「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙31

著者 高田敞






(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題1

{ハッブルは・・・遠くの銀河ほど早い速度で地球から遠ざかっていることを明らかにしたのです。}

考察

これは証明されていません。ハッブルが観測で発見したのは、遠い銀河ほど、その光が赤方偏移しているということです。遠い銀河ほど、早い速度で遠ざかっているということを直接観測したわけではありません。勘違いしてはなりません。

この本のように、赤方偏移を抜きにして、{遠くの銀河ほど早い速度で地球から遠ざかっている}と書くと、あたかも、遠ざかっていることが直接観測されたようになってしまいます。また、ハッブル自身は、赤方偏移の単位は速度で表すが、それが後退速度であるということと勘違いしてはいけない、という趣旨のことを述べているように、赤方偏移=後退速度である、ということではありません。赤方偏移には、後退速度以外の原因がある可能性があります。

実際、ビッグバン論者の中でも、二つの原因が述べられています。一つは後退速度です。もうひとつは、空間膨張によって、光が引き延ばされているから、という理由です。ともにビッグバン論者の主張です。

しかし、この二つも証明されているわけではありません。

繰り返しますが、銀河が後退しているという直接の観測はありません。赤方偏移しているから後退している、と推測しているだけです。こういうのを仮説といいます。もちろん銀河が後退しているという他の証拠はひとつもありません。

また、空間膨張も直接観測されていません。このハッブルが見つけた赤方偏移以外の空間膨張による現象は何一つ観測されていません。銀河の赤方偏移だけが頼みの綱なのです。

ビッグバン論者は考えないようですから、私が他の赤方偏移の理由を考えてみましょう。

たとえば、光が宇宙空間を飛ぶ間に、光のエネルギーが減少したという説を述べた人がいたそうです。これは、そのようなことは証明されていないから駄目だ、とビッグバン論者は即座に否定したと書いてあるのを見たことがあります。なんの考慮もなしにです。

では、空間膨張は証明されたのかというと、そのような証明は何一つありません。銀河の赤方偏移を説明するには一番都合がいいと手前みそな理由を述べているだけです。仮説から一歩も出ていません。証明されていないから駄目だというのなら、同じ理由で空間膨張もだめのはずです。空間膨張は、地球でも、太陽系でも、何一つ、現象を表していません。塵一つ、動かしていないのです。小さな小惑星一つ動かせないのです。それが、観測が不正確になる、数千万光年先や、数億光年先になると、巨大な銀河団さへやすやすと動かすのです。観測の正確にできるところでは、何一つ発見できないが、観測が不正確になればなるほど現れるのが、空間膨張の現象です。変でしょ。

そこで、光が宇宙空間を飛ぶ間に光のエネルギーが減少した、という説について考えてみましょう。

光は、物質にぶつかると、その中の電子にぶつかり、振動させたり、はじきとばしたりします。その時光はエネルギーを失います。これは、夜部屋の光を消すと即座に光が消えることに現れています。光は、部屋の壁に当たって、その電子を揺り動かすことでエネルギーを減らし、可視光から赤外線になり、更にエネルギーを失い、消えるのです。光は光速だから、一瞬で、壁に何度も当たり、跳ね返りして、エネルギーを失います。その光のエネルギーはどこへ行ったかというと壁の温度を上げることに使われました。壁の電子の振動になったわけです。

そこで宇宙空間を飛ぶ光を考えてみましょう。宇宙空間にはすごく希薄でも、水素やヘリウムなどの分子や原子があります。そのほかにも様々な元素があります。いかに薄くとも、光が、100万光年(類人猿がヒトに進化できるくらいの時間がかかります)の距離を飛べばいくつかの分子に衝突するでしょう。その時、かすかにエネルギーを失います。エネルギーを失うことで赤方偏移が起こります。部屋の電気を消すと、一瞬で赤方偏移が起こり、光が消えたのと同じ現象と考えられます。

光が1000万光年飛べばその衝突回数は10倍になるでしょう。エネルギーは、10倍減ります。1億光年飛べば(ネズミが、ヒトに進化できるくらいの時間がかかります)100倍衝突します。100倍エネルギーが減ります。銀河の光が宇宙間物質に衝突しているという証拠は、銀河の光のスペクトルの中の暗線によって証明されています。観測による実際の証拠です。理論だけではありません。

この現象でも、やはり、光の赤方偏移は距離に比例して大きくなります。

空間膨張がそのほかのことでは何一つ現象として現れていないけれど、この、光が物にぶつかることでエネルギーを失うという現象は、部屋の電気を消すという、非常に身近なことで常に現れています。

これは、現在までに分かっている物理理論で十分説明が付きます。

一方、空間膨張の方は、空間とはなにか、空間膨張の仕組みはなにか、膨張のエネルギーはなにかということは、一切分かっていません。空間膨張については物理学では何一つ分かっていないのです。雲泥の差があります。

 こちらだと、普通に説明できます。ビッグバン宇宙論のように、謎が謎を生み、謎のエネルギーダークエネルギーや、謎の物質ダークマターや、謎の膨張、全宇宙の物質が光速の何兆倍もの速度で広がったとかいうインフレーションや、時間が生まれたとか、空間が生まれたとか、今分かっている物理学では何一つ説明できない現象ばかりで構成されているのとは違います。

 難点は、あまりにもありふれすぎている、ということと、宇宙はいつどのようにできたのかということに答えられていないということと、キリスト教の神様の出番がないということです。

このことから、銀河の赤方偏移は、宇宙間物質に衝突することで、起こる、といえそうです。少なくともそちらの方がはるかに科学的です。

結論

銀河の赤方偏移は、空間膨張のためであるというのは証拠がありません。証拠がないのに、それが正しいといっているのは科学の方法ではありません。信仰の方法です。