空間不思議の4
著者 高田敞
光は時空の壁を越えられるか
 マイクロ波非等方性探査衛星WMAPの最新情報によると、ハッブル定数は71だそうです。これは、300億×100億キロメートル離れた星の後退速度が、秒速71キロメートルだということだそうです。インフレーションビッグバン論では、ビッグバンは、物質が爆発で飛び散るのではなく、空間が広がることであるというから、このことは、地球とこの星の間の空間が秒速71キロメートルで広がっているということなのでしょう。
 ところで、先に書いたように、地球は秒速400キロメートルで宇宙空間を飛んでいるそうです。地球は空間の膨張をどんどん追い越していきます。1秒間に329キロメートル空間を追い越します。1分間で19740キロメートル先へ進んでいます。1日では、28425600キロメートル空間を置いてきぼりにしてます。5日でおおよそ地球と太陽間の距離を置いてきぼりにします。空間を追い越した地球はどこへいくのでしょう。追い越された空間はどうするのでしょう。全宇宙の物質を引き連れてここまで膨張してきた空間が、何兆億個もあるだろうブラックホールさえ引き連れて膨張してきた宇宙が、高々恒星にもなれない地球ごときにあっさり追い越されて、空間の面子はどうなるのだろう。
 光は、秒速30万キロメートルでこの空間を追い越していきます。1秒間に299900キロメートル先に進みます。これでは、力の差がありすぎる。光はあっさり宇宙空間を置いてどこかに飛んで行ってしまう。空間はどうすればいいのだろう。まるっきりやりたいほうだいされてるじゃない。
 特に宇宙の果てにある星(どこも中心で、どこも端であるという考えの根拠は先にも書いたように、1点からビッグバンが始まったということからもあっさり崩れる。)から出た光は、今も広がっているだろう玉型宇宙の端を越えて、何にもないところへいとも簡単に飛び出てしまはないのかしら。時も空間もない世界へ飛び出た光はどうなるのだろう。お化けになるのだろうか。(ちなみに、人がなるのが幽霊、その他のものがなるのがお化けだそうです。一説によると。もちろんこれにもいろんな説があります。)
 まあ、時空は曲がっているから、光がどんなにまっすぐ飛んだってこの宇宙から飛び出すことはできないんだって、なんて簡単に説明してちょんなんだろうけれどね。そのくせ、宇宙は平気で、光も飛び出せない空間に広がって行ってるんだから。光はだめだけど、物はいいというのだから、まるで矛盾だよね。
 宇宙空間は平坦であるという観測結果はどうするつもりなんだろう。どうせ、宇宙は広くて、曲がりはかすかだから、観測されないなんていうんだろうけどね。
03年11月8日並刻記
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