「宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 15

著 高田敞

     



(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{宇宙が子宇宙,孫宇宙を生んだ!?}P46

問題1

{インフレーションが終了しかけている宇宙は偽真空の中に真真空の泡が生じその泡がどんどん大きくなるイメージです。}

 この泡が無数にできるという。

考察

宇宙は偽真空(偽物の真空なのかな?)というのがあって、それが真真空(本当の真空なのかな?)の、この宇宙や、他の宇宙を作っているということのようだ。偽真空が製造機械で、真真空が製品ということなのだろう。

これは高田式定常宇宙論とよく似ている。定常宇宙論も、真空(偽真空ではない。本物の真空であるところが違う)の宇宙があって、そこに、素粒子が真空のエネルギーから生まれる。大きな違いは、小さな真空から生まれるのが、宇宙最大のエネルギーを持ったミクロな宇宙か、最小のエネルギーを持ったミクロの素粒子かだ。このエネルギーの差は大きい。似ているが、似て非なるものである。

(1)インフレーション宇宙論と定常宇宙論の違い

@ インフレーション宇宙

・ 真真空の宇宙の周りには、広大な偽真空の宇宙が広がっているという2重構造である

・ 真空には、偽と真の二つがある。

・ 原子より小さな偽真空から、この宇宙だけではなく、無数の宇宙が生まれた

・ 原子より小さな偽真空には巨大な宇宙を無数に生む巨大なエネルギーがある

・ 原子より小さな偽真空は広大な真真空を生むことができる。

・ この宇宙は138億年前に無から生まれ、成長した。

 (無が偽真空ということなのだろうか。説明はない)

・ 宇宙のすべてのエネルギーは謎のインフラトンから生まれた

・ 宇宙のすべての物質は謎のインフラトンから生まれた

・ 光速の1兆倍の速度で銀河団が吹っ飛ぶ

・ 空間が光速の1兆倍の速度で膨張する

・ 空間膨張は巨大な銀河団を光速の1兆倍の速度で移動させる

・ 空間膨張は太陽系ができてから46億年の間1mmも膨張させることができなかった。

・ 空間膨張は小さな彗星の引力にさえ負けてしまう。

・ 一点から宇宙が膨張したのだから、そこにあった物質は、位置エネルギーを持たない、その後の膨張で、位置エネルギーを持つことになる。このエネルギーは、インフラトンか、火の玉か、ダークエネルギーかは分からないが、膨大なエネルギーを必要とする。超新星の爆発は、銀河すべての星が出している光に匹敵するという。それでさえ、1個の星の物質を、数万光年先まで飛ばすくらいしかできない。無数の星を宇宙のかなたまで吹きとばすエネルギーはそれこそ、天文学的数字になるだろう。そのエネルギーが偽真空から生まれた

A 定常宇宙

・ 真空の宇宙がある(二重構造ではない)。

・ 真空はただ真空でしかない。

・ 量子論からすると原子より小さな真空が原子より小さな素粒子を生む(これは証明されていない)

・ 素粒子が生まれるのは、真空の小さなエネルギーである

・ 素粒子は、全宇宙空間で、ランダムに生成する

・ 万有引力を持って生まれた素粒子が宇宙空間にランダムに生まれると、最初から離れているから万有引力に見合った位置エネルギーを必然的に持つ

・ その結果、物質は、万有引力と、それと同じ位置エネルギを持つから、万有引力と同じ斥力を持つことになる 

・ 宇宙空間は膨張しない。

・ 最初の素粒子が生まれたのはいつか分からないが、数100億年あるいは数千兆年、あるいは、もっと過去であるかもしれない。無限の過去から素粒子の誕生は始まったと思われる。(不明)

結論

偽真空に浮かぶ真真空の宇宙というが、風船のように膨らんだ宇宙の一つ一つが、数千億あるいは数千兆もの銀河を含んでいるというのだ。そのエネルギーはどこから供給されているのか。

エネルギー源が不明であるのは定常宇宙でも同じである。然し、定常宇宙論では、小さな真空がその小さなエネルギーに見合った小さな素粒子を生むだけだが、インフレーションでは小さな偽真空が宇宙最大のエネルギーを持った巨大な宇宙を生んでいる。エネルギーの差が大きすぎる。

比べると、インフレーション宇宙論がいかに荒唐無稽な現象でできているか分かるだろう。

 

問題

子宇宙と子宇宙の間は?境界は?

考察

子宇宙と子宇宙の間は何でできているのだろう。おそらく偽真空なのだろう。

では、子宇宙と偽真空の境界線はどのようになっているのだろう。子宇宙が、光速の数万倍あるいは、数兆倍の速度で広がっているのだから、偽真空との境界面ではすごい衝突が起こっていることだろう。いや、ともに真空だから、衝突しないとういうことなのだろうか。いや、星や銀河や銀河団が、光速の数万倍の速度で偽真空に突っ込んでいくのだから、普通じゃ済まないはずだ。それでなくても偽真空は原子より小さな無から一瞬より短い時間で、宇宙を生みだすエネルギーを持っているのだから、ただでは済まないような気がするのだが、どうなんだろう。

結論

SFアニメなんだから、ややこしいことは考えなくてもいいということだ。宇宙は風船を膨らますより素早く簡単にできるのだ。0.01秒で風船を膨らますなんて手品師くらいにしかできないから。これが0.0001秒になると手品師だって無理だ。それなのに、宇宙は0.00000000001秒でプッと膨らむんだからすごい。まあ、SFアニメだから、何でもありだ。