第29章 一般相対性原理にもとづく重力の問題の解法

1 問題1及び考察1

 重力の問題の解法のために以下のように多くの条件を挙げている。

@ 問題

(この領域を、任意のガウス座標系に、あるいは基準体K′としての〈軟体動物〉に準拠させる。)

 考察

(ガウス座標系)も(〈軟体動物〉)も、一般相対性理論のために必要な条件にすぎません。ニュートン力学には不必要な条件です。

 両者とも地球上では具体的な現象として、実験や観測で確認されていません。実際に存在しない条件から導き出される結果は、実際に存在しないものになるのではないでしょうか。

 

A 問題

(そのとき、K′に関して重力場G(特別の種類の)が成立する。)

考察

・ 一般相対性理論のための条件を設定したのだから、そうなるのは当然です。地球や、太陽や、宇宙にある普通の重力場を解くことにはなりません。

・ 特別の種類の重力場Gは、地球や、太陽の造る重力場とはまるで違うものであったのは、20章で述べているので参照してください。

 この特別な重力場も、空想の中だけで、実際には観測されていません。

 石を紐にくくりつけて、ぐるぐる振り回すと、紐がぴんと張ります。この紐がぴんと張る現象は重力場のためである、とするなら別ですが。これが重力場のために起こったとはいえません。

 

B 問題

 @、Aの条件の元で、測量棒、時計、K′に関する自由運動質点の振る舞いがわかる。と述べています。でもこれはすべてにあてはまるわけではないらしく、(その支配的な重力場が、ガリレイ的特殊例からたんなる数学的変換によっては導かれない場合にも、また同じ法則にしたがって生じる、という仮説を導入する)といっています。

考察

 勝手な仮説です。この仮説が、正しいという証明はありません。これでは、不都合なことが生じた場合でも、みんな、思い通りにできます。99.9パーセントの現象が違っていても(同じ法則にしたがって生じる)という仮説を導入すれば、何でも一般相対性理論どおりになります。

C 

 (この法則は、検討された重力場Gが特殊な性質のものだから、まだ重力場の一般法則ではない。)これを一般化するために、(つぎのような要請を考慮すれば、任意でない形で見出すことができるのである。)

と述べています。

問題

(求められている一般化は一般相対性の公準をも満足するものでなくてはならない。)

考察

 一般相対性理論はこの段階では仮説である。したがって、あらゆる現象や法則を考慮しても、一般相対性の公準を満足する結果が出ない場合もありうる。ここまで検討してきた結果から、事実からは、一般相対性の公準を満足する結果は出ないと思われます。すなわちそのような事実は存在しないという結果です。

問題

(考察する領域に物質が存在するならば、その慣性質量のみが、・・・またそのエネルギーのみが、その場の励起作用を決定する。)

考察

 重力質量は何の作用もしないのでしょうか。重力場を検討しているのだから、物質の重力質量が作る重力場こそ考慮しなければならないはずです。アインシュタインは、慣性の法則で説明できる現象を、(特殊な重力場)としているので、本当の、重力を生む、万有引力はじゃまなのでしょう。

問題

 (重力場と物質とがともにエネルギー(および運動量の)保存則を満足しなければならない。)
考察

 20章の箱の実験では、エネルギーは、保存されていないことを書きました。謎の力まで出てきているのですからエネルギーの保存則を満足できるはずはありません。

 24章では、熱せられている棒が、熱せられる前と同じとしています。棒に与えられた熱エネルギーは考慮されていません。これもエネルギーの保存則に反しています。

 このように、一般相対性理論の公準の基本となる思考実験では、エネルギーの保存則に完全に反しています。元を、エネルギーの保存則を満足する論にすることが先決です。

 

2 問題2

(一般相対性理論の方程式は)重力場が弱いとき、光速度に比べて小さい速度のときは(その第一近似としてニュートン理論が得られる)

考察2 

 これは地球上で起こっている現象のすべてが、一般相対性理論に当てはまらず、ニュートン理論にあてはまることの言い訳に過ぎません。そして、この世界に無数にある現象の中でたった三つだけが、相対性理論で説明できる現象であるというのです。たったの三つです。次にそれを検討してみます。

 

3 問題3

 一般相対性公準から導いた重力理論は(天文学上の二つの本質的にことなる観測結果を説明した)

@ 惑星の水星軌道がニュートン理論では説明できず、相対性理論で説明できる。

考察

 相対性理論で説明できるのだから、この現象は重力場が強いときにあてはまるようです。水星の速度は光速に比べて非常に遅いので速度は理由から省かれます。

 この一般相対性理論の意見に対して、太陽が真球でないときは、ニュートン力学で説明できるという説があります。この説に対して、相対性理論家は、太陽が楕円球であることを証明していないから、その説はだめだ、と取り合わないといいます。新しい論を証明するときは、その説を否定するすべての理論を、間違いであると証明しなくてはなりません。そっちで勝手にやれ、ということはできません。
この場合、太陽は自転しているので楕円球といえます。真球であるという根拠こそありません。したがって、十分ニュートン理論で説明できます。

 証明されている理論で完全に説明できる事例を、証明されていない法則の証拠とすることはできません。

 この、水星の軌道は一般相対性理論の証拠にはなりません。

A (太陽の重力場による光線の湾曲)

 すでに述べたように、この現象も、太陽大気による屈折現象としても説明ができます。またそのほうが、観測結果に、より一致します。一般相対性理論では、観測結果を誤差としか説明できなくなります。その理論からは、間違いであるとしかいえない観測をその理論の証明には使えません。

B 恒星のスペクトルの変移

 恒星の視線速度による変移は観測されています。これは重力ではありません。

 地球の速度による、宇宙背景放射の変移も観測されています。

 これらは物体の速度によって、光は物体に対する相対速度を変えるということを表しています。特殊相対性理論の根本定理である、光速度普遍の現象に相反する現象です。

 重力による変移は今のところ観測されていません。現在の観測技術からすると、観測できるはずだといわれています。そして観測もしています。それができないのですから、その現象はないということです。ということは、一般相対性理論を否定する結果がでたということです。

 

※ この本では述べられていない、その他の相対性理論の証拠といわれているもの

ア 重力レンズ

 これも、銀河や、銀河団に集中している、中性水素やその他の分子による屈折現象としても十分説明できます。重力レンズが、重力によるものだというには、水素分子による屈折現象ではないという証明が必要です。

イ ミュー粒子の寿命

 地球に降り注ぐミュー粒子の寿命が延びているといわれている現象。
これは特殊相対性理論の問題です。ミュー粒子は光速に近い速度〈空気のために速度を落とした光を追い越してさえいる〉で飛んでいるので、時計の進む速度がゆっくりになる。そのため、寿命が延びているという説。

もしそうなら、ミュー粒子は、現在の地球上空で発生し、過去の地上近くに降り注いでいるということになります。〈われわれの時計は速く進むので、ミュー粒子の時計より早く未来に進むため)
 過去のミュー粒子を現在にある観測装置で検出できるという手品を説明する必要があります。どのような観測機器でも、今のところ、過去を直接見ることはできません。タイムマシーンではないのですから。


4 まとめ 

 この宇宙にある膨大な現象の中で、たったこれだけです。そのうち4つは既成の理論で説明できるものです。ミュー粒子の到達距離が理論より長いというのだけが原因不明です。しかし、過去の粒子を現在にある観測装置で観測できたというのはちょっといただけません。もっと普通の理由がいずれ見つかるでしょう。

 (私は、この結果が一般相対性理論にやがてその確証を見出すことを信じて疑わない。)とアインシュタインは(U一般相対性理論について)を締めくくっていますが、現実は、相対性理論に反する現象ばかりです。相対性理論を支持する現象で、確固としたものはただのひとつも存在しないといえそうです。

 

表紙

第30章ニュートン理論の宇宙論上の困難