独楽を回して遊びましょ

お正月だよ！独楽を回して遊びましょ
正月だからといって、独楽を回している子供を見かけることはなくなりました。羽根つきだって、凧揚げだって、そこらで見かけなくなったばかりではなく、風物詩として、漫画やテレビで紹介されることもなくなりました。時の流れは常に前へまえへと進んでいくものですね。と思っていたら、こんど国益のためにおおっぴらに軍隊をよその国に送りました。あの大戦へと続くことになる、シベリヤ出兵の日に戻ったようです。歴史は繰り返す、ですか。ということで、今日は輪廻転生、回転です。
１	渦巻き
	バケツに水を入れて、ぐるぐるかき回すと渦ができます。そのとき周りが膨れ上がります。この現象を見て、ニュートンは絶対静止点が存在すると確信したそうです。回転による遠心力のために盛り上がっているということからだそうです。地球も、極方向の円周より、赤道のほうが膨らんでいるのは、地球の自転の遠心力のためだと解釈されています。
	しかし、相対論では違う解釈をします。　宇宙を基準点に見ると、地球が回転していて、上と同じ結果になるので問題はありません。ところが、地球を基準に見ると、地球は停止していて、宇宙が回転しています。すると、地球に遠心力は働きません。したがって、赤道のほうが膨らんでいるという理由がなくなります。これでは困るので、相対論では、回転する宇宙によって強い磁場が発生して、地球の赤道面を引っ張り膨らませるのだというのです。バケツの水も同じ原理です。バケツの水の周りを宇宙が回転して、その磁場によって水の周りが膨れ上がるというのです。すごい磁場ですね。それだけの磁場があれば、いろんな電子機器が狂ってしまいそうだけど、それはなぜか大丈夫みたいですね。多分、回転しているものだけに作用する磁場なんでしょう。それから、０．１ミリでも離れると磁場は消えてしまうのでしょう。うちのテレビの映りが悪いのは磁場のせいではなく、テレビが古いためなのでしょう。
	どう思いますか。相対論はかなり無理してると思いませんか。
	するとこれはどう解釈できるでしょう。以前、アフリカの観光名物をテレビでやっていました。赤道が通っている場所です。水を入れた容器の底に穴が空いています。その穴から、水を下の入れ物に流します。アフリカの赤道付近では水はとても貴重だから日本みたいに垂れ流しはしないのでしょう。すると、吸いこまれながら水が渦を巻きます。どこでも見られる現象です。ところが、ここでは違うのです。赤道の北と南で、渦が反対回りになるのです。もちろんよく知られている現象ですが、ここではそれが２メートルと離れていないところで実際に反対回りになるのが見られるのです。何の変哲もない地面の上で、ほんの少し離れた場所に移動して、水を流すだけで渦が反対回りになるのです。それを観光客に見せて商売にしているのです。
	これは、地球の自転による現象であるというのなら説明がついています。でも、地球がじっとしていて、宇宙が回転しているのなら、たった２メートル離れるだけで、どうして反対回りになるのか説明できるのでしょうか。
	昔の天動説なら、天は球だったから、何とか説明できるかもしれないけど、今の宇宙は球とはいえないから、地球を中心に球状に回転できません。端っこもないし、曲がっているし、難しい回転になりそうです。
	まして、渦から見ると、回転しているのは宇宙です。水の入れ物を２メートルずらすだけで、どうして、宇宙全体が右回りになったり、左回りになったりするのが決められているのでしょう。水のバケツなんて、宇宙に比べたら、無です。２メートルの距離なんて、宇宙の距離に比べたら、無です。それなのに、それだけで宇宙の回転の方向を決めることができるなんて、とても不思議です。　だいたい、水が穴から落ちるだけで、どうして宇宙全体が回転を始めなくてはならないのでしょう。そんなあほなことが起こるわけないでしょう。
２	独楽回し
	今度は独楽回しです。今はベイブレードというのが流行っていて昔ながらの独楽は見られなくなってしまいましたが、私は扱いなれた昔の木の独楽を２個用意します。あと、板を１枚。私らの子供のころは独楽をひょっと投げて、手のひらで受けて回すことなど、誰も朝飯前にできたのですけど、今はそうはいきませんから誰もが追試できるように（誰も追試などするわけないけどね。でも、一応科学の常識だから。）板の上で回します。
	まず、１個を板の上で回します。もうひとつを回さずにその近くに置いておきます。相対論だと、この回っている独楽から見ると、独楽はじっとしていて、宇宙が回転していることになります。したがって、回転する宇宙の強い磁場が発生して、独楽はじっとしているはずなのに立ち続けています。
	相対論は便利です。普通独楽は止まると倒れるのですが、宇宙が支えてくれているわけです。なんだか、宇宙というのは世界中のどんな小さな子供も見逃さずに贈り物を贈るサンタクロースみたいですね。え、贈り物をもらわない子供のほうがはるかに多いって。たしかに。
	そこで、この回転している独楽を、もうひとつの独楽の真上に移動させます。板ごと持っていけば簡単にできます。下の独楽から見ると、下の独楽が止まっていて、上の独楽が軸を中心に回転しています。だから、上のこまが立って、下のこまが倒れています。まあ、普通のことです。反対に、上の独楽から見ると下の独楽が軸を中心に回転し、上の独楽が停止していることになります。相対論からするとどちらも同じことです。
	ところで、回転する独楽は立ちます。ところが、回転しているはずの下の独楽は立ちません。微動だにしません。立っているのは止まっているはずの上の独楽だけです。相対論からすると、回転の向きが違うだけであとは同じはずだから、上の独楽が倒れ下の独楽が立つはずです。　すると大変です。基準を変えるたびに上の独楽が立ったり、下の独楽が立ったりしなくてはなりません。ほんとまあ、忙しいこと。ところで、基準は誰が変えるのでしょう。やはり物理学者ですかね。
	子供はいいます。「下の独楽は回ってないもの立つわけないよ。」と。相対論者は言います。「それは、宇宙と一緒に回転している下の独楽には磁力は働かないので云々」と。
	子供の言うとおり、回っているのは上の独楽だけです。もし独楽を回すと、相対的に宇宙も独楽の反対回りに回転するのなら大変なことになります。たとえばアンドロメダ銀河は超超超光速で飛ばなければなりません。なぜなら、アンドロメダ銀河までは、２３０万光年の距離があるといわれています。すると、独楽を中心にして、半径２３０万光年の円の円周上を１秒間に数十回転しなくてはなりません。円周だけで、約１３８０万光年（何年か前大騒ぎをした、π＝３で計算します。）あります。これを１秒間で、数十回まわるなんてことができるでしょうか。遠心力でアンドロメダ銀河は一瞬にしてばらばらになるでしょう。　子供も、すごい怪力の持ち主です。細い紐１本と、独楽１個で、直径１０万光年もある銀河を粉々に打ち砕くのですから、ガメラも、ゴジラもとても敵ではありません。相対論では、強い磁場が発生して、アンドロメダ銀河を支えているというのでしょうか。その磁場が、子供の腕を支えて、宇宙を回転させる力を与えているのでしょうか。
３	まとめ
	子供のころ、ずいぶん独楽回しをしたものです。なのに、いまだにアンドロメダ銀河は健在です。　「いや、本当は粉々になっているかもしれないよ。なんてったって、今見えるアンドロメダ銀河の光は、２３０万年前の光で、現在の光ではないのだから分からないよ。」　と有識者は言うかもしれません。でも、太陽だって、超光速でとぶことになります。地球だって、１秒間にコマが七回り半すると光速で回転することになります。大変ですね。
	そればかりじゃないです。自転車は二つの輪があります。車は４つの車輪があります。電車は、いっぱい車輪があります。回転しているのはそれだけではありません。いろいろな機械の中で、さまざまな歯車がいろんな方向に回転しています。機械ばかりではありません。ミドリ虫は鞭毛をぐるぐる回転させて泳いでいます。アシカは鼻の上で、ボールを回しています。地球は、そのそれぞれの回転にあわせて、同時に、何千兆もの、いや、その何千兆倍ものさまざまな回転をしなくてはなりません。それも、光速を軽々と超える回転がいっぱいです。地球は目が回ってしまいます。　そうなんです。物事は、相対的には起こっていません。　こまは、独りで楽しみましょう。宇宙など巻き込まずに。ぐるっとまわって、ぽん。　２００４年１月６日　並刻記
	見た目がすべて　　　　　　　光とともに歩め　　　　　　　　王様は裸だ！目次