宇宙空間不思議の2

宇宙空間の膨張
著者 高田敞
 では、どんな風に宇宙空間が膨張していったのか考えてみたいと思います。
 どの本を見ても、空間とその中の光や物質とは肩を並べて膨張していったみたいです。というより、それをばらばらにして考えることはしていないみたいです。
 では、どちらが主となって、宇宙を膨張させていったかというと、これも、一心同体みたいですが、微妙に違いがあります。。
 たとえば、最初、宇宙は超高温、高密度の状態で、火の玉であった。これが、一瞬にして膨張した。という説明があります。これから考えると、この光や、物質が持っていた熱エネルギーが、膨張の原動力になったように思えます。すると、これは、星の爆発とよく似ています。花火の爆発とも同じです。でも、これでは、空間を膨張させるエネルギーにはなりません。(超新星の爆発にしろ、花火の爆発にしろ、空間を膨張させるエネルギーではないようです。相対論によると、今のところ、空間に影響を与える力は重力だけみたいです。ただ。これも、検証されたわけではありません。重力レンズによって実証されたと学者は言うけれど、それは思い込みでしょうということは重力レンズの証拠とその検証を参照してください。)
 そこで、宇宙の始まりの時には、今ある4つの力がみんなひとつになっていて、という説もあります。ただ、それが、空間にどのように作用するかは、誰も説明しません。光や、素粒子に対する説明だけです。
 このことから考えると、宇宙の膨張は、物質が主導権を取っているみたいです。
 一方、インフレーション膨張のときは、宇宙は光速の何兆倍ものスピードで膨張した。とあります。では、光より早くていいのか(宇宙には光より速いものはないという、アインシュタイン氏の理論があります。)、というと、空間が膨張しているからいいということです。
 また、宇宙には、ガスが収縮して星ができたり、銀河同士が衝突しているところがたくさん発見されています。膨張したら離れなければならないのに、収縮したり、衝突したりするのは変ではないかという疑問には、空間の膨張より、局部引力のほうが大きいからと説明しています。
 この二つなんかはどちらかというと、空間膨張のほうが優勢みたいです。
 そこで、物質の膨張と、空間の膨張をもう少し詳しく見てみたいと思います。
不思議は、局部引力が大きくて物質が膨張していないところの空間はどうなっているかということです。
A 考え方
ア 星同士は引力で広がらないが、空間は広がっている
イ 星同士も空間も引力で広がらない
 この二通りが考えられます。
B 状態の分析と矛盾
a  (星同士は広がらないが、空間は広がる)ではどういう状態が考えられるでしょうか。
・ 天の川銀河とアンドロメダ銀河は秒速50キロメートルで近寄っているという観測があります。ハッブル係数からいけば、ほんとうは宇宙空間の膨張で、秒速100キロほどで広がっていなければならないはずです。それが、局部引力の作用で近づいているというのです。
 上の条件から考えると、天の川銀河とアンドロメダ銀河の間の空間は広がっている。しかし銀河同士はその引力で縮んでいるということになります。
・ 銀河系内の空間は広がっている。星は、互いの引力で広がらない。
・ 太陽系の中の空間は広がっている。しかし太陽系はその引力のため広がらずに固有の運動をしている。(太陽や惑星にぶつかった空間はどうするのだろう。)
・ 地球と月の間の空間は広がっている。しかし地球と月は、その引力で、広がらずに固有の運動をしている。(月や地球にぶつかった空間はどうするのだろう。)
・ 富士山と槍ヶ岳の間の空間は広がっている。しかし、富士山と槍ヶ岳の間は地殻運動で、固有の運動をしている。
・ 富士山の風穴の中の空間は広がっている。しかし洞窟の壁は広がらない。(空間は壁を突き抜けて広がっているのかしら。それとも、入り口や、隙間から、空気のように抜け出るのかしら。)
・ 私の鼻の穴の中の空間も広がっているのかしら。
・ 私の毛穴の中の空間は広がっているのかしら。
◎ そこには空気が詰まっているから、空間ではないのかしら。
・  だったら、空気の分子と分子の間の空間は広がっているのかしら。
◎ いや、そこに何があろうと、なかろうと、空間は空間である。空間の中には真空もあれば、地球もあり、私たちもある。物質も空間の一部であるとすると。
・ 私の体そのものの形をした空間は常に広がっているのだろうか。私の体を置いて次々に。
・ 一個一個の細胞を満たしていた空間はやはり常に細胞を置いて広がっているのかしら。
・ その細胞を作っているさまざまな原子を満たしていた空間は原子をおいて広がっているのかしら。
   あなたはどう思いますか
b (星も空間も引力で広がらない)はどうだろう。
 これだと、星の間も、山の間も、鼻の穴の中も、広がらなくてすむから安心。鼻の穴の中の空間に次々広がられたら、どうもくすぐったそうですものね。
するとこうなります
・ 引力の強いところでは空間は広がらない。かえって縮むところもある。(たとえば、分子雲が収縮して星が形成されているところとか、銀河同士が互いの引力で接近しているところとかは、その候補です)
・ 引力の弱いところ(宇宙空間に引力のないところはないそうです)では空間は広がる。それも多分引力の強弱によって、速く広がるところと、ゆっくり広がるところが出てきます。
・ すると重力によって空間が曲がるのと同じように、宇宙空間全体に粗密ができてきます。空間に粗密があれば何らかの影響を回りに与えるのではないでしょうか。
 大きな星や銀河などの、引力で、空間がゆがみ重力レンズができたように、空間の粗密で、巨大蜃気楼が出現したりして。
 また、光が、広がっていない空間から広がった空間へ進んだとき、一気に間延びして、赤方偏移したり、その反対に広がった空間から、縮んでいる空間へ入ったとき、縮んで、青方偏移したりして。
 光は宇宙を果てなく進んでいるから、伸びたり縮んだり、曲がったり、いびつになったり、何回も繰り返していることになる。忙しいこと。まあ、それで光がどうにかなるわけでもないだろうから、かまやしないのだけど。
 地球へきた星の光も大変だよね。今、第二のインフレーションとかで、宇宙空間は急激に膨張しているとかいうのに、地球の周りは昔のまんまなんだから。光は一気に縮まなくちゃならないんだから気を使っちゃうだろうね。それとも、光は空間なんかへとも思ってないかな。空間が膨張すれば、光も膨張するという論もあるけど、「人の言うことなんかわしゃ知らん。」って。
並刻記2003年11月1日

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