第14章 相対性理論の発見法的価値

1 問題

これまでのまとめです。

(経験によれば、一方では相対性原理(狭義の)が当てはまり、他方では光の真空中の速度を定数cに等しいとすることが確信されるにいたった。これら二つの前提を統一することによって、自然現象を構成する事象の、直角座標x、y、zと時間tに関する変換法則が与えられた。しかも与えられたのはガリレイ変換ではなく、(古典力学とは異なる)ローレンツ変換なのである。)

2 考察

 アインシュタインは、物質の動きは相対的である。光だけが絶対的動きをする、という解釈から、ローレンツ変換が当てはまるとしました。だが、物質の動きは相対的であるという根拠は存在しません。また経験的事実にもそのような動きは存在しません。

 反対に、今まで見てきたように、物質の動きが相対的であると、現実の動きは矛盾だらけになってしまいます。したがって、物質の動きは絶対的であるといえます。

 すべての物質の動きは絶対的である、としたなら、古典力学で物質と、光のすべてが矛盾なく説明できます。すなわち、ローレンツ変換は間違いになります。

 

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第15章 相対性理論の一般的成果