「重力とは何か」について目次
不確定性原理の位置と速度

「重力とは何か」(大栗博司・幻冬舎新書)について29

(最終回)

 著者 田 敞


(以下、{ }内は、上記本よりの引用)

 

重力波をキャッチせよ―アインシュタイン理論のテストその三

 

重力波は{マクスウェルの電磁気理論が予言した電磁波と似たようなものだと思えばいいでしょう。電磁波は電場と磁場が交互に誘導しあって、光速で空間を伝わります。一方アインシュタインは、時間と空間の曲がりが波となり、やはり光速で空間を伝わるはずだと考えました。}

問題1

{マクスウェルの電磁気理論が予言した電磁波と似たようなものだと思えばいいでしょう。}

考察

1 似て非なるもの

 電磁波は、電場と磁場が交互に誘導しあって伝わっていきます。重力波は、時間と空間の波が伝わっています。

 どこが似ているのでしょう。まるで違う現象です。電磁波は、電気と磁気そのものが空間の中を飛んでいきます。宇宙空間を飛ぶロケットのようなものです。重力波は、重力そのものが飛んでいくのではなく、{時間と空間の曲がりが波となり}伝わって行くということです。

 船が湖を渡って行くのと、落とした石の波紋が波となって広がって行くのとの違いです。船は向こう岸に行きますが、落とした石は向こう岸には行きません。行くのは波です。仕組みがまるで違います。

 比喩は往々にして真実を見えなくさせます。この場合も、時間と空間の波そのものを説明できないから比喩でごまかしています。科学なら、比喩ではなく、時間と空間の波そのものについて説明しなくてはなりません。できないでしょう。アインシュタインでさえ、太陽が周りの空間を曲げる仕組みについてなに一つ述べていません。相対論者は、ゴム膜に鉄球を乗せて、これが空間が曲がる仕組みだ、と、まるで関係のない現象を持ちだして説明しています。空間の曲がる仕組みそのものを説明することができないからです。

 だから比喩を持ちだして説明する(ごまかす)ことしかできないのです。

 

2 {時間と空間の曲がりが波とな}って伝わってきたということです

 重力波は、時間と空間が波になって伝わってくるということです。

 時間の波とはどういうものでしょう。分かっているのでしょうか。空間の波とはどういうものでしょうか。分かっているのでしょうか。

音は空気という実際の物質の波です。ところが時間は実態のないものです。実態のない時間がどのように曲がるのでしょう。どのように波打つのでしょう。時間の何が揺れているのでしょう。時間の波は、縦波でしょうか横波でしょうか。地震のように縦波が先に伝わってきて、横波が後を追いかけてくるのでしょうか。縦波のときは時間が過去と未来と現在を行ったり来たりするのでしょうか。それとも、時間が伸び縮みするのでしょうか。横波ではどうでしょう。時間が横にぶれるとどうなるのでしょう。隣の時間にぶつかるのでしょうか。それとも、空気のように時間が空間にびっしり詰まっていて、全体が波になるのでしょうか。

時間そのものは空気や水のように具体的に存在しているものなのでしょうか。過去や現在や未来の時間が横たわっていてそれが波になるのでしょうか。それとも全宇宙に現在という時間が詰まっていて、それが波になるのでしょうか。

「時間が波になる」と言うのは簡単です。誰だって言えます。わたしだって。しかし、その仕組みについて言える人はだれもいないでしょう。時間の波について分かっている人は一人もいないからです。科学は仕組みについて述べることが大切です。キャッチフレーズだけではたんなる噂話にしかすぎません。

時間が曲がるわけはありません。時間そのものは実態のないものなのですから。ない袖は振れぬ、です。ないものが曲がったり、波になったりするわけがありません。

 空間も同じです。空間も実態のないものです。何もないものがどのようにして波打つのでしょう。空間が波になるというなら、空間の何がどのようになると波になるのかを示さなければなりません。空間の構造さえ示すことができないのに、波になるというのです。言葉だけで実態はありません。

 そこで、「時空」と名付けて、時間と空間をくっつけてしまえば、それなら何かがあって、波になるかも、ということなのでしょう。

 時間が波になるというと、「変な話だ」、になります。しかし、それが「時空が波になる」というと、なんだかありそうな気がしてきます。不思議なことです。これ、言葉の手品です。科学ではありません。

ところで、時間と空間がくっついたら何になるのでしょう。そんなものがあるわけないでしょう。金属なら混ぜて合金ができるかもしれません。鉄とガラスは、接着剤でくっつけることができるでしょう。で、なにもない、しかもまるで性質が違う、時間と空間をどうやって混ぜるのでしょう、どうやってくっつけるのでしょう。これも、「時空」という、かっこいいキャッチフレーズ以外なにもありません。

 重力が時間や空間を揺らすということですが、重力が時間のどこにどのように作用すると時間が波打つのでしょう。重力が空間のどこにどのように作用すると、何もない空間が波になるのでしょう。その波とはどのようなものでしょう。

 何もないものの波。禅問答のようなものです。答えられる人はいるのでしょうか。いないでしょう。

 仕組みが何一つ分かっていない{時間と空間の曲がりが波とな}って地球まで押し寄せるというのです。言葉では簡単です。書くのに1行もいりません。しかし、その原理や実態はなに一つ説明がありません。何一つ分かっていないからです。あるのは謎だけです。

 

問題

 連星の周期が短くなっている原因は連星が重力波を出しているためにエネルギーを奪

われているからだということです。{これは連星がエネルギーを徐々に失っているとしか思えません。エネルギーを失ったせいで二つの星の距離が近くなるために周期が短くなっていると考えられるのです。}

考察

 このことから、時間や空間を揺らすエネルギーは星の公転エネルギーということが分かります。

ということは公転している地球も、時間や空間を揺らしているということです。どうせ、地球くらいの重力では観測できるほどの空間や時間の揺れは起こらないということでしょう。しかし、中性子星は地球など比べ物にならないくらい大きな質量を持っています。それが速度を落とすのですから、大きな運動エネルギーが消費されているということです。

地球は中性子星に比べて質量が数百万分の1くらい小さいので、速度を落とすためには、中性子星ほど大きなエネルギーはいりません。

この説では、中性子星はその質量に見合った重力波を出しています。それに見合った、運動エネルギーを失い、それに見合っている速度を落としています。同じように、質量が小さくても、地球も公転で地球の質量に見合った重力波を出しているはずですから、それに見合った運動エネルギーを失っているはずです。地球も失った運動エネルギーに見合った速度を落としているはずです。大きな質量は大きな重力波を出し、大きな質量を減速させる。小さな質量は小さな重力波しか出せないけれど、小さな質量なら減速できるはずです。地球は46億年間公転を続けているのですから、その間重力波を出し続けているはずですから少しは速度を落としてもよさそうなのですがね。地球はなぜ減速しないのでしょう。

どうも、重力波を出したり、重力波によって運動エネルギーを奪われるのは中性子星の連星に限るようです。なぜなのでしょう。時間と空間を揺らすのはものすごいエネルギーがいるということだからでしょうか。法則が、適用できるところとできないところがあるということです。重力波の法則は、特殊なものに限って起こる変則的な法則で、何ものにも作用する不変的な法則ではないということのようです。その説明もできていません。

 

まとめ

星の公転する運動エネルギーがどのようにして時間に作用して時間を波打たせているのでしょう。おなじように、星の公転の運動エネルギーがどのようにして空間に作用して空間を揺らしているのでしょう。

質量のない時間や空間がどのようにして運動エネルギーを奪っているのでしょう。また、質量のない時間や空間が質量のある物質をどのようにして動かしているのでしょう。

このことの説明はありません。できないでしょう。

問題

{波が伝わるにはエネルギーが必要ですから、どこかから調達しなければいけません。そのために連星の回転運動のエネルギーを使っていると考えれば、辻褄が合うのです。}

考察

1 運動エネルギー

 (運動エネルギー=質量×速度の2乗÷2)です。しかし、時間も空間も質量はありません。したがって、それが波になったとしても運動エネルギーは0(E=0×m÷2)です。{波が伝わるにはエネルギーが必要ですから、}というのはどのエネルギーなのでしょう。質量のない時間や空間の波のエネルギーとはどんなエネルギーなのでしょう。少なくとも物質の運動エネルギーではありませんから、水や、空気の波と同一のように書いてあるのは明らかな間違いです。おそらく、時間の波のエネルギーは説明できないからごまかしているのでしょう。そのような波は現実に存在しないのですから説明のしようがないのでしょう。

 水や空気の波を起こすにはエネルギーがいります。棒でかきまぜると、水も空気も波を起こします。棒の運動エネルギーが波を起こすために使われました。これは、水や空気が棒と同じ物質でできているから起こるのです。ともに電磁気力を持っているので押し合ったり摩擦を起こしたりすることで、棒の運動エネルギーが水や空気に伝わって起こります。

 中性子星が公転すると時間が波打つといっています。中性子星も棒も同じ物質ですから、棒が回転すると時間も波打つということになるはずです。

また、中性子星が起こした時間と空間の波で構成されているという重力波は、検出装置(通常の物質)を波打たせたということですから、そこいらに普通にある棒などの物質も波打たせたはずです。すると、それと反対の作用も起こるはずですから、やはり棒(通常の物質)を振り回すと、時間と空間は波打つはずです。もちろん検出限界以下の小さな波だから検出できないというでしょうが。それにしても、棒を振り回すとき、時間や空間を波打たせるためにエネルギーが奪われているということになります。車が走っても、飛行機が飛んでも、人工衛星が飛んでも、地球が公転しても、時間と空間が揺れ、運動エネルギーが奪われているということです。これは現実には一切影響していないようですから、検出できないくらい小さなことなのでしょう。

 しかし、中性子星の大きな重力で重力波を発生させて運動エネルギーを奪って大きな質量の中性子星を減速させたなら、同じ比率で、小さな質量の車が小さな重力波を発生させたら、それに見合うエネルギーロスは小さなエネルギーでも、車も小さな質量なのだから減速させても不思議ではありません。自転車の速度はブレーキを握るだけで落ちます。自転車は人間の力で走るのですから、人間の力で速度を落とせます。しかし、新幹線の速度は人間の力では落とせません。新幹線は電気の大きな力で走っているので、大きな力がなければ速度は落とせません。だから電気の力で速度を落とします。中性子星の作った重力波が中性子星の速度を落としたなら、自動車の出す重力波が自動車の速度を落とすことも可能なはずです。

重力波は、宇宙のはるかかなたの、中性子星の連星というかなり珍しい事象に限って起こることのようです。日常的な現象や、太陽系には起こらないようです。天然記念物とか、絶滅危惧種のようなものなのでしょう。

 

問題 地球は重力波を出すか

上に書いたように、地球も公転しているので重力波を出してもおかしくありません。それは非常に小さいのかもしれません。

 そこで考えてみます。

 万有引力は距離の2乗に反比例して弱まります。重力波も重力の波ということですから、やはり距離の2乗に反比例して弱まると考えられます。

 観測された重力波は遠い星から届いています。元は大きな波だとしても、距離の2乗に反比例しているとするとかなり弱まっていると考えられます。

 実際、その中性子星の光は望遠鏡でしか見えないくらい弱まっています。重力波もそれくらい弱まっていると考えられます。

 地球を考えてみます。地球の引力は、私たちに一番強く作用しています。地球そのものの引力は中性子星に比べて、はるかに弱いものです。それでも、私たちが中性子星に落ちて行かないのは地球の引力の方が格段に強く作用しているからです。原因は、距離です。地球は私たちに一番近いからです。

 重力波を考えてみます。中性子星の公転で出る重力波は地球が公転で出す重力波より極端に強いでしょう。しかし、距離が違います。地球の引力の方がはるかに強く私たちに作用するように、重力波も地球が出す重力波の方がはるかに強く作用するはずです。

 ところが、その作用はありません。地球の公転は重力波を出さないようです。

では太陽はどうでしょう。太陽は銀河系を公転しています。するとやはり、公転によって重力波を出してもおかしくありません。太陽は中性子星よりはるかに大きな引力で地球を引っ張っています。すると太陽の出す重力波も中性子星の重力波よりはるかに強く地球に届いてもおかしくありません。ところがそれは検出できていません。

太陽もやはり重力波を出していないようです。

ただ公転するだけでは重力波は出ないようです。重力波を出す条件とはどんなものなのでしょう。

重力波は非常に特殊な現象の場合のみ出るようです。そうでしょうか。

ニュートンの考えた万有引力で考えてみます。万有引力は、物質が持つ引き付ける力です。この力は磁力のように、そのものが離れたところに届きます。アインシュタインの考えた重力が空間の曲がりで起きるのとの大きな違いです。だから物質が揺れると空間が揺れるというのが重力の考えです。

万有引力は空間とは関係ありません。中性子星が高速で公転すると、地球に対する距離が高速で変化します。引力の強さは距離に反比例するので、万有引力の強さが高速で変化します。万有引力の強弱が光のように直接飛んできて検出器をゆすります。そのために検出器に変化が生じます。これが重力波といわれているものです。実際は、時空の波が伝わってきたのではなく、万有引力そのものが直接やってきたのです。船が向こう岸に行くのと、落とした石の波が向こう岸につくのとの違いです。万有引力は船と同じようにそのものが飛んでいきます。検出器を伸び縮みさせたのは重力波ではなく、万有引力そのものの強弱です。

 

このことで、地球の重力波や、太陽の重力波が検出できないかを考えてみます。

太陽の引力は重力は検出器に対して短時間では変化しません。地球の自転に合わせて24時間周期で変化します。これは分かっていることなので、重力波ではないとしているはずです。月の引力もほぼ24時間の変化が出ます。太陽や月の引力で地球は伸び縮みしています。

これらは、検出器では調整されているはずです。

これが、中性子星からの引力の違いが、検出器を引き伸ばしたり縮めたりしたけれど、月や太陽の引力の差は、検出器を伸び縮みさせても、あらかじめ、その変化は組み込まれているので、重力波ではないということになっているのでしょう。

これが、中性子星では、重力波が出るけれど、月や太陽では重力波が出ないことの原因です。検出器を伸び縮みさせているのは、重力波ではなく、万有引力の強弱が直接伝わってきているからだということです。

まとめ

重力波が、太陽や地球や月は出さなくて中性子星に限って出るというのは法則の一般化ができていないけれど、万有引力の現象とするならば中性子星の現象も、太陽や地球や月の引力の作用と同じ法則で説明できます。法則の一般化ができます。

 

結論

 重力波が、時空の波とすると以下の謎が出てきます。

・ 時間の波とはどんなものか

・ 時間の波の伝わり方

・ 公転の、運動エネルギーが時間を波打たせる仕組み

・ 時間が波打つことで、中性子星の公転エネルギーを奪う仕組み

・ 時間の波が、地球の観測機器を揺らす仕組み

・ 空間の波とはどんなものか

・ 空間の波の伝わり方

・ 公転の、運動エネルギーが空間を波打たせる仕組み

・ 空間が波打つことで、中性子星の公転エネルギーを奪う仕組み

・ 空間の波が、地球の観測機器を揺らす仕組み

これは、時間と空間を一緒にして時空としても同じことが言えます。

その他として、以下のことも言えます。

 重力波は、中性子星の公転運動、衝突、ブラックホールと中性子星の衝突など、巨大なエネルギーの運動でしか発生しない。太陽や地球や、身近な物質の運動では発生しない。法則が一般化できないという矛盾も生じます。また、それなのに、反対の反応、極端に弱い重力波でも、検出器の物質を波打たせることができる。また、反対の反応、極端に弱い重力波でも、検出器の物質を波打たせることができるということです。重力波を発生させるには巨大なエネルギーがいるが、遠くからやってきた、時空のあるかないかの波、重力波でもそこらの棒を揺らすということです。でき方と、作用に矛盾があります。

このように重力波はすべて謎と矛盾でできています。解明されていることは何一つありません。根拠は、アインシュタインが言ったことと同じだ、だけです。

したがって重力波は、科学的には仮説にもなっていません。

一方、観測された検出装置の伸び縮みが、重力波ではなく万有引力としたら、上に書いたように、すべての物質に共通した法則として、矛盾なく適用できます。

 

重力波として検出されたのは、重力波(時空の波)ではなく、万有引力の強弱が直接伝わってきたということです。