「村山博士が語る宇宙の果てをめぐる最新宇宙論」(Newton2013年5月号)への疑問6
著者 高田敞
(以下{ }内は、上記本よりの引用)
問題
{観測可能な宇宙は宇宙誕生直後,急速膨張する前には、宇宙全体のごく一部の点のような領域でした}
考察 ビッグバン宇宙論との対比
ビッグバン宇宙論では、{観測可能な宇宙}だけでなく、宇宙全体が1点から爆発したという理論である。宇宙が{急速膨張する前}とは、インフレーション前ということだから、宇宙全体が1点に集まっていた時代である。この1点は普通の1点ではない。ビッグバン宇宙論では、{急速膨張する前}の1点は、ブランクの長さであったといわれている。ブランクの長さはそれ以上小さく分けることはできない。{宇宙全体}の1点の中に{観測可能な宇宙}の1点があったと述べているが、急膨張以前の宇宙でそれは不可能である。
時間の問題もある。急膨張したというインフレーションは、宇宙ができた途端に始まり、瞬間より短い間に終わっているという。したがって、急膨張前の時間は、この宇宙ができる前にしかない。
{観測可能な宇宙}と{宇宙全体}を分けるには、場所もない、時間もないのだから、それは不可能ではないのだろうか。