宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 6

著 高田敞


     



(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{宇宙誕生から38万年後の光が地球に届いている}P28


問題

{遠くの宇宙は過去の宇宙}

太陽から地球に光が届くのに、8分かかり、オリオン星雲からは1500年、アンドロメダ銀河からは230万年、もっとも遠い銀河からは130億年、宇宙の晴れ上がりからの光は138億年かかるということが書いてある。

考察

太陽からの光が、8分かかるのは、太陽と地球が8分光年離れているからである。同様に、オリオン星雲と地球が1500光年離れているからであり、アンドロメダ銀河と地球が230万光年離れているからであり、もっとも遠い銀河と地球が130億光年離れているからであり、宇宙の晴れ上がりの光と地球が138億光年離れているからである。

そこで、これらと地球がこの通り離れていることが確かかを検討して見る。

@ 太陽と地球{8分かかる}

太陽と地球は、約46億年前太陽系ができたときからほぼこの距離(8分間で地球は少し移動して、ぴったりの距離になった)にあった。したがって、8分過去に太陽を出た光は現在の地球に8分かけて到達できるといえる。

A オリオン星雲と地球{1500年かかる}

銀河系ができてから100億年以上たっているということだ。したがって、1500年前オリオン星雲から光が出たとき、地球とオリオン星雲はほぼこの距離(1500年の間に地球は少し移動してぴったりの距離になった)にあったということがいえる。したがって、オリオン星雲から1500年前に出た光が、1500光年の距離を、1500年かけて地球の現在に到達することができるといえる。

B アンドロメダ銀河と地球{230万年かかる}

 アンドロメダ銀河も銀河系も100億年以上前にできていた。230万年前にはアンドロメダ銀河と地球はおよそ230万光年の距離にあったと考えても間違いではない。

 したがって、230万年前にアンドロメダ銀河から光が出たとき、アンドロメダ銀河と地球はほぼ230万光年の距離(230万年の間に地球は移動して、ぴったりの距離になった)にあったといえる。したがって、アンドロメダ銀河から230万年前に出た光が。230万光年の距離を、230万年かけて地球の今に到達することができたといえる。

C もっとも遠い銀河と地球{130億年}

 130億年前というと、インフレーションビッグバン論では宇宙は8億歳である。宇宙の大きさは、今の138億分の8億である。約5.7%ほどである。

ではそのとき、地球はどこにあっただろうか。不明である。地球は46億年前にできたのだから130億年前にはなかった、というのは子供である。インフレーションビッグバン論では、宇宙の全物質は、ビッグバンのときにはできたという説なのだから、現在地球を構成しているすべての物質は138億年前にはすでに存在していたはずだ。ただ形が違っていただけだ。

したがって、地球はもっとも遠い銀河とそんなには離れていないところにあったはずだ。ビッグバンが1点から始まり、光速で広がったとしても、8億年では、最大16億光年の距離である。現在、地球は宇宙背景放射に対して600km/秒ほどということである。光速の0.2%ほどの速度である。130億年かけて地球が移動しても2600万光年である。「もっとも遠い銀河と地球」との距離は、16億光年を足して、162600万光年である。130億年前に{もっとも遠い銀河}から出た光は、162600万年で地球に到達して、通りすぎてしまう。今の地球から、その光は見えないはずだ。大きな矛盾がある。

宇宙が膨張しているから過去の宇宙は小さいとインフレーションビッグバン論者は言う。宇宙が小さくなるから、地球との距離は近くなる。近くなると、光が届くのも早くなる。もしビッグバンがあるなら、遠い宇宙の光は既にみんな地球を通り越してしまっているはずだ。遠い宇宙は暗黒に見えるはずだ。10分前の太陽が見えないのと同じである。10分前の太陽の光は地球を通り過ぎて地球から2分光年先の宇宙空間を直進している。

D 宇宙の晴れ上がりの光と地球(138億年前)

138億年前{宇宙の晴れ上がりの光}が出発したとき、地球はどこにあったか。もちろん火の玉の中でできた地球の前駆物質は、火の玉の中にあった。そして晴れ上がりの光を他の全物質とともに放出していた。なぜなら、宇宙の全物質が火の玉宇宙になっていて、それが一斉に晴れ上がったのだから、地球に固まる前の地球の物質も、火の玉であっただろうし、すべての物質とともに晴れ上がったのだろうと推測できるからである。

 そこから138億年前に{宇宙の晴れ上がりの光}が出発したということだ。光はその時から直進したという。おそらく光速であるだろう。ところが地球は、600km/秒という速度だ。あっという間にその光においていかれる。130億年後この地球の場所で{宇宙の晴れ上がりの光}を見ることはできないはずだ。

 1年前の地球の位置に望遠鏡を向けても地球を見ることはできない。なぜなら1年前に地球が出した光(太陽光の反射だが)は地球の速度より速いため、地球を追い越して、約1光年先を直進しているからだ。1年前の地球を見るためには、光速より速いロケットに乗って、その光に追いつかなくてはならない。あるいは、常に地球が光速と同じ速度で直進するしかない。

 100年前の地球でも同じだ、100年前の地球が出した光は、100光年先を、直進している。46億年前の地球がこの形になったばかりのときの光も46億光年先を直進している。100億年前、ひょっとして、他の恒星の中で、64億年後丸い形になる地球の前駆物質が核融合しているときの光は、今100億光年先を直進している。決して見ることはできない。

 138億年前、火の玉が晴れ上がったとき地球が出した光は、今現在、138億年−16億2600万年先の宇宙を直進しているはずだ(火の玉宇宙があったとしてだが)。だから決して見えないはずだ。それとも137億年前までと、138億年前とはルールがまるで違うということなのだろうか。

 この本のP28から、P29の図はこの点で間違っている。

 地球に対して、太陽や、オリオン星雲や、アンドロメダ銀河の位置は正しいといえる。しかし、もっとも遠い銀河になると、地球はその銀河の近くにあることになる。{宇宙の晴れ上がりの時代}になると間違いである。そのとき地球を構成する物質は宇宙の晴れ上がりの中に存在していたはずだ。地球がこちらにあって、{宇宙の晴れ上がりの時代}があちらにあるということはない。それでは地球が宇宙の外に出てしまう。{晴れ上がりの前の宇宙(火の玉宇宙)}の場合も同じだ。そのとき、地球はその中にあったはずだ。ビッグバン論が正しければ。

 

結論

インフレーションビッグバン論者は、46億年前から地球だけここに厳然とあったと考えているのではないだろうか。小学生ならいざ知らず、天文学者なんだからそのようなミスはないと思うのだが。

晴れ上がりと地球が離れて書いてあるし、同じように、火の玉宇宙と地球を離れたところに書いてある。それは、46億年前に地球が宇宙の片隅で誕生したという考え方になる。人間は3億年前にアフリカで誕生したということによく似ている。だがその人間の祖先は50万前に猿人であったし、3億年前に爬虫類から進化し、5億年前にはおそらく単細胞動物であっただろうし、46億年前には、生命は持たないが、さまざまな元素であったということがいえる。やがてそれらは化合し、生命を持ち、人間になる。その元素は、真偽は別にして、インフレーションビッグバン論では、138億年前に火の玉の中で作られたことになっている。すべて原初につながっているはずだ。

突然地球が46億年前に出現することはない。

インフレーションビッグバン論者にとっての地球は、宇宙の観察者である。また、地球は宇宙の中心であると考えているふしがある。この場合のように、理論の肝心なことになると、地球が宇宙の中心になる。ビッグバン論を牧師がいいだし始めたということとは関係ないとは思いたいが。今、また、地球中心説の復活では変なんじゃないだろうか。

なお、ここでは、このページには空間膨張抜きで説明してあったので、空間膨張は論に入れなかった。