アインシュタイン空間は、絵空事

著者 高田敞

 空間には二通りの意味があるようです。
 ひとつは、物の間や、隙間などの物のないところのことです。もうひとつは、場所というような意味で、そこにものがあろうとなかろうと、ある広がりのことです。
 では、相対論にいわれている空間とはどういうものなのでしょうか。(以後、「アインシュタイン空間」といいます)またそれは存在するのでしょうか。
 まず、アインシュタイン空間は、少なくとも、現在までに知られている物質ではできていないことは分かっています。空間が何か物でできているとは常識的には考え辛いのでこれは当たり前っぽいです。では何もないかというと、意外にそうではないようなのです。アインシュタイン空間はかなり特殊な性質を持っているようなのです。
 (相対論にいうアインシュタイン空間の性質)
 1 重力の影響を受ける。重力によって空間が曲がることが、エディントンの星や、アインシュタインリングで間接的に観測されたということが信じられています。
 2 光に作用して、波長を変えたり、進路を曲げたりすることができる。
 3 現在は知られていない未知の力によって光を越える速度で、膨張することができる。(インフレーションビッグバン)また、普通の速度でも膨張することができる。
 4 何らかの未知の力で、銀河を固定し、自らの膨張に合わせて引っ張ることができる。(ビッグバンによる宇宙膨張説) このとき、銀河内の星と星や星間ガスの間は広げずに、銀河と銀河の間だけを広げるというように、選択的に作用する。これは、引力の影響だということなので、銀河を固定する力は引力より弱い可能性がある。
 5 一般相対論の、重力効果と、加速効果は区別できないということから、地球に落下していく二つの物体が、落下しながら近づいていくのは、空間の曲がりが原因であるという説が出てくるそうです。このことから、空間は物質も動かすことができるといえます。
 以上のことから、「アインシュタイン空間」は、星と星の間の空間や、たんすと壁の間の空間とはまるで違うことが分かります。また、たんに、広がりというのとも違います。これらの空間には上の5つの性質はひとつもありません。どちらかというと「アインシュタイン空間」は、過去にその存在を誰もが信じて疑わなかった、エーテルと似ている所があります。
 エーテルも、宇宙全域に満ちていて、光に大きな影響を与えるものでした。ただ、エーテルは物質とは相互作用はしなかったみたいです。その点では、「アインシュタイン空間」はかなり欲張りです。
 このエーテルを真っ先に否定したのはアインシュタインです。くしくも、このエーテルを検出する装置と同じものが、今、このアインシュタイン空間の重力波による振動を検出するために使われています。今のところ、アメリカの装置では検出されていません。今日本を含め複数の国で一生懸命作っています。
 かつて、この装置では、何度やってもエーテルは検出されませんでした。この、マイケルソン、モーリーの実験から、アインシュタインはエーテル否定、特殊相対論の構築へとつながったといわれています。今度も、この装置は何も検出しないでしょう。いや、光行差(光の斜光現象。光速度普遍ではこれは現れないはずの現象)を検出することでしょう。相対論にはダブルで不利なことになるでしょう。。
 このような性質を持ったアインシュタイン空間は存在するのでしょうか。それは、たんに物事を考えるために便利だから考え出された概念にすぎず、実態としては存在しないのじゃないでしょうか。実際にあるのは、物と、物の間、そして電磁波だけじゃないでしょうか。陽子と電子、そしてその間。原子と原子、そしてその間。分子と分子、そしてその間。物と物、そしてその間。星と星、そしてその間。銀河と銀河、そしてその間。そしてそこを飛び回っている電磁波、ただそれだけじゃないのでしょうか。
 それらが収まっているところが空間であるといわれればそんな気がします。あるいは、それらがある場所を、空間というとそういうものがあるような感覚があります。それがアインシュタイン空間を実在するように思わさせているのではないでしょうか。でも、それは、空間としての何かが実在するのではなく、抽象的な概念にしかすぎないのではないでしょうか。定義はできても、それは言葉だけで、実態は存在しないのではないでしょうか。 あるのは、物と、それのないところ、すなわち、物と、間という意味の空間だけではないのでしょうか。
 アインシュタイン空間は存在しないのです。 

雑談目次
空間てなあに 
時の流れはあるのかしら