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自然界の最高速度「光速C」を超える

超光速は実現可能か(Newton10,2016)についての考察9


著者 田 敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

問題1

{時間の遅れや空間のちぢみは,あくまで外部の観測者から見たときにおきる相対的な現象なのです。}

考察

 前項でも取り上げた、チェレンコフ光の電子を考えてみます。

 この電子は、ほぼ光速で飛んでいます。

 第一の問題は、この電子は何に対してほぼ光速で飛んでいるのかということです。

 ニュートンでは簡単です。絶対空間に対しての速度です。だから絶対速度です。誰から見ても相対速度は変わっても、実際の速度は変わりません。

特殊相対性理論では、絶対速度はなく、なにかから見たら光速であるということのはずです。地球の人から見ると、この電子はほぼ光速度ということです。だからチェレンコフ光が出てもかまわないということでしょう。では、これと並んで飛ぶ電子から見たらどうなるでしょう。この電子の速度は0m/秒になります。この速度ではチェレンコフ光は出ません。反対に、水がほぼ光速に動きます。勿論、地球も、光速です。どのような現象が起きるでしょう。相対論によると、速度が速くなると、時間が止まり、重くなるということです。地球が重くなり、公転軌道が変わりそうです。困ったことが起こります。でもそんなことはありません。特殊相対性理論の考えにしかすぎません。その現象は見た目だけで実際の現象とは関係ないからです。計算上、あるいは書類上のことで、実際ではないということです。実際は、だれがどこからどのように見ても、地球は24時間で自転し、365日で太陽の周りを1回公転しています。見方によってこれが変わったことはありません。

簡単に{電子などの電気を帯びた粒子が水中で光より速く進むと}などと言っているけれど、これは、速度は決まっているとするニュートンの考え方です。特殊相対性理論はそれを否定したことが画期的だったはずなのですから、簡単に、{光より速く進むと}などということはできないはずです。

第2の問題

この電子はほぼ光速で飛んでいるということのようです。

 すると、特殊相対性理論ではこの電子の時間は極端に遅くなっているはずです。時間の進み方が半分になっているとします(本当はもっと遅くなっているはずです)。すると、観測者の1秒間に、電子の時間は0.5秒進むことになります。観測者が1秒たつ間に、電子の時間は0.5秒しか進まないので、進む距離も0.5秒分になります。外部の観測者から見るとこの電子の速度は半分に落ちていることになります。すると、水中の光より遅くなります。チェレンコフ光は出ません。ところが、実際は、電子はほぼ光速のままで、速度は遅くなっていません。

外部の観測者から見た時、電子の時間は遅くなっていないということです。{光速に近い速さで移動する宇宙船を,地上の人が観測すると,宇宙船内の時間の流れがゆっくりに見える}という理論と事実が異なることになります。すなわち特殊相対性理論が間違っているということです。

 

問題2

{宇宙船内の人は,自分の時間の流れ方がゆっくりになっていることなど,一切感じません(感じることができません)}

考察

人間が感じる、感じないは、事象とは異なります。飛行機に乗っていると、音速に近い速度で飛んでいることなど感じません。だからといって、音速近くで飛んでいないということにはなりません。感じないから飛んでいないとすると、いつまでたっても目的地に着きません。

 特殊相対性理論では、飛行機から見ると地球が飛んでいるように見えるから、地球が後ろに動いているから目的地に着くという言い方もあります。アインシュタインの相対性です。その時は、飛行機のエンジンが、どのようにして地球を動かしているのかの、運動エネルギーの法則を示す必要があります。ニュートンの運動法則を完全に覆すことになります。アインシュタインはその法則を示していません。また、相対論者もその運動エネルギーの方程式を示していません。ニュートンの考えでは、ジェットエンジンのエネルギーでは地球を動かせません。またジェット機のエンジンの力を地球に伝える仕組みもありません。

{一切感じません(感じることができません)}ということは物質の運動の法則とは関係のない、人間の感覚の仕組みのことです。

 

問題3

{宇宙船から見れば,光速の0.6倍で遠ざかって見える地球の方こそ,時間の流れが遅くなっています。}

考察

地球から見れば、1日で1周する太陽の方こそ動いています。ということになります。天動説です。

今さら天動説ですか。小さな地球の周りを大きな太陽が回転できないのは、ケプラーやニュートンが示しました。

小さなロケットとから見ると、大きな地球の方が動いているというのは、ニュートンの運動エネルギーの法則に反します。

列車から見ると山が動いているように見えたり、地球から見ると太陽が動いているように見えたりするのは錯覚です。事実と異なる、間違った感覚です。

すなわち、{宇宙船から見れば,光速の0.6倍で遠ざかって見える地球の方こそ,時間の流れが遅くなっています。}というのは錯覚です。事実と異なる、間違った認識です。

特殊相対性理論者がいうように、仮にこれを正しいとしましょう。

宇宙船から見ると、地球が遠ざかっているということです。すると、太陽も遠ざかっていることになります。そうしないと、地球は太陽系を離れてしまいます。太陽系が遠ざかっていると、銀河系も動きます。同じように、すべての宇宙が、遠ざかって見えます。すると、(宇宙全体の時間の流れが遅くなっています)ということになります。

宇宙には、光速に近い速度で飛ぶ粒子が無数にあります。すると、その粒子から見ると、宇宙の時間の進み方が遅くなります。

ある粒子から見ると、太陽系ができてからまだ1億年しか過ぎていないとか、ある粒子から見ると24億5千万年たったとか、さまざまな太陽系年齢ができてきます。どうやって地球上の生命は進化すればいいのでしょうか。1億年で生命は進化できるでしょうか。

いやそれは見かけ上のことで、地球上の人は{自分の時間の流れ方がゆっくりになっていることなど,一切感じません(感じることができません)}ということで、感じることができないから、地球上のことは46億年経っている、となるなら、当事者の時間経過と外部からの時間経過が異なることになります。どちらが正しい時間なのでしょうか、それともすべての時間経過が現実に存在するのでしょうか。

 事実は一つです。何から見ようが、地球は誕生から46億年たっています。この46億年は絶対時間です。他はから見ると、1億年とか、57億年とかにはなりません。

結論

{宇宙船から見れば,光速の0.6倍で遠ざかって見える地球の方こそ,時間の流れが遅くなっています。}という考え方は事実と完全に異なるので、間違いです。