メッセージ  膨張の中心はないか 光の膨張は本当? 


宇宙空間が膨張するとは,どういう意味か(Newton2016,3)

についての考察12

2016年5月29日〜

田 敞

 

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{宇宙は無限に広い可能性もある}

 

本の主張

・ {曲がった空間を別の側面から詳しく見ていきましょう。}

・ {観測可能な範囲の宇宙は,ほぼ真っ平ら}

・ {無限の宇宙の「膨張の中心」は決められない。}

 

問題1

{曲がった空間}

考察

(1) 実証との違い

曲がった空間は実証されていない。実際はこの本のように{観測可能な範囲の宇宙は,ほぼ真っ平ら}

ということが観測されている。この観測結果から、宇宙は曲がっていないという結論が一番に導き出されるはずだ。しかし、この本では、{ただし,現在の技術では観測できないくらい,わずかに曲がっている可能性もあり,}と述べて、分からないということにしている。

 観測事実を観測技術が未熟だとこじつけて事実を否定し、空想の宇宙像の方を、さも真実のように述べている。{曲がった空間}論はおもしろいけれど、科学というよりSFの分野だ。

(注:下に書くエディントンの観測も、観測結果のばらつきや、一般相対論の理論との値の違いから、観測機器の精度が悪いから誤差が出たということにしている人がいる。理論とぴったりだという人もいるが。人によって解釈が異なるというのは変な話だ。実際は値にはばらつきがあった。一般相対論では非常に困るばらつきだが、太陽コロナによる屈折現象としたら、ばらつくのが自然だ。同じ値になるのが不自然である)

(2) 一般相対性理論

{一般相対性理論によると,3次元の空間も曲がることができるといいます。大きな質量をもつ天体のそばほど,空間が大きく曲がるというのです。}

 これは重力で空間が曲がるから、というのが、その理論です。では、宇宙全体が曲がって球の表面になったのは、どのような重力によるのでしょうか。

 この宇宙が曲がって球の表面になるということの理論はありません。少なくとも重力によって、という理論はありません。もし、この宇宙が曲がって球の表面になっているとしても、それは一般相対性理論の光が曲がる原理とは異なるはずです。

一般相対性理論を持ち出すのは、ただ曲がるということが似ているということだけです。重力で曲がるということと、球の表面になるということはまるで違う現象のはずです。こじつけといえます。

(注:

 {大きな質量をもつ天体のそばほど,空間が大きく曲がるというのです。}

大きな天体は大きな大気圏を持っています。大気の中を電磁波が通ると、屈折します。

{太陽のそばを通る光がわずかながら曲がることが確かめられています。}

エディントン氏の観測したこの星は、太陽コロナの中に写っています。したがって、この星の光は太陽大気によって屈折しているはずです。この観測からは重力によって、光が曲がったとは結論づけられません。

{重力レンズ効果を使って銀河団に存在するダークマターの分布を調べたところ,銀河の分布と同じであるとともに,高温ガスとも分布が非常に近いことが分かった。}「Newton6,2016」

 重力レンズ効果が表れたという銀河の光は、同じ場所にあるガスによる屈折も受けたはずである。このガスの効果は不問に付されている。

 このように、重力によって光が曲がるとされる現象には、同じ場所に、必ず気体が存在する。相対論者は、必ずこの気体の存在を無視する。

科学の方法論

 気体による、屈折現象は、昔から、星のまたたき現象や、蜃気楼など、他のいろいろな現象で確認されている。一方、重力による光の曲がりは、太陽の近傍で光が曲がる現象と重力レンズという現象以外では観測されていない。この二つは上に書いたように気体による屈折現象であるともいえる。

科学の方法論では、既存の証明された理論で説明できる現象は、他の理論の証明に使えないということだ。したがって、太陽のそばで光が曲がる現象も、銀河や銀河団のそばで光が曲がる現象(重力レンズ)も気体による屈折現象であるということで説明できるので、重力によって光が曲がるという理論の証明には使えないということになるはずだ。なぜか、相対論者は科学の方法論を完全に無視している)

問題2

{無限の宇宙の「膨張の中心」は決められない。}

考察

ビッグバン論では、1点から、膨張が始まったということになっている。インフレーションでもやはり、1点が急膨張したことになっている。

一点が膨張したら、その始まりの1点が膨張の中心になる。どんなに大きくなろうとも、爆発の始まった1点が中心になる。その他の新たな力が加わると、中心が変わることはあるが、ビッグバンでは、そのような力は述べられていない。

また、インフレーションンビッグバン論では、過去にさかのぼると、宇宙は1点に収縮すると述べている。宇宙のすべてがその1点に収縮するというのだから、その1点が、膨張の中心である。中心がなければ、収縮する方向がなくなるはずだ。

この本の膨張の仕組みの説明に、ゴムバンドやゴム板が登場するが、このゴムバンドや、ゴムシートの説明でも膨張の中心がある。

この宇宙が無限であっても、ゴムバンドやゴムシートを引っ張ると膨張の中心ができる。

結論

{無限の宇宙の「膨張の中心」は決められない。}かもしれないが、ビッグバン宇宙は1点から始まったのだから有限である。この{無限の宇宙の「膨張の中心」は決められない。}という理屈は有限で始まったインフレーションビッグバン宇宙には当てはめることができない。もし、この理屈を当てはめるなら、インフレーションとビッグバンで一点から始まったこの宇宙が今無限にまで広がったということを証明しなければならない。