「宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 30

著者 高田敞

 

 

     

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{宇宙は一瞬で、1兆×1兆×100万倍に巨大化した}(P88)

問題1

{宇宙誕生から10−36〜10−34秒後}

考察

宇宙誕生後から10−36秒たっている。このとき虚時間は実時間になっているということなのだろう。無からこのときまでに虚時間が流れたら、時間はどのように流れたのだろうか。P83では実時間と同じ流れであるようだが。「i×時間」と「時間」は具体的にどのように違うのか説明がいる。ものが反対に動くということだけですませるのだろうか。

もし虚時間が実時間と反対に流れるのなら、宇宙は生まれたとたんに元に戻る。この世界は生まれない。

この時間については何もわかっていないということだから肯定も否定もすることができない。

ではこの短い時間に何がどのように大きくなったのだろう。

問題2

{1兆×1兆×100万倍に巨大化した}

考察1

原子よりはるかに小さな宇宙が100mほどになったということらしい。このとき何が巨大化したのだろう。“無”なのだろうか。真真空なのだろうか。どちらにしろ、それらは何もない空っぽだ。もちろん境界線も境界面もない。なにもないものが膨張するというのはなないがどのようになることなのか説明する必要がある。もし、ぶどうパンをイメージしているとしたらそれは明らかに間違いである。葡萄パンは物質である。でんぷんや、炭酸ガスや空気である。“無”にしろ、真真空にしろ、膨張するものが何もないのである。この段階ではまだ粒子はできていないようなのだから。

考察2

中身はインフラトンという謎のエネルギーがあるようだ(相転移から生まれた潜熱のエネルギーという意見もあるが、潜熱はないところから生まれない。潜熱は物体が元から持っているエネルギーである。したがって真空が元からインフレーションを起こすのと同じ大きさのエネルギーを持っていることが必要である)。

このときの直径10−26センチメートルの宇宙にインフラトンはどれくらい詰まっていたのだろうか。この大きさの空間につまっているエネルギーが、インフレーションを起こすということだ。私の爪の垢よりはるかに小さな真空に宇宙を超爆発させる巨大なエネルギーがあるということは、私の爪の垢なら、もっとはるかに巨大(1兆×1兆×100万倍×1兆倍)な100m×1兆倍の宇宙を瞬時に作れるということになる。垢は真空ではないから、真空よりはるかに大きなエネルギーを持っているはすだ。物質はE=mcから、大きなエネルギーを持っているということだ。ところが真空は何もない。

今現在の科学では、真空のエネルギーは観測されていない。真空のエネルギーはそれほど小さいということだ。

この宇宙は偽真空(あるいは“無”)の中で、偽真空(あるいは“無”)のエネルギーのゆらぎから虚時間の中で生まれるということだった。生まれたあとは、実時間の中で真真空のインフラトンというエネルギーによりインフレーションを起こす。どちらの真空もありがたいことにものすごいエネルギーを生み出している。インフレーションビッグバン論を支えるために生まれてきたような真空たちだ。

考察3

ところで、{一瞬で1兆×1兆×100万倍}もの超高速で膨張する真真空の宇宙と、もとからある、偽真空の境界はどうなっているのだろう。{一瞬で1兆×1兆×100万倍}にも膨張する真真空が高速で偽真空に衝突していることになるはずだ。時速60kmの車だって衝突すると大変なことになる。加速器の中の高速の陽子の衝突だって、陽子そのものが破壊されるようだ。それが、インフレーションでは{一瞬で1兆×1兆×100万倍}もの超高速で膨張するのだから、偽真空に衝突する速度はものすごいことになっているだろう。真空同士だから、何もないから何も起こらないということなのだろうか。

しかし、インフレーション論はそうではない。外側にある偽真空は原子より小さな体積でこの宇宙の卵を生みだすエネルギーがあったという。生まれたこの宇宙の中には、後で、宇宙のすべての物質と、その後つい消滅する今ある宇宙の物質の10億倍の素粒子と10億倍の反粒子と、ダークマターと、ヒッグス粒子と、光と、ニュートリノと、力を伝える素粒子のすべてを生み出すことになるインフラトンというエネルギーの塊がある。

この巨大なエネルギーの塊どおしが{一瞬で1兆×1兆×100万倍}で衝突したら、ただでは済まないはずだ。宇宙規模どころか、その1兆×1兆×100万×2倍の爆発が起こっても不思議ではない。

それが何事もないとは。

結論

これも自分たちの理論に必要なことだけ備わっている現象だ。よけいなことはみんな不問に付す、である。