四国遍路の旅 4日目 (あめ)
大日寺まで焼山寺から山を降りる
 
雨降って 霧に浮かぶ 杉木立
雨の中 少しやわらかく うぐいすが鳴く
ツピツピと 霧の遠くで 金の声
たくましき 足たちわれを 追い越して行く
ゆっくりと ゆっくりと 声を出しつつくだり道
谷いっぱい 梅満開に 香り満つ
就業の チャイム木立 縫ってくる
ついてくる足音に振り返る われ独り 杉山の道
見上げれば、山ことごとく 湯気を立て
雨の中 指さす道は 山に消え
追い越した、赤いザックが 遠ざかる
今日もまた 息を切らして 山路行く
チョットコイと 呼ばれても、足重し
山を抜け 山に登りて 梅の里
梅の木に 小鳥戯れ 花が飛ぶ
道しるべ 足元にある 下り道
よちよちと 幼児にもどりて 下り行く
もういいよ それでも続く 下り道
谷深く 人の暮らし 下にあり
業深く 進ませてくれぬ 山の道
遅れじと 小さな芽を吹く やまのみち
この道は 歌は似合わぬ へんろみち
山々に はさまれて バスの道
掘っ立ての バス停の中 雨宿り
わざわざに 出てきて道を 教えくれ
大日寺 ああ12キロの 道しるべ 
岩を噛み 激流となる 大河かな
ふと寄りし 店で曲がり道 教えられ
果てしなく 大河に沿って 下り行く
二日目とおなじ 冷たい雨が一日中降っていた。
すっかり何もかもぬれてしまった。足と体はぐたぐたでも、まだまだやる気は十分。
大日寺の近くに泊まる
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