「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙30

著者 高田敞






(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題1

{あてになるカーナビ}に戻ります。

{特殊相対論によれば、人工衛星は動いているので地上から見ると時間がゆっくり進みます。・・・人工衛星に搭載された時計は、1日に7マイクロ秒、地上の時計よりも遅れるのです。}

その結果、重力によって進む分46マイクロ秒と合わせて、46−7=39だから、人工衛星の時計は1日に36マイクロ秒地上の時計より進むと計算していました。

考察

 相対性理論は、その名の示すように、根幹が相対性です。相対性とは、私が説明するのはおこがましいのですが、どちらが動いているかは決められないという理論です。この考えからすると、地球から見ると、人工衛星が動いていることになりますが、人工衛星から見ると、地球が動いていることになります。(これは私の意見ではなく、相対論者の意見です)

 そこで人工衛星から見た地球の時計を考えてみます。

 地球はその重力で、人工衛星より時計の進み方は、146マイクロ秒遅れます。人工衛星に対して動いている地球は、人工衛星に対して、7マイクロ秒遅れます。

 すると、人工衛星から見た地球の時計は、ともに遅れるので、46+7=53となり、153マイクロ秒遅れることになります。

 この差、53マイクロ秒を人工衛星は地球の時計を見ながら補正しなくてはなりません。

 1日、36マイクロ秒地上の時計との違いを補正しているということでしたが、人工衛星から見ると、153マイクロ秒補正しなくてはならないはずです。36マイクロ秒に合わせた理由はどういう理論で決めたのでしょうか。

結論

 ここでは相対性ということは眼中にないようですね。相対論なのに。それではややこしくなるから、相対論者得意の、現象によって使う理屈を変えるということですかね。まあ、技術者も、作る製品にあわせて道具を選ぶのだから、科学者の製品は理論だから、作る理論に合わせて理論を選ぶのも、当然か。というわけにはいかないですよね。