「宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への反論1

著 高田敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)

   「宇宙無からの創生」への反論2  

 {ほとんどの銀河は,われわれから遠ざかっている}(P8)

 

問題1

{ハッブルは,ほとんどの銀河が,天の川銀河から遠ざかるように動いている様子を観測しました。しかも,遠くの銀河ほど,距離に比例して速く遠ざかっていたのです。}

 

考察

ハッブルが観測したのは銀河の赤方偏移である。銀河が動いているのを直接観測したのではない。{遠くの銀河ほど,距離に比例して速く遠ざかっていた}というのは、銀河の赤方偏移から推測した、推論である。観測結果と推論を、同一視してはならない。科学の常識である。

ハッブルは、そのことについて、赤方偏移は、速度の単位で表すから、速度であると思いがちだが、勘違いしてはならない、赤方偏移の原因は不明である、今後その原因を究明しなくてはならない、とことわり書きしている。これをビッグバン論者は必ず無視する。

結論

 観測事実を言わず、推論をあたかも観測事実のように書いたのは科学雑誌としては、ミスではないだろうか。それが、99,9パーセントの学者が支持しているとしても、科学なら、事実と、推論ははっきり区別しなくてはならない。

 ガリレオの時代、ほとんどの科学者は、天動説を支持していた。地動説は、たぶんガリレオ1人だったのじゃないだろうか。いても、せいぜい2,3人だろう。ダーウィンの時代、進化論を支持していた科学者は何人いたろう。ウオーレスとあと2,3人だろう。大陸移動説が発表されたときそれを支持した学者は何人いたろう。支持する地質学者なんてひとりもいなかったのじゃないだろうか。大陸移動説が認められたのは彼が死んでからだ。だから、私は大陸移動説を学校で習っていない。すぐこの前のことなのだ。

 科学は多数決ではない。なにが事実かで決まる。だから、なにが事実でなにが学者の考えかは常に正確に区別しておかなければならない。ここはそれを怠っている。というより意図的に隠したと思われる。なぜか。やましいからだ。

 

問題2

{干しぶどう入りのパンがふくらむとき,どの干しぶどうから見てもほかの干しぶどうは遠ざかって見えます。}{全体が同じ割合でふくらめば,遠くにある干しぶどうほど同じ時間ではより遠くに移動することになります。}は、宇宙空間膨張の比喩になるか。

考察

{干しぶどう入りのパンがふくらむ}ことはできる。しかし地球ほどの大きさになると、{干しぶどう入りのパンがふくらむ}ことはない。万有引力で潰れてしまう。

 宇宙に比べて地球は無に等しい大きさだ。ぶどうパンは机の上の現象なら引き合いに出すことができるかもしれないが、宇宙空間とは比較できない。

(1)空間膨張の伝達の仕組み

 宇宙空間が膨張しているとする。すると、今この瞬間も地球のある場所の空間も膨張しているということだ。この地球の空間が膨張したことが、周りの空間を押している。それが月に伝わり、太陽に伝わり、太陽系全体に伝わり、銀河全体に伝わり、宇宙全体に伝わり、宇宙を押し広げているというのが、干しぶどうパンの比喩から考えられる。

この地球の空間の膨張は、どのような仕組み遠い宇宙空間を押し広げているのだろう。その伝達方法がわかっている人はいるのだろうか。いないだろう。

(2)空間膨張の衝突

 月の空間も膨張しているはずだ。月の空間の膨張と、地球の空間の膨張がぶつかるところでは、どのようなことが起こっているのだろうか。まざるということはない。押しあって互いに膨張しているはずだ。どちらにどのように動いているのだろうか。わかるビッグバン論者はいるのだろうか。いないだろう。

(3)パンとの比較

 パンなら簡単だ。押し合うと、力はパン生地と中にできる気泡によって力が伝わり外側に動いていく。パンの下は窯だから、そちらには動かない。したがってそれとは反対の方に動いていく。結果下方向をのぞいた全方向にパンは膨らむ。これは、小さいから可能なことだ。地球ほどのパンになると、そうはいかない、部分の膨張は、均等には全体に伝わらない。押しあった力が、全方向の外に向かってパン生地を押しやらない。その上、パン自体の持つ、万有引力で潰れてしまう。

 重要なのは、空間は何もないから、地球のある場所の膨張を他の空間に伝える伝達媒介物がないはずだ、ということだ。空間は地球の膨張を何によって宇宙の端まで伝えているのか。もし伝えているとすれば、その伝達速度はどれくらいなのか、光速なのかそれより遅いのか、究明しなくてはならないはずだ。

結論

ぶどうパンの比喩は、さももっともらしいが、それは机上の理論のときにしか通用しない。

 

問題3

遠くの銀河ほど赤方偏移が大きくなる原因を{銀河からの光は,宇宙膨張で引き延ばされる}としている。その図がある。

考察

(1)空間が光を引き延ばす仕組み

 {宇宙空間の膨張にともなって,銀河からの光の波長は引き延ばされます。}とある。

 その可能性はある。しかし、実験も観測もないので証拠はないといえる。仮説である。

 また、空間膨張が光を引き延ばす理論もない。仮説にもならないということだ。

 この場合の問題

・ 空間はどのような構造をしているのかが不明

・ 空間膨張の仕組みが不明

・ 空間が光を引き延ばす仕組みが不明

(2) 光はどの方向に引き延ばされるか

P9の図では、光は進行方向にしか引き延ばされていない。縦方向には引き延ばされていない。ビッグバン論では、空間は3次元のどの方向にも膨張しているはずだから、光は全方向に引き延ばされなくてはならないはずだ。すなわち縦、横、斜め、すべての方向に引き延ばされなくてはならないことになる。ところが、ここでは進行方向にしか引き延ばされていない。

ビッグバン論に都合のいい進行方向だけに引き延ばされているのは、ご都合主義ととらえられかねない。縦や、斜めや、横方向に引き延ばされない理由がいる。

問題4 銀河赤方偏移の原因の仮説

銀河の光は、宇宙空間の水素を主とした、さまざまな分子に衝突したために、光のエネルギーが減じたために起こっている。

証拠

@ 太陽の光は、太陽中心でガンマー線として発生する。それが太陽表面に出てくるまでに太陽の水素を中心とした分子に衝突する。その衝突の為にエネルギーを取られ、可視光線まで赤方偏移している。

A 銀河系の星が、星間ガスの中を通るために赤化現象を起こしているのが観測されている。やはり、ガスに衝突することで、エネルギーを減じて赤方偏移している。

仮説

・ 宇宙空間に水素原子や分子があるのは観測されている。

・ 銀河の光が、さまざまな宇宙空間分子に衝突していることが銀河の光のスペクトルで観測されている。

このことから、銀河の光は、宇宙空間の水素を中心とした、さまざまな物質に衝突することでエネルギーを減じて、結果赤方偏移しているといえる。

これが原因としても、遠い銀河ほど銀河間分子に銀河の光が衝突することが多くなるので、遠い銀河ほど赤方偏移するということになる。

また、これだと、光のエネルギーが減じるから、振動数が減ることになるので、波長だけ伸びる。波高や横幅などは伸びない。ハッブルの観測に一致する。

結論

銀河の赤方偏移の原因を空間膨張とすると、空間とは何か、空間の構造は、空間膨張の仕組みは、空間膨張が伝わる仕組みはという難問が山積している。これらはビッグバン論者にも、他の物理学者にも何一つ分かっていないことだ。

そして、もちろん空間が膨張しているという証拠は、実験で証明されてもいないし、観測もされていない(銀河の赤方偏移がその証拠であるというのは循環論で証拠にはならない)。

ようするに、銀河の赤方偏移の原因を空間膨張であるとすると、現在解っている物理学では何一つ説明できない現象であるということになる。ないないづくしである。

一方、銀河の赤方偏移の原因を、銀河の光が宇宙間分子に衝突したためである、とすると、現在解っている物理学ですべて説明できる。

以上から、遠い銀河の光の赤方偏移は、銀河の光が宇宙空間分子に衝突したためであるといえる。

 

2014、3,22完