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自然界の最高速度「光速C」を超える

超光速は実現可能か(Newton10,2016)についての考察3


著者 田 敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

問題

{ロケットから光を発射すれば光速を超えられる!?}

考察

時速60kmで走行するトラックにピッチングマシーンを積んで時速120kmのボールを投げると、バッターには両者の速度が足し合わされて、時速180kmになる。

 同じように、ロケットから、光を発射すると、ロケットの速度と、光の速度が足し合わされて、光速より早くなると思われるが、実際は、光は光速である。{これが常に光の速度は変わらないとする「光速度不変の原理」です。}

とある。

 これは加速器の実験で確かめられている。{光速の99.975%で飛ぶ「パイ中間子」という粒子から放出された光の速度が測定されました。その結果,光の速さは秒速約30万キロメートルでした。パイ中間子の速さが足されて,超光速になることはなかったのです。}

 これは、何も相対論を持ち出さなくても、ニュートンの慣性の法則でも説明できます。ニュートンの慣性の法則で速度が足し合わされるのは慣性質量を持ったものだけに起こる現象です。光は慣性質量を持たないので、光源の速度が保存できないので、光源の速度が加算されません。(今さらその原理を説明するまでもなく、科学者はそれくらい知っているでしょうし、たいがいの人は、中学校で慣性の法則は習っているので、忘れていなければ知っているはずです。なぜその程度のことが、科学雑誌なのにわからないのでしょうか。不思議です。それとも、中学校で習うことなんか簡単すぎて、科学雑誌では、あほらしくて、取り上げないのでしょうか)

 

光の速度が光源の速度に影響されないというのは、相対論とは関係のない現象です。

 光速度不変には、もう一つの現象があります。そちらが、相対性理論に関係した現象です。それは、{「真空中の光の速さは,止まっている人から見ても,高速で動いている人から見ても,つねに一定である」}という理論です。

 相対論を論ずるなら、こちらの証明こそ必要です。光の速度は光源の速度に影響されないということは、関係ないことです。なぜ、関係ない方の「光速度不変」について、しっかり説明して、肝心の、「光は何ものにも光速度である」という方を取り上げないのでしょうか。簡単です。「光は何ものにも光速度である」を説明するのは難しすぎるからです。そして実際には証明されていないからです。そればかりか否定する現象が観測されているからです。

 なぜ証明できないかというとそのような現象は実在しないからです。だから、相対論とは関係ない「光は光源の速度に影響されない」という現象を持ち出して、さも光速度不変の原理が証明されて特殊相対論が証明されたように見せかけているのです。

 また説明するのも、とても大変です。たとえば、相対論では、光に対して、500km/秒で進む人に対して光は光速で当たります。反対方向に、500km/秒で進む人にも光は光速度で当たります。光に対して進む人には光速+500km/秒、反対の人には光速−500km/秒というわけにはいかないというのが相対論です。なぜそうなるかというと、動いている人は速度に応じて、時間がゆっくりになり、体が縮み、光に対して光速度になるということです。同じ速度でも、前から光が来る時と、後ろから光が来る時では、時間の進み方や、身体の縮み方が違うようです。このあたりの説明はとても難しいのでしょう。ややこしい式は書いてあっても、詳しい説明は書いてありません。どうだ素晴らしい式だろう、この式を解いたらすべてがわかるのだぞ、解いてみな、ということなのでしょうか。

 だから、「何ものにも光速度である」という方の説明は省いているのでしょうか。其れとも説明しようがないから説明をしてないのでしょうか。

結論

光は光源の速度に影響されない」という、「光速度不変の原理」は空間が縮んだり、時間が遅くなったりする必要はありません。単に慣性の法則で説明できます。絶対時間、絶対空間の世界でも矛盾はありません
「光は光源の速度に影響されない」という現象は、時空が伸び縮みしたから起こっている現象ではありません。特殊相対性理論とは関係ない現象です。ニュートンの絶対空間絶対時間でも必要充分に起こる現象です。

説明しなければならないのは、「光は何ものにも光速度である」という方のはずです。この法則を成り立たせるには、空間が縮んだり、時間が遅くなったりしなければならないということです。こちらが、特殊相対性理論の真髄です。それなのに、関係ない方に多くのページを費やして、それで、光速度不変の法則が説明できて、相対性理論が証明されたかのようにいっているのは、間違いです。

これはまやかしの説明です。なぜまやかしをするのでしょうか?事実を追求する、それが、科学です。ある理論を、立派な人が言っているからとか、偉い科学者がみんな支持しているからとかいうことで、それを、肯定するためにまやかしをしては、科学の進歩はありません。

 科学の歴史は、偉い人が言ったとか、多数の科学者が支持したからといって正しいとは限らないということが証明されています。地動説にしろ、進化論にしろ、プレートテクニクス理論にしろ、その当時の著名な科学者の大多数が否定しています。同じようなことは数えればもっと出てくるでしょう。

 相対論と、インフレーションビッグバン説には、どうして、疑問が出ても変だといえないのでしょうか。これでは中世の科学と何一つ変わりがないことになります。