シュレディンガーの猫について23

(「シュレディンガーの猫(下)」ジョン・グリビン,坂本憲一・山崎和夫 訳,地人選書)

(以下{ }内は上記本よりの引用)

著者 高田敞

 

   

問題

{タイム・トラベルなしには、二つの解釈の間の当否を識別する実験を考えられないかもしれないからである。}

考察

タイムトラベルは、過去や未来に行けるということである。すると、現在この時刻に、過去が存在し、未来も存在するということである。過去や、未来が、実際に存在するということはどのように証明されたのだろうか。理論も、実証もされていないのではないだろうか。

1秒過去が「今」と同じように存在するとする。すると、1秒過去の地球や太陽や宇宙が存在するということになる。0.1秒過去の宇宙も矢張り存在することになる。0,01秒過去の宇宙も存在することになる。宇宙は無限に重なって存在することになる。未来に向かってもそうなる、0.01秒未来の宇宙が存在し、1秒未来の宇宙が存在し、と限りなく宇宙が存在しなくてはならなくなる。区間ンは無限この宇宙によ手ぎっしり詰め込まれることになる。そんなことはない。宇宙は一つである、それが「今」という瞬間にあるだけだ。過去や未来に宇宙が存在するというなら、それを実証する必要がある。

 SF小説じゃないのだから、もう少し科学らしくやってほしいものだ。

 

問題

{神はサイコロ遊びをなさらず、すべてがリアルである。}

考察1

 神はいるのか、それは証明されたのか。否である。神がいるかいないか知らない科学者が、神様がいて、サイコロ遊びはしないと言い切るのである。神を見たことがないのだから、せめて、量子論者は、見ないことは知らないことだ、の原点に返って、神を見たことがないから、知らないというべきである。

 まあ科学もいよいよ神様に行きついたようだ。どの神様なのだろうね、キリスト教、仏教、ヒンズー教、八百万の神。その他もろもろ。楽しみだねえ。

考察2

{すべてがリアルである}

 ゴースト電子など存在しないということだ。ゴーストがリアルではないのは、霊能者しか見えないことからわかる。無数の他宇宙が、あるなどということのどこがリアルなのだろう。分岐した他の宇宙を見たことはないのだから、知り得ないはずなのに、すべてがリアルであるとなぜ知りえたのだろうか。天才量子論者は千里眼でもあるのだろうか。

結論

 {すべてがリアルである}のは、多重宇宙がないからである。宇宙は一つ。私ももう一人の私に分かれたことはない。私は生まれてこの方私一人である。あるのは今だけ。過去は歴史。今現在に過去は存在しない。未来も物質は存在しない。現実は「今」の瞬間だけであるから、世界はリアルなのである。

 
2014,2,20  つづく