ビッグバン空間のふしぎの1
著者 高田敞
空間を広げる力ってどういうものなのだろう。
 花火を破裂させてきれいに広げるには、花火師なら、どこにどれだけの火薬を仕掛ければいいかわかっています。ちょっとした物理学をかじった学生なら、その飛び散り方を計算できるでしょうね。でも、空間を爆発させるには、どこに、どれだけ、何を仕掛ければ良いのか知っている人はいません。もちろんできる人もいません。
 これができたら、すごいでしょうね。ワンルームマンションだったはずなのに、ドアを開けて入ったら、中は東京ドームの広さに広がっていたなんてできるでしょうからね。
 核爆弾が爆発して、物がいっぱい飛び散っても、空間は微動だにしていません。火山が爆発しても空間はへっちゃらです。
 今の物理学では、どれだけのどんな種類のエネルギーをどこに仕掛けたらどれだけのスピードで空間が飛び散るのか、式を想像することすらできないでしょう。
 空間が広がるとは何がどうなることなのかとか、今この周りの空間は広がっているのか縮んでいるのかとか、平坦なのか曲がっているのかとか、空間が広がると人間にどのような影響を与えるのかとか、何一つ具体的に観測されたり、実験されたりしていません。
 ところが、身の回りではなにひとつわからないのに、何億光年も先の、誤差の方がはるかに大きいんじゃないかという宇宙では、空間は曲がったり、膨張したりしているというのです。なぜ、複数の手段で観測でき、誤差もほとんどない地球の近くでは空間の膨張も、曲がりも観測されないのでしょう。普通なら、より観測しやすい、近くのほうが発見されやすいはずなのに。
 空をつかむ話ですね。
2003年10月28日 妹空並刻記

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