で落下していき、向かいの穴から出て行きます。中の人から見ると光は直線運動をし、外から見ると放物線を描いて落下しているように見えます。
 今度は、自由落下するエレベーターが秒速500キロメートルのときです。やはり落下速度0メートルで壁から入った光は、突然、初速度秒速500キロメートルで落下を始めます。そして、やはりそのあとは、ニュートンの物質の落下の法則と同じ加速度で落下していき向かいの穴から出て行きます。このときも、もちろん中の人から見ると光は直線運動をし、外から見ると放物線を描いて落下しているように見えます。
 この現象は、光が入った瞬間のエレベーターの速度が、1000キロ/秒なら光も1000キロ/秒、1万キロ/秒なら1万キロ/秒で瞬時に落下を始めるということです。
 この現象を外から見るとどう見えるでしょう。光は、エレベーターに入った瞬間に、かくっと折れ曲がっているように見えるはずです。しかも、その角度は、エレベーターのスピードに比例して大きくなっていくのです。エレベーターの中が無重力だからというのが、その理由らしいですけど、その理由だけでは、このようになる現象が説明しきれないように思えます。
 ところが、これとそっくりの現象が実際にあります。それは音が伝わる現象です。走っている車に、外から声をかけると多分このように伝わるでしょう。声が外にあるうちは外の空気に対して音速で、車内に入ったら車内の空気に対して音速で動くという現象です。この時、音はドップラー現象を起こしますが、車についていきます。音を伝える車内の空気は、車といっしょに走っています。音はその空気を振動させるだけだから車の中に入った瞬間に、車の中の空気といっしょに走り出します。音自体には質量はなく空気の波なので、このようになります。光と違って、音の場合は原因がはっきりしています。光の場合は、「問う必要はない」なのでしょうか。「光はどのような観測者にもまっすぐ進む」からなのでしょうか。

 

 では、このような場合はどのように考えればいいでしょう。
 ガラスの大きな部屋を投げ上げます。空気の抵抗がないとすると、部屋の中はこのエレベーターの中と同じに、無重力状態になります。これも、一種の自由落下です。この原理は、ジェット機を放物線上に飛ばして、無重力状態をつくって、宇宙飛行士の訓練をすることに実際に使われています。
 相対性理論が正しいとすると、この部屋の中は、無重力状態なので、光は中の人に対して直進しているように見えます。これを外から見ると、光は中の人とともに放物線を描いて飛んで行くように見えるはずです。

 人工衛星の中も、やはり自由落下です。同じ無重力状態だから、光は中の人に対して直進していることになります。光は、人工衛星の軌道と同じ楕円軌道を描いて地球の周りを回っていることになります。
 そうでしょうか、そんなことが本当に起こっているのでしょうか。中の人が発射した銃の弾ならこのように動きます。ニュートンの法則です。どうして光がそれと同じ動きをするのでしょう。

 私は、ガラスの部屋の中でも、人工衛星の中でも、光は中の人にではなく、絶対的な静止に対して直進していると思います。だから光は、エレベーターとも、ガラスの部屋とも、人工衛星ともいっしょに動いていったりはしないと思います。

 もう一度エレベーターに戻ります。
 もし実験の手違いで、エレベーターが落下してこなかったらどうなるでしょう。ただエレベーターの通路だけです。光は直進しますか、重力で落下しますか。相対性理論では重力で光は落下することになっています。したがって、通路の真向かいの壁の、少し下に当たるはずです。しかも、エレベーターの実験では、ニュートンの落下の法則と同じ加速度で落下しているのでそうなるはずです。それとも、観測者がいないので、動けないですか。  

 私は直進して光源の垂直線上のまっすぐ前の壁からちょっと外れたところに当たると思います。理由は光は重力には影響されないけれど、地球が動いているからです。光が向かいの壁に飛んでいく間に、壁は少し動いているからです。このことは、先に書いたように、光行差として実際に観測されています。

オ 思考実験4

  同時刻の相対性

 また「同時刻の相対性」です。このことからエレベーターの光の道筋を考えて見ます。光速度普遍の原理から、光はエレベーターの中の人に対してまっすぐ進み向かいの壁の穴から出て行きます。また、同じ原理から、エレベーターの外の人に対しても光はまっすぐ進みます。その間にエレベーターは落下しているので、外の人が見ている光は向かいの壁の穴に当りません。同じ現象が見ている人によって違います。「同時刻の相対性」です。このとき、光は誰が見ても放物線を描きません。同じ相対性理論でも、特殊相対性理論と、一般相対性理論では現象が違ってしまいます。困ったものです。

 

 ちなみに、銃の変わりに光にすると、光がエレベーターの右の壁の穴に見事命中するのはどれだと思いますか。私は、思考実験2も実験3も、光は、穴より上の壁に当たると思うのですがいかがでしょう。理由は、光は銃弾と違って、地球の重力によって曲げられないから。もし曲がるとしても、物質の落下の法則に従うとは思えないから。
 では、思考実験1では光は見事穴を貫通するでしょうか。これも疑問です。銃の弾と違って、光は地球の自転や公転や、その他の動きに影響されずに動きます。慣性の法則は働きません。しかし、エレベーターは地球の動きに左右されてどちらかに動いています。したがって、光が向かいの壁に到達する間に、向かいの壁はどちらかに動いているはずです。

 地球の動きは、秒速400キロメートルだという観測もあります。しかも自転も公転もしています。かなり複雑な動きをしています。したがって、実験1でも光は向かいの壁の穴を正確に貫くことはできません。といっても、3万キロと400キロでは速度に違いがありすぎて、穴は逃げ切れないでしょうけど。このことからすると、実験2も3も光は壁のどこに当たるか分からないことになります。
 銃の弾は質量があるので、地球の運動の影響を受け、慣性の法則で示されたような動きをするので、思考実験2のように見事に壁の穴を貫きますが、光は質量がないので、地球やエレベーターの影響は受けずに、絶対静止に対して等速直線運動をすると思えるからです。


3 結論

 なぜ、アインシュタインはこんな大げさな、絶対に実際には実験できない実験を考え付いたのでしょう。もし、光が重力で落下するなら、光源も観測装置も地上に固定しておけば十分です。発射された光が観測装置に到達するまでの落下の距離を測れば簡単にことは足ります。この思考実験からすると、人間が落下する加速度と同じ勢いで落下するのだから、今の観測技術なら測定できるでしょう。なんといっても、これなら実験可能です。

 相対性理論はいつも、実験不可能なことばかり考え出して思考実験ばかりします。まるで、実際に実験されたら困るとでもいうように思えます。それじゃまるで、王様の仕立て屋さんじゃないですか。ドッスンコロリン

  

見て見ぬ振り
知らぬは亭主ばかりなり
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