「宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 36

著者 高田敞

 

     

 

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{1秒という短い時間で宇宙の材料がつくられた}(p100)

 

問題

1秒の間に宇宙の材料ができるのか。

考察

この1秒の間にできたのは今の宇宙にある物質だけではない。今ある物質の10億倍の粒子とやはり10億倍の反粒子が生まれて対消滅したと前の方で述べている。この宇宙にある物質の20億個分が1秒の間に生まれて消えるというのだ。20億個分だよ。信じられないね。そのほかに、5倍もあるダークマターと、陽子の130倍も質量のあるヒッグス粒子が宇宙空間にびっしり生まれている。

これだけ書くだけに5分ほどかかっている。宇宙は1秒で本物の物質を作ったという。文字に書く方が宇宙20億個分の物質を作るよりはるかに時間がかかるというのがビッグバンだ。

これだけではない。そのほかにも、その1秒の間に、時間を作り、空間を作り、インフラトンを作ってインフレーション(光速など目じゃない高速世界)を起こしている。灼熱のビッグバン宇宙を作っている。最初の粒子から全宇宙の陽子を作っている。全宇宙の中性子を作っている。全宇宙の電子を作っている。それらを1個のミスもなくやってのけている。

たった1秒でこれだけのことをやってのけたという。飴玉1個だって、1秒では作れない。地球1個だって、1秒では作れない。地球を出た光だって、1秒では月にさえ到達できない。

なのに、全宇宙を1秒で作り出すなんて、不可能だ。

結論

ビッグバン世界は、言うは難し行うは易し、のようである。この宇宙から比べれば、バクテリアの大きさの10−38にもならない地球だって、1秒で作れといわれたってとても無理だ。地球どころか、裏山一つだってできないだろう。1秒で全宇宙が出来るわけがない。一般世界(ニュートン世界)の常識と、インフレーションビッグバン世界の常識とはかなり(10528mほど)かけ離れているようだ。(注;10−38とか、10528mとか書くと、なんとなく科学的で、信じられるような気がしてくるでしょう。{宇宙誕生10−36秒後〜10−34秒後の間に}と書いてあるとなんだか本当ぽくて信じられるでしょう。けれど、根拠も実証もないのは10528mと同じなんですよ。あるのは、えらい科学者が言ったか、普通人が言ったかの違いだけです。学者と普通人は大きな違いがあると思う方は間違っています。それは単なる権威主義です。過去の科学を誤らせてきた最大の原因の一つです。そして現代も権威主義が科学を誤らせています。科学は、理論と実証のみ必要なのです)