「宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 41

著者 高田敞

 

 

     

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

ダークマターについてまとめ

1 銀河団を包んでいるダークマター

この領域に観測されているのは、水素を中心とした希薄なガスである。元素以外の謎の粒子は観測されていない。

2 銀河を包んでいるハロー

 この領域に観測されているのは水素を中心とした希薄なガスである。謎の粒子は観測されていない

3 太陽系

太陽系の空間には水素を中心とした、ガスや塵が観測されている。一方、謎の元素は観測されていない。

考察

観測できないということは、ない、ということの証拠である。しかし、ビッグバン論の矛盾をなくすためにどうしても謎の粒子が必要なインフレーションビッグバン論者は、観測できないのは、ない、のではなく、謎の粒子は見えないのだと主張している。

では、観測できないのは見えないためなのかを検討してみる。

ダークマターは重力を持っていると主張している。そこで、重力があるかを検討してみる。

重力を持っているということなのだから、その重力は観測されるはずだ。通常の物質の5倍もあるのだから、太陽系にもかなりの量がなくてはならないはずだ。ところが、太陽系には謎の重力源は観測されていない。太陽系には謎の重力源もないということだ。これは太陽系には謎のダークマターは存在しないということの証拠である。

今度は、ついでにダークマターは重力も持っていない、ということにするのだろうか。そうはしない。インフレーションビッグバン論者には重力源が必要なのだから重力がないとするわけにはいかない。それ以外は必要ないから、見えない触れないといしてもいいが、重力は必要だからそうはいかない。そこでどうするかというと、謎のダークマターの観測装置に重力の検出器は含めないことにしたのだ。測らないから、重力があるかないかは分からないとしたのである。一番簡単に検出できることをのぞいて、非常に困難で100万年に1回くらいしか反応しないだろう装置を作って観測などしてる。

ところが、特別な観測装置などなくても、太陽系の惑星の公転から判断できる。惑星の公転は太陽と、惑星の質量で決まっている。他の万有引力は関係していないということがわかる。謎の物質はないということだ。

では、星の5倍もあるという水素も太陽系にないのではないかということになる。そのとおりである。太陽系には、水素ガスは少ない。理由は簡単である。星は、星間ガスの塊、星雲の中で集団で生まれる。星が生まれると、星の紫外線が、その星間ガスを吹きとばす。星になり損ねた星間ガスは星のまわりから吹き払われてほとんどなくなってしまう。その後、集団で生まれた星は様々な方向にバラバラに離れていく。太陽は今集団から遠く離れて、単独で存在している。そのために太陽系にはガスが少ないのである。

一方見えない謎のダークマターがもし銀河系にあるとすると、集まってその重力で星間ガスを集めて星雲を作るだろう。星雲は星を集団で生む。そして、紫外線で吹き払われる。しかし、光らないダークマターは、紫外線と反応しない。他の光や物質とも反応しないかほとんど反応しない。したがって、星の光や恒星風にも吹き払われることがない。いつまでも集まっているはずだ。それも通常の星雲よりはるかに多く集まっているはずだ。

この集まっているダークマターは重力でできた星の集団がバラバラになるのを、引きとめるだろう。推測だが。もし星が移動していったとしても、星は重力で、ダークマターも引き連れていくだろう。

 

ところが、ファーストスターと違って、現在観測されている星の誕生には、ダークマターは係わっていない。物質の5倍もあり、大昔の銀河の種になったり、ファーストスターの形成に重要な役目をしたというに、今はどこに行ったのか、銀河系の中では星の誕生に何一つ関与しないようだ。

結論

謎のダークマターは、観測できないファーストスターややはり観測できない最初の頃の銀河形成には重要な関与をするが、銀河系内で観測できる星や銀河の形成には何一つ手を出さない。光が嫌いなだけあって、恥ずかしがり屋なのだろう。

要するに、観測の正確なところには存在しないが、観測が不正確なところyあ、観測できないところには大量にあるというインフレーションビッグバン特有の現象である。

 

4 重力レンズ

P135の重力レンズの図。銀河周辺で光が曲がっている図である。この図のように、銀河の近くを通る光は、銀河のハローの中を通る。

銀河のハローから、星間ガスが観測されている。銀河系のハローは、アンドロメダのハローとつながっているという観測もある。銀河団が大きくガスのハローに包まれているという観測から、銀河系もおとめ座超銀河団の一員として、おとめ座超銀河団のハローに包まれていると考えられる。

銀河の近くを通る光は希薄なガスの中を通ることになる。気体の中を通る光は屈折する。普通のレンズの屈折現象と同じ現象だ。したがって、この図は、重力レンズの図ではなく、気体の屈折現象の図である。

 重力レンズといわれているものは、気体の屈折現象であるといえる。

根拠;気体の屈折現象は、実験や観測で実証されている。星の光が地球を取り巻く気体で屈折する現象も観測されている。

 一方、重力で光が曲がる現象は今のところ観測されていない。実験もない。エディントンの観測した星の光も、太陽大気による屈折現象であるといえる。なぜなら、観測された星は太陽コロナ(太陽大気)の中に写っている。気体の中を通った光は必ず屈折する。

 したがって重力レンズであるという証拠はない。反証があるのみある。

5 星の誕生

現在観測されている恒星は、通常の星間ガスが、それのみで収縮して誕生する。謎のダークマターは関与していない。

星の誕生には謎の物質はいらない。

6 ダークマターの星

 通常の物質の、5倍も謎の物質があり重力を持っているのなら、謎の物質が収縮して謎の物質の星ができるはずだ。それも通常の星の5倍なくてはならない。ところが、太陽系にも、太陽系周辺にもそのような星は観測されていない。もちろん、銀河系にも、大小マゼラン星雲にも、アンドロメダ銀河にも観測されていない。

見えない物質でできているから、星になっても見えないということがある。しかし、謎の星が普通の星の5倍もあったらその重力で存在がわかるはずだ。普通の星との二重星や、3重星が無数にできているはずだから。

 謎の物質の星は存在しないということになる。

 また、地球には謎の重力源はない。太陽にも謎の重力源はない。すると、地球も太陽も、通常の物質だけでできているということになる。

 謎の物質は、重力を持っていても、通常の物質とはまざって星になることはないということだ。

謎の物質は、星にはなれないということで説明できる可能性がある。では、なぜ星になれないかを説明する必要がある。

 位置エネルギーを放出できないから、という考えから考えてみる(注;この説は以前、電磁波を出さないダークマターは、位置エネルギーを放出できないから収縮することができないということをネットに載せた)。

すると、謎の物質は収縮することができない。すると、初期宇宙でファーストスターやファースト銀河や、銀河団の種になることはできないことになる。かえって通常の物質の収縮を妨げることにさえなる。

 

結論

何故見えないものにそんなにこだわるのだろう。観測されているもので、考えるべきである。

 まず謎の物質ダークマターがあるという考えが断固としてある。だから、必死で謎の物質を証明しようとしている。反対に通常の物質での証明は断固否定しようとしている。決して通常の物質で説明しようとしない。科学的にフェアーではない。

 根拠は、自分たちの理論に必要であるという理由からだけである。

 インフレーションビッグバン説が壊れてしまうからだけの理由である。

 謎のダークマターなど、地球にない、太陽系にもないのだから、宇宙にあるわけがない。観測が正確にできるところにないものが、自分たちの理論に必要だからということで、観測できないところには大量に存在するはずだというのは非科学的である。