宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 4

著 高田敞


  「宇宙,無からの創生」への反論5   メッセージ


(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{砂粒を一瞬で数百億光年の大きさにするほどの超急膨張}

問題T

{理論モデルによって,この膨張の程度の予測は何十桁もことなります。}

考察

 4桁で一万倍違う。10ケタで十億倍違う。光の1倍の速度と、光の10億倍の速度ではまるで違う。1秒で、300000kmと、3000000000000000kmの違いが出る。それが、何十桁も違うというのだ。300000kmと3000000000000000000000000000000000000000000000000000km以上も違うというのだ。

0なんて、いくらでもつけられる。私だって今つけてみた。もっといっぱいだって簡単につけられる。面倒なら10×1087とでも書いてみますか。とても簡単だ。10も1087も書くのは大差ない。1を87と書くだけだ。書くための時間は1秒も違わない。だからこの本でも簡単に書いているのだろうけれど、それが実際の現象となるとそうはいかない。ピッチャーが145km/秒から、150km/秒にボールの速度を上げるのは至難の業だ。1桁上げるとなると1450km/秒になる。不可能だ。電車の速度を時速60kmから300kmにするのに数十年かかっている。それでも1桁上の600kmには及ばない。

今、実際の技術の世界では、ミクロン単位で精度を合わせている。ところが宇宙論では、いとも簡単に数十桁異なると書いている。バクテリアと太陽、どちらの大きさかわからないという。それどころか、バクテリアと、全宇宙のどちらの大きさの答えが出るかわからないというのだ。そんなのが現代科学の理論かねえ。宇宙のことだから、ミクロンまで合わせろとは言わない。しかし、せめて、一桁くらいの誤差には絞らないといけないのではないだろうか。一桁といっても、1兆の一桁違いは10兆である。9兆の違いがある。桁が1つ違うだけでめちゃめちゃ違うことになる。

インフレーションビッグバン宇宙論者も現実世界を少しは加味する必要があるのではないだろうか。

結論

 何をもとにそんな計算をしているのか書いてないけれど、どうせ手前がってな机上の計算なのだろう。宇宙SF小説、あるいはパソコンの中の宇宙にしか過ぎない。

 

問題2

{目の前の空間の膨張速度が光速を超える}

考察

空間が膨張する、ということだ。では、空間はどのような構造をしているのか、空間が膨張するというのは、空間の何がどのようになることなのか、空間を膨張させるのは、どのようなエネルギーなのか、そのエネルギーはどこから湧いたのか。

これらのことに何一つ答えられていない。

要するに、インフレーションビッグバン論者は、何一つ理論を持っていないということだ。もちろん実証もない。理論も実証もないということは科学ではない。SFの世界のことだ。

 

問題3

{ビッグバンモデル(火の玉宇宙モデル)が、天文学に持ちあがった数々の難問をうまく説明できなかったからです。宇宙初期にインフレーションが起きたと考えることで、例えば「宇宙に無数に存在する銀河がどうやって形成されたのか」などがうまく説明できるのです。}

考察

嘘は嘘を作るというのがある。一つ嘘を作ると、その嘘がばれないように又嘘をつく。その嘘の為に又嘘をつく。だんだん嘘が大きくなるということだそうだ。

 これが嘘だとは言いたくないが(みんな本気で信じているのだから、嘘ではない)、上の例と同じ現象であることはいえる。ビッグバンもすごい現象だが、それを補完するためのインフレーションは、その1023倍ほど大きな現象になっている。

 ところで、それで、ビッグバンの謎は解けたのかもしれないけれど、今度は、インフレーションの謎が生まれてくることになる。問題2に書いたことは、何一つ分かっていないでしょう。問題1も巨大な速度の違いとして謎のままだ。

 無とは、エネルギーが最小のことだという。それが、宇宙最大のエネルギー、それもすべての宇宙空間を膨張させるという謎のエネルギーを生んだということだ。この現象も、すべてが謎だ。

 {例えば「宇宙に無数に存在する銀河がどうやって形成されたのか」}もこれだけでは解決しない。仕方がないので、宇宙の物質の5倍以上もの、謎の物質、ダークマターなるものの存在を持ちだしている。これも手掛かりさえない物質だそうだ。謎がさらなる謎を生みだしている。

 この問題は、定常宇宙論なら、はるかに簡単に、しかも、現在までに分かっている物理学の範疇で解決する。

(高田式定常宇宙論)

@ 空間があった。(ここは現在の物理学でも不明。量子論に則ってはいるが)

A 小さな空間から小さな粒子が生まれた。(最小のエネルギーから最小の物質ができるから量子論には当てはまる。インフレーション論では、最小のエネルギーから最大のエネルギーが生まれているが、最大のエネルギーは太陽より大きなエネルギーだから量子ではないから量子論は当てはまらない)

B 長い時間をかけて、全宇宙空間にランダムに粒子が生まれた。(粒子が生まれる原理は量子論によると同じ原理だから、全宇宙に同じような粒子が生まれる。宇宙は必然的に均一になる)

C 粒子は万有引力も持って生まれるから、引き合う。引き合うことから、離れた粒子は、その万有引力と距離に応じた位置エネルギーを持つ。この位置エネルギーが斥力になる。したがって、(万有引力=−位置エネルギー)になるから、宇宙は、平衡状態になる。

D 粒子は、ランダムに生まれるから、不均一になる。すると、引き合い、収縮していく。このとき、粒子同士が衝突することで位置エネルギーの一部が熱になり、熱は電磁波として放出されるから位置エネルギーが減少し、粒子間の距離が縮まる。それの繰り返しで、ガスの巨大な塊ができる。

F 巨大なガスの塊(銀河団ほど)の中で、更に渦巻きができ銀河に発展する。

G 銀河の中で星が誕生していく。

H 収縮したとき熱エネルギとして放出された位置エネルギーは、他の物質を離れさせる。そのために銀河間の距離や、銀河団の間や、巨大構造がより鮮明になる。

I 星も、銀河も様々な形で集まった物質を放出している。エントロピーの減少である。恒星風や超新星など、集まったエネルギーによって弾き飛ばされている。物質も、核融合されるものもあれば、中性子星のように、もとの中性子に戻るものもある。

 

結論

謎がさらなる大きな謎を生んでいるインフレーションビッグバン論に解決の道はあるのだろうか。

定常宇宙論は今までの物理学で何とかなる。それでは、広大で神秘的な宇宙論としてはありきたりすぎて失礼になるかもしれない。やはり神秘の宇宙は、現在物理学の範疇をはるかに凌駕した謎多き物理学でなくてはならないのかもしれない。いわゆる神の範疇だ。科学がやっと神に近づいたということで喜ばしいことなのかもしれない。宇宙論は科学をやめて、宗教学に任せたらいいのかもしれない。

 

2014,3,2