著 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
{ビッグバンの証拠を発見。しかし謎は残った}P30
問題
この解説図は地球が宇宙の中心になっている。その地球に向かって、全方向から{火の玉宇宙の“名残の光”がやってきている、という図だ。
その光は、138億年かかっているという。
考察
この本では{宇宙のすべての物質は,過去に狭い場所に集まっており,非常に高密度な状態だったことになります。過去の宇宙は現在の宇宙より非常に小さかったと考えられるのです。}と述べている。
このことから、インフレーションビッグバン論者が言っている138億年前の始まったばかりの宇宙は、{非常に小さかったと考えられる。}
すると、火の玉宇宙の晴れ上がりで直進しだした光は光速で宇宙を直進することになる。
このとき、宇宙の半径を1億光年としよう。われわれからすると、とても大きいから、非常に小さいとはとても言えないが。ビッグバン論者は、宇宙誕生38万年後、宇宙の晴れ上がりのときの宇宙の大きさを述べていないから大きさはわからないが、これくらいとして考えてみる。(注1)
(注1;仮に光速で宇宙が広がったとすると、このときの宇宙の半径は38万光年になる。ハッブル定数では、38万光年では宇宙の膨張速度は秒速数kmにもならないだろう。230万光年離れたアンドロメダがその速度より速い速度で地球に接近しているということだ。だから、光速で広がるには、ハッブル定数を無視しなくてはならない。また、半径1億光年になったとすると、光速の263倍で宇宙が広がらなければならない。これもハッブル定数では不可能な数字だ。しかし、ハッブル定数はビッグバン宇宙論の肝心かなめの法則であるからこれを無視することはできないことになる。矛盾である)
1億光年とすると、図にあるようにその真ん中に地球があると、一番遠いところからの名残の光は、1億年で地球に到達してしまう。これでは、現在の地球を通り越してしまう。宇宙膨張の為に、空間が引き延ばされて地球までの距離が延び、光が地球に到達するのが遅れるとして考えてみる。空間が光速以上で引き延ばされていると、光は永久に地球に届かないから、空間は光速以下の速度で膨張しているということになる。38万年で38万光年広がったとする。すると、そこから出た光は、光速で、地球に飛ぶ。ところが、地球との間が光速で離れているから、地球に届くまでに距離が離れる。これだと兆℃、138億年ほどで、名残の光が地球に届くことになる。めでたしめでたしだ。 しかし問題は残る。ハッブル定数との整合性だ。38万光年くらいで光速になるということはない。それではアンドロメダ銀河は、光速の数倍で離れていかなくてはならない。観測と合わない。
どのようにすると、火の玉宇宙の名残の光が、138億年でちょうど地球に降り注ぐのか説明がいる。
結論
名残の光は、先に書いたように、宇宙空間の塵の出す光である。火の玉宇宙の名残の光ではない。塵なら矛盾は何もない。宇宙空間の温度と一致する。しかし、火の玉宇宙の名残の光とすると、矛盾しか存在しない。
問題2
{宇宙のあらゆる方向からの背景放射が同じ温度なのです。これは普通に考えるとあり得ない状況です。ビッグバンモデルはこの問題に明確な回答を与えられませんでした。}
考察
ビッグバンモデルだから、あり得ない状況になったと考えられる。そこで、ビッグバン論者はインフレーションという、更にあり得ない現象を持ち出してくることになるのでしょう。
しかし、普通を持ち出し、普通に考えると、普通の現象である。宇宙空間の温度はおよそ3Kであるという。宇宙空間の塵の温度もおよそ3Kであるといわれている。塵は、宇宙空間に普通に存在している。この塵は光を出している。およそ3Kの光である。
宇宙空間は光によって、“交流”がなされている。ビッグバンがなければ、宇宙は数百億年あるいは数千億年続いていても不思議ではない。宇宙空間の温度を一定にするには十分すぎる“交流”の時間がある。何一つ{謎}は存在しない。
また、量子論で、真空から粒子が生まれるとすると、その条件や原理は同じだと思われる。したがって、できる粒子も同じものになることになる。
結論
インフレーションを出すための{謎}なのだろうけれど、普通の古典物理学で十分説明できる現象である。