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自然界の最高速度「光速C」を超える

超光速は実現可能か(Newton10,2016)についての考察5


著者 田 敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

問題

{アインシュタインによる速度の足し算の式で計算した場合}{どんなに加速しても高速は超えられない」ということだそうです。それで考えてみます。

考察

3つの場合が想定されています。

ア {時速60km(v)で走るトラックから,時速120km(u)のボールを発射}

イ {光速の0.6倍(v)で進む大型ロケットから、光速の0.6倍(u)で進む小型ロケットを発射}

ウ {光速の0.6倍(v)で進むロケットから光速で進む光(u)を発射}

(1) この速度(v)と(u)は、絶対速度なのか相対速度なのか

特殊相対性理論には絶対空間や絶対静止はありません。したがって、この{外部の静止した観測者}}は絶対静止ではありません。したがって、そこから観測した、速度(v)と(u)も絶対速度ではありません。

この{外部の静止した観測者}について考えてみます。この観測者を第2の{外部の静止した観測者}が見た場合、動いている可能性があります。さらに第三の{外部の静止した観測者}が見た場合、また違った速度で動いている可能性があります。光以外の速度は決まらないというのが、特殊相対性理論の真髄です。{外部の静止した観測者}}が存在可能なのは、ニュートンの、絶対空間の考え方です。特殊相対性理論には相対的静止はあっても、絶対静止は存在しないはずです。

例1

この時のトラックは{外部の静止した観測者}}に対して時速60キロメートルで走っています。これは、地上に立っている人を{外部の静止した観測者}}としていると推測できます。普通、車の速度は道路に対して計りますから多分そうなのでしょう。すると、この時の{外部の静止した観測者}}は地表と共に自転しています。太陽の周りを公転しています。銀河系の中心の周りを公転しています。銀河系と共に宇宙空間を動いています。

{外部の静止した観測者}}は非常に複雑な動きをしています。とても、静止した{外部の観測者}などと言えません。

これでは困るので、宇宙空間に浮かんで静止した人にします。すると、地上を走っているトラックは、上に書いたように地球と共に複雑な動きをします。そのうえ、地球はとても速いです。時速60キロメートルのトラックは不可能です。

やはりこれでも困るので、架空のトラックを宇宙空間に走らせてみます。これならうまくいくかもしれません。実際は不可能ですが、そんなことができると仮定してですが。

しかし、これでも特殊相対性理論では問題が生じます。

特殊相対性理論には絶対静止や絶対空間はありません。だから、この{外部の静止した観測者}}は何かに対して静止しなければなりません。基準になる第2の観測者が必ずいります。{外部の静止した観測者}を静止させるにはそれと同じ速度で同方向に動いている第2の観測者が必要です(地上に静止した観測者は、地上と共に同速同方向に動いているので地表に対して静止していると見れます。普通それを止まっていると考えています。それと同じ考え方です)。最初の{外部の静止した観測者}と第2の{外部の静止した観測者}が異なる速度であれば、静止とは見られません。

このように、{外部の静止した観測者}は、静止と言っても、動いている可能性が非常に高いのです。特殊相対性理論には絶対静止がないのだから、静止は存在しないのです。

したがって相対性理論の場合{外部の静止した観測者}の速度は決定できません。

 

{光速の0.6倍で進む大型ロケットはどうでしょう}

上の{外部の静止した観測者}}が地上にいる場合はロケットの速度は決定できません。地球と共に複雑な動きをしているのですから。すると{外部の静止した観測者}は宇宙空間に浮かんでいるしかありません。しかし、上に述べたように、その観測者が静止していると決めるには、その観測者を観測する第2の観測者がいります。すると、やはり、同速同方向に動いている第2の{外部の静止した観測者}から見た場合のみ、静止していることになるので、やはり、上のように、{外部の静止した観測者}の速度は決定できません。

(余談)

 トラックを見ている{外部の静止した観測者}は、宇宙空間で観測していては、上のようん、トラックの速度が60kmになるのはほぼ不可能です。地上に停止していなくてはなりません。一方、ロケットを見ている{外部の静止した観測者}は地上に停止していては、ロケットの速度を高速の0.6倍と観測することはできません。注空間で停止していなくてはなりません。

このように、トラックの速度をはかる{外部の静止した観測者}と、ロケットの速度をはかる{外部の静止した観測者}は違うところに立っていなければならないのです。そして地上の{外部の静止した観測者}は地表と共に動いているし、宇宙空間の{外部の静止した観測者}は絶対静止をしていなければなりません。

計る基準が異なっては、正確な速度とはいえなくなります。

それが特殊相対性理論の素晴らしいところなのでしょうが、あまり科学的な測定とはいえないようです。

(2)相対性で考える

アインシュタインは、列車が動いているのか、軌道が動いているのか決められないと言っています。相対性です。これで考えると、{外部の静止した観測者}から見ると、トラックは時速60キロメートルで動いている、しかし、トラックから見るとトラックが静止し、{外部の静止した観測者}が時速60キロメートルで動いているとなります。どちらが動いているか決められないのです。ロケットも同じです。{外部の静止した観測者}から見ると、ロケットが光速の0.6倍の速度で動いている、ロケットから見ると{外部の静止した観測者}が光速の0.6倍の速度で動いているということになります。アインシュタインの考えた特殊相対性理論です。これが絶対空間のない空間の物質の速度です。この本でも{高速で進む宇宙船の中の人から見ると,逆に地球が同じ速度で動いているように見えます。}とあります。見えるだけではなく、実際に、どちらが動いているか決められないというのが特殊相対性理論です。

{外部の静止した観測者}は、時速60キロメートルで動いたり、光速の0.6倍で動いたりするしかありません。かなり難しい動きです。

これが相対性の妙なのです。それを捨てて、あっさり、{外部の静止した観測者}などと、ニュートンの絶対空間のような考えを取り入れては、何のための相対性理論なのかわかりません。しかし、それでは、アインシュタインの式のv+uの値が決められなくなります。すると、答えも出なくなります。困ったものです。

結論

相対性は、物質の速度が決められないという問題を含んでいます。したがって、どのように巧みな式を考えても、それに代入する決まった速度が存在しなくなります。どのような素晴らしい式でもそれでは宝の持ち腐れです。でも、だからといって、妥協して、否定した、ニュートンの静止を持ち出してはなんのための特殊相対性理論家わかりません。

まあ、相対性が間違っているのですから、どこかで絶対静止を内緒で巧みに取り入れるしかないということです。