(回転体と相対的動き)
正月だからといって独楽を回している子供を見かけることはなくなりました。羽根つきだって、凧揚げだって、そこらで見かけなくなったばかりではなく、風物詩として漫画やテレビで紹介されることもなくなりました。それでも独楽回しです。
1 問 題
回転体に対して物は相対的に動けるか。アインシュタインとニュートンの相反する考え方。あなたはどちらが正しいと思いますか。どちらも正しいなんてことはないでしょう。
2 考 察
(1) 渦巻き
バケツに水を入れて、ぐるぐるかき回すと渦ができます。そのとき周りが盛り上がります。この現象を見て、ニュートンは絶対静止点が存在すると確信したそうです。回転による遠心力のために盛り上がっているということからだそうです。地球も、極方向の円周より赤道のほうが膨らんでいるのは、地球の自転の遠心力のためだと解釈されています。太陽系の形や回転も、230万光年離れたアンドロメダ銀河の回転も同じ原理で計算します。
しかし、相対性理論では違う解釈をします。
宇宙を基準点に見ると、地球が回転していて、上と同じ結果になるので問題はありません。ところが、地球を基準に見ると、地球は停止していて宇宙が回転しています。すると、地球に遠心力は働きません。したがって、赤道のほうが膨らんでいるという理由がなくなります。これでは困るので、相対性理論では、回転する宇宙によって強い磁場が発生して地球の赤道面を引っ張り膨らませるのだというのです。バケツの水も同じ原理です。バケツの水の周りを宇宙が回転して、その磁場によって水の周りが盛り上がるというのです。すごい磁場ですね。水を盛り上げるんですから。それだけの磁場があれば、いろんな電子機器がめちゃくちゃに狂ってしまいそうだけど、それはなぜか大丈夫みたいですね。多分、非常に選択的に作用する磁場なんでしょう。そんな変な磁場があればですが。
どう思いますか。相対性理論はかなり無理してると思いませんか。
するとこれはどう解釈できるでしょう。
以前、アフリカの観光名物をテレビでやっているのを見ました。場所は、赤道上を東西に通っている道路です。その上で観光客相手に見世物をやっています。
水を入れた容器の底に穴が空いています。その穴から、水を下の入れ物に流します。アフリカの赤道付近では水はとても貴重だから、日本みたいに垂れ流しはしないのでしょう。
すると、吸いこまれながら水が渦を巻きます。こんなことは日本でも普通に見られる現象です。ところが、ここではちょっと違うのです。道路の北側と南側で、渦が反対回りになるのです。道路の向かい合った端と端が北半球と、南半球になるのです。北半球と南半球では、渦が反対周りになるのはもちろんよく知られている現象ですが、ここでは、それが数メートルと離れていないところで、実際に反対回りになるのが見られるのです。何の変哲もない道路の上で、あっちの端から、こっちの端に移動して水を流すだけで、渦が反対回りになるのです。それを観光客に見せて商売にしているのです。
これは、地球の自転による現象であるというのなら説明がついています。でも、地球がじっとしていて宇宙が回転しているのなら、たった数メートル離れるだけでどうして渦が反対回りになるのか説明できるのでしょうか。
まして、水を基準にすると、回転しているのは宇宙です。水の入れ物を数メートル動かすだけで、どうして、宇宙全体が右回りになったり、左回りになったりするのが決められているのでしょう。水のバケツなんて、宇宙に比べたら、無です。2メートルの距離なんて、宇宙の距離に比べたら、無です。それなのに、それだけで宇宙の回転の方向を決めることができるなんて、とても不思議です。
だいたい、水が穴から落ちるだけで、どうして宇宙全体が回転を始めなくてはならないのでしょう。そんなあほなことが起こるわけないでしょう。
(2) 独楽回し
今度は独楽回しです。今はベイブレードというのが流行っていて、昔ながらの独楽は見られなくなってしまいましたが、私は扱いなれた昔の木の独楽を2個用意します。あと、板を1枚。
私らの子供のころは、独楽をひょっと投げて手のひらで受けて回すことなど、誰も朝飯前にできたのですけど、今はそうはいきませんから、誰もが追試できるように板の上で回します。(あまりにも当たり前すぎて誰も追試などするわけないけどね。でも、相対性理論は、思考実験だけで十分でも、普通の場合は、実験とその追試をするのは科学の必須条件ですから。)
まず、1個を板の上で回します。もうひとつを回さずにその近くに置いておきます。普通だと、ひとつの独楽は回っている、もうひとつの独楽は回っていない、それだけです。しかし、相対性理論だと、この回っている独楽から見ると、独楽はじっとしていて、宇宙が回転していることになります。したがって、回転する宇宙の強い磁場が発生して、独楽は止まっているのに立ち続けていることになります。
相対性理論は便利です。普通独楽は止まると倒れるのですが、宇宙が支えてくれているわけです。なんだか、宇宙というのは、世界中のどんな小さな子供も見逃さずに贈り物を贈るサンタクロースみたいですね。え、贈り物をもらわない子供のほうがはるかに多いって、たしかに。
次に、この回転している独楽を、もうひとつの独楽の真上に移動させます。板ごと持っていけば簡単にできます。下の独楽から見ると、下の独楽が止まっていて、上の独楽が回転しています。だから、上のこまが立って、下のこまが倒れています。まあ、普通のことです。
反対に、上の独楽を基準にすると、上の独楽が停止し、下の独楽が回転していることになります。相対性理論からするとどちらも正しいことです。
ところで、回転する独楽は立ちます。止まっている独楽は倒れます。ところが、回転しているはずの下の独楽は立ちません。微動だにしません。止まっているはずの上の独楽は倒れません。相対性理論からすると、回転の向きが違うだけであとは同じはずだから、上の独楽が倒れ下の独楽が立つはずです。なぜそうならないのでしょう。やはり、宇宙の回転磁場が原因ですか。
でも、そうなると大変です。基準を変えるたびに上の独楽が立ったり、下の独楽が立ったりしなくてはなりません。
ほんとまあ、忙しいこと。ところで、そのときの基準は誰が変えるのでしょう。やはり物理学者ですかね。
子供はいいます。「下の独楽は回ってないもの立つわけないよ」と。相対性理論者は言います。「それは、宇宙と一緒に回転している下の独楽には磁場は働かないので云々」と。
子供の言うとおり。回っているのは上の独楽だけです。もし独楽を回すと、相対的に宇宙も独楽の反対回りに回転するのなら大変なことになります。たとえばアンドロメダ銀河は超超超光速で飛ばなければなりません。なぜなら、アンドロメダ銀河までは、230万光年の距離があるといわれています。すると、独楽を中心にして、半径230万光年の円の円周上を1秒間に数十回転しなくてはなりません。円周だけで、約1380万光年(何年か前大騒ぎをした、π=3で計算します。)あります。これを1秒間で、数十回まわるなんてことができるでしょうか。1秒間に1周するのだって、光の速さの、1380万×365×24×60×60倍=43兆5196億8000万倍の速さになるわけです。遠心力でアンドロメダ銀河は一瞬にしてばらばらになるでしょう。
子供も、すごい怪力の持ち主です。細い紐1本と、独楽1個で直径10万光年もある銀河を粉々に打ち砕くのですから、ガメラも、ゴジラもとても敵ではありません。相対性理論では、強い磁場が発生してアンドロメダ銀河を支えているというのでしょうか。その磁場が、子供の腕を支えて宇宙を回転させる力を与えているのでしょうか。
3 まとめ
子供のころずいぶん独楽回しをしたものです。なのに、いまだにアンドロメダ銀河は健在です。
「いや、本当は粉々になっているかもしれないよ。なんてったって、今見えるアンドロメダ銀河の光は、230万年前の姿で、現在の姿ではないのだから分からないよ。」と物理学者は言うかもしれません。でも、太陽だって、超光速でとぶことになります。1秒1回転でも、秒速18億キロメートルにもなります。光速の6000倍です。地球だって、1秒間にコマが七回り半すると光速で回転することになります。大変ですね。
そればかりじゃないです。自転車は二つの輪があります。車は4つの車輪があります。電車は、いっぱい車輪があります。回転しているのはそれだけではありません。いろいろな機械の中で、さまざまな歯車がいろんな方向に回転しています。機械ばかりではありません。ミドリ虫は鞭毛をぐるぐる回転させて泳いでいます。アシカは鼻の上で、ボールを回しています。地球は、そのそれぞれの回転にあわせて、同時に、何千兆もの、いや、その何千兆倍ものさまざまな回転をしなくてはなりません。それも、光速を軽々と超える回転がいっぱいです。地球は目が回ってしまいます。
そうなんです。相対性幻想4次元時空の果てですれ違うロケットの中で独楽を回すのならいざ知らず、この地球上で回す独楽は、宇宙を回転させません。
独楽は、独りで楽しみましょう。宇宙など巻き込まずに。グルットマワッテ、ポン。
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