朝日新聞(2014,4,21)「産声?期待渦巻く原子重力波」への疑問と反論

著者 高田敞

 

 

     

(以下{ }内は朝日新聞よりの引用)

この項は、「宇宙,無からの創生」ではなく、朝日新聞の記事である。関連があるので加えた。


原子重力波

(朝日新聞、2014,4,21)

 

1 問題

上記新聞に{理論研究から、インフレーションが正しければCMBに特有の「渦巻き模様」があるはずだと突き止めた。}とある。この渦巻きが観測されたということだ。

2 考察

この渦巻き模様が、インフレーションのときに発生した「原子重力波」であるという主張である。

(1)反論

 地球上あるいは地球上から観測される渦巻き、あるいは回転。

・ 排水溝の渦巻き

・ 鳴門の渦潮

・ 竜巻

・ 台風

・ 低気圧

・ 高気圧

・ 地球の自転

・ 月の公転

・ 太陽系の回転

・ 星の誕生の時の星間ガスの回転

・ 銀河系の回転

 このように、回転は珍しいことではない。重力があるところでは、そのために物質が収縮すると回転が生じる。地球上の現象は地球の回転の影響ではあるが。

 発見された、CMB(宇宙背景放射)の回転がノーマルな回転と同じではないのかと検討してみる。

 インフレーション論ではCMBはビッグバン名残の光であるという主張である。そうすると、光だから重力はない。ノーマルな回転は物質によって起こっているから、これは特殊な回転であることがわかる。すると、CMBの回転は原子重力波の可能性がある。

 しかし、宇宙には水素を中心とした粒子が散らばっている。これらは、遠い銀河や、クェーサーの光のスペクトルで観測されている。物質は光を出す。ビッグバン論以前の学者は宇宙の塵は宇宙の平均温度の光を出すと考えていた。その予測が2,7Kであった。インフレーション論が出てからはこの考えは無視されるようになった。

 しかし、インフレーションがあってもなくても、宇宙に塵があり、塵は2.7Kの光を出し続けていることは否定できない。物質は観測されている、物質は光を出すのは事実なのだから、宇宙全体に広がっている希薄な水素を中心とした物質が宇宙空間全体で光を出しているのは事実といえる。

 するとCMBの光の中には、宇宙の塵の出す2.7Kの光が混じっていることは確かである。あるいはその光だけであるともいえる。ビッグバン名残の光だけであるとは言えない。

 宇宙の塵は万有引力を持っている。万有引力を持つ物質は引き合って収縮する。すると上にみたように通常は回転を始める。

 発見されたCMBの渦巻きはこの塵の回転である可能性がある。これを科学的に否定しなければ、渦巻きの観測がインフレーションの「原子重力波」であるということはできない。

結論

 塵が渦巻きになるのは、観測もされているし、今までの物理学で理論も出来ている。しかし、重力波は今のところ他では観測されていない。また重量力波が、光を渦巻かせるという観測も他ではない。

 この渦巻きは、宇宙の塵の渦巻きであるとすると、今までの理論と、現象で証明できる。しかし、重力波によるとすると、今まで観測されていない理論で証明しなければならない。

普通、科学は、証明されている方を取る。おなじ現象を他の異なることの証明には使えない。