へんろ旅 18日目(晴れ)
お寺はなし
(「須崎から電車に乗ると帰れるよ」という、宿の奥さんの言うことを聞いて歩く。とても心配をしてもらった。前日のバス停のおじいさんと同じだ。歩き続けられるように手助けをしてくれた。)
冷たき靴に 腫れた足 押し込んでいく
遍路服 も一度引っ張り出してる 玄関先
帰るはずが やはり進んでる 朝の中
山々の 木々の芽吹いて 花を追い
切り通しの 向こうの山も 今日の旅
今日からは 未来への道と 歩み行く
山陰の 小さな家も ハナズオウ
(複雑に入り組んだ入り江沿いに歩く。)
海と山 隔てる道を ただ一人
船出する 音高らかに 海に満つ
今日もまた 遠き岬の その先へ
新緑の パッチワークの 山を過ぎ
蛙も 昼寝の 高いびき
山間の 田作る人も ただ一人
座り込み 谷渡る 鶯を聞く
春風に 戯れて蝶 風の中
(宿まであと1キロ)
イチゴ食べ ぼんやり座っている 道の駅
汗の背を 風冷たく過ぎて 道の駅
今日はもう ここらでこうさん 春うらら
本当に 遠くに来たぞ 空の青
子らの声 懐かしく聞く 春休み
(とにかく20キロほどを何とか歩いた。距離が短かったこと。さわやかな天気であったこと。そして、お許しも出たのだろう。そんなこんなで気分はだいぶ楽になった。それでもこの後、1日でも早く終わらせて帰るというのが最後まで最大の目標になった。)
(この日は、メモと記憶のギャップが大きい)
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