ビッグバン空間の七不思議 
著者 高田敞
はじめに
 ビッグバンの説では、宇宙は大爆発から始まったというのは話しました。そのとき、それまで何もなかったところに、打ち上げ花火が夜空に広がるようにこの宇宙の元が飛び散ったといいます。そればかりじゃなく、なぜか一緒に時間と空間もできたといいます。そう、夜空も一緒に作っちゃったということです。
 最初の30万年ほどは、全部が火の玉だったみたいです。そのときから、空間は宇宙を、びっしり、隅から隅まで詰め込んでものすごい勢いで膨張しているという話です。
 じゃ、その前は本当に物も、空間も、時間も何にもなかったかというと、最近の論ではこれが、結構何でもありって感じであったみたいなんです。
 まず、ビッグバン以前にも真空はあったみたいです。そしてその真空はとてつもないエネルギーを持っていて、物を、生んでは消し生んでは消ししていたみたいなんです。そのうちのひとつが突然消えそびれてビッグバンの元になり、大きくなってこの宇宙を作り出したということらしいです。
 ビッグバン以前の真空の中には宇宙のすべて、それも物質だけではなく、空間も時間も何もかもが相殺しあって、無という形で隠されていたということみたいなんです。全部の色を混ぜると黒になるみたいに。
なんかすごいですね。あっという間に虎を出す手品どころじゃないですね。まあ、虎を出すのは人間で、宇宙を出すのは神様だとしたら、種も仕掛けも桁違いなのは当然ですよね。
 ところで、どのような真空でも、真空があるのなら、空間もあってよさそうに思えるのだけれど、どうもそうではないみたいなんです。今ある宇宙空間の真空ではなくて、違う真空があって、その中にぷくっと風船が膨らむようにこの宇宙の空間ができたみたいです。よく前の真空と混ざらないことと思うんだけど、それはよくできてるみたいです。まあ、素人目には混ざったって、どちらも真空なんだからどちらでもいいみたいだけど、玄人目には違うみたいで、昔の真空は、物や空間や時間や、何やかやを生んだみたいだけど、この今ある宇宙空間の真空は何も生まないみたいだから。(準定常宇宙論では陽子を生むということです。ビッグバン宇宙論との大きな違いです。)

 そこで、このビッグバン空間(ビッグバンによって作られた空間)について不思議だなということを少し書いていきたいと思います。
 当たるも八卦当たらぬも八卦です。

2003年10月28日 妹空並刻記

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